七中全会闘争白熱化、党内崩壊寸前

2007年10月16日 10時52分
 【大紀元日本10月16日】第十七回党大会の予備会議として、3日間にわたり開かれた中国共産党(中共)第十六回七中全会は10月9日に北京の京西賓館で開催され、胡錦濤・総書記による政治報告の事前聴取と討論が行われ、前上海市委書記・陳良宇、山東省前副書記・杜世成が党より除籍されたことが再確認された。

 一方、開催期間が4日間にわたる第17回党大会では、中共の党規約の修正案、中央紀委業務報告を審議することが行われる。この内容は、中国官製メディアが10月12日になってはじめて報道した。

 第16回七中全会は無事閉幕したが、上層部の内部抗争を隠すことはできなかった。アナリストらは、今回中共における派閥争いの異常現象は、矛盾が激化した現れであるとし、内部崩壊はいつでも起こりうると分析している。

 七中全会期間中、第17回党大会に向けて、次の事案が実行された。

 ①前上海市委書記・陳良宇に対する審査報告、政治局が7月に陳に対して党からの除籍処分を追認した。

 江沢民派の上層部指導者に対して懲罰を強いたことで、権力闘争において、胡総書記が情勢を把握し、コントロールできる状況になったとみられる。

 少し前に、中共人事異動について紛糾し、政治局常務委員の人事案としてさまざまな情報が飛び交った。また、最近、上海市の市委書記に就任した習近平は、党内でもっとも早く出世した風雲人物として認識されており、中央派閥の李克強と共に後継者として浮上し、政治局常委の候補にあがっている。習・李両氏は、5年後の第18回党大会で胡・温両氏の後継者とみられている。

 ところが、中共は現在危機をはらんでおり、党内の闘争は白熱化し、内部はいつでも崩壊する可能性があることから、第18回党大会まで維持できるかどうかも問題だと言われている。したがって、5年後の展望は現実的に意味がないとされている。

 また、曽慶紅の進退も焦点になる。一説では、曽はすでに江沢民派を離れて、太子党(中共の二世高官グループ)を率いることになるという。しかし、曽・胡両者間の対立がありながら、互いに利用しあわなければならないことから、上海派が失脚してから真空状態になった政治関係は、太子党がうめると考えられている。実際、曽に関するうわさはさまざまに飛び交っている。

 ②党大会で胡総書記の政治報告および党規約の修正案を審議する。また、党大会は、公報では、「科学発展観」などの思想戦略を貫徹することに決まった。

 「科学発展観」は胡錦濤が2003年10月に開かれた中共第十六回三中全会で初めて出された。のち、「調和社会」「民生」および「平和発展」の重視に拡大された。胡総書記は思想理論をもって江沢民の「3つの代表」に対抗しようとした
中共第十七党大会前警戒を強化(Getty Images)



 *胡錦濤「中核」の報道、江・胡両側の表現相違は歴然

 北京の情報筋によると、第17回党大会で中央における新しい指導者を選出するほかに、正式に胡総書記のリーダーシップの基盤を固めるという。また、中共前総書記・江沢民は今大会で姿を見せるのが最後になるとみられ、第17回党大会の後に、「胡錦濤同志を中核とする党中央の団結」のスローガンを打ち出すという。

 江沢民は第十六回党大会で自ら、「胡錦濤が総書記とする党中央」の言い方に決めたことは周知の通りだが、「胡錦濤同志を『中核』とする党中央の団結」にしたとは、今年の北戴河会議期間中に、江沢民、李鵬などが胡・温と話合いを通じて、さらに第十五回、第十六回中央政治局引退した常委および現職中央政治局常委、元老の支持を得た上、第十七回党大会で「胡が中核」の地位に決定したという。

 これに対して、胡・江両側を支えるウェブサイトでは極めて異なる視点での報道が流れている。江沢民派の解釈とは、「胡錦濤は最後にようやく『中核』になった」とし、すなわち、胡錦濤は江沢民に試され、ようやく試験をパスしたから、江が胡に称呼を与えたという。江が最後の中核だと暗示している。

 一方、胡錦濤派の解釈とは、「十七大で『胡錦濤が中核』を確立、江沢民は今大会では最後の姿だ」としており、胡は自己勢力によって地位を獲得したことから、江沢民は初志を変えざるを得なかったのだ。さらに、江沢民は今大会で最後の姿を見せることを強調し、今後は胡錦濤1人の天下になることを暗示している。

 情報筋によると、十七党大会までに胡錦濤はすでに人事方面で主導権を握っており、十八党大会の後継者らの布石に対して、絶対的支配権を持っているという。また、胡錦濤が真の「中核」になったかは、江沢民に対する「人事異動」の動向をみれば分かるのだ。実際、このほどメディアが江沢民親子のスキャンダルを暴露したことが、胡錦濤が江沢民に対する「人事異動」を操ったとみられる。

 *金融史上最大スキャンダル

 第17回党大会開催する直前に、メディアは中共証券市場における史上最大スキャンダルを暴露し、1兆2千億元をめぐる事件は江沢民親子、賈慶林、黄菊、呉志明、兪正声を巻き込んだ。また、黒幕に利用された米国籍中国人・劉敏が江氏家族の海外資産を把握しているため、江沢民逮捕時の重要証人となった。
第17回党大会直前、1兆2千億人民元という中国金融史上最大インサイダー取引で、江沢民親子をはじめ、賈慶林、黄菊、呉志明、兪正声らの関与を明らかにされた。写真は中国証券市場広告(Getty Images)



 *江沢民、粛清を恐れる

 江沢民は、現在、金融スキャンダルの渦中にある。海外のサイトに10月11日に江沢民のスキャンダル報道が掲載されたが、数分後にそのすべてが削除されてしまったことからも、江沢民陣営がこのスキャンダルをいかに敏感な問題ととらえているかがわかる。
10月11日海外のある人気サイトで江沢民関連記事は数分間で削除された。江氏側の監視および圧力によるものだとみられる



 *胡・江内部闘争の本質=法輪功問題

 胡・江闘争において、真に解決しなければならない問題とは、江による法輪功(Falun Gong=ファールンゴン)弾圧を持続できるかどうかだ。両者の抗争の本質的な原因は、胡・温と江・曽は、法輪功弾圧問題において対立していることだ。

 胡・温が就任した当時、勢力が弱かったこともあり、法輪功弾圧から離れた存在になった。情報筋によると、温家宝が首相就任後、幾度も法輪功弾圧の見直しを直接提案した。これに対して、胡も見直しには賛同したが、権力が限定され、弾圧を終結するには「まだ出来ない」と暗示したという。このことから、江沢民は不安を募り、両氏に対して江派からの全力の抗争が始まり、胡派閥と上海派閥のあからさまな対立に発展した。これにより、温家宝の経済政策は完全に江派に排斥され、胡錦濤の命までも狙われたという。まさに、胡・温が江の法輪功弾圧に関与しないことから、胡・江権力の対決が徹底的なものに発展したと言える。

 一方、今回の胡・江内部闘争はエスカレートしており、毛沢東時代の残酷で情け容赦のない手段に相当するものがあるという。闘争の白熱化は、永遠に法輪功を弾圧し続けるという狂乱した江沢民の感情と正比例を成しているのだ。そのことは、江沢民の胡・温に対する圧力が大きくなればなるほど、それだけ胡・温から、
中共第17回党大会前警戒を強化(Getty Images)

情け容赦のない反撃が返されるからだ。

 *挑戦に直面する時が到来

 「中核」の地位に上り詰めた胡錦濤にとって、これからが真の挑戦に直面する時といえる。現時点の胡錦濤の相手はもはや江沢民ではなく、自分自身なのだ。胡が自我利益の視野を越え、天意と民心を見つめ、さらなる広範囲で天理に沿った措置を講じることができるか、重大な試練が課せられているのだ。

 実質上、江沢民が法輪功を迫害し、悪事を働き続けたため、悪業に満ちていることから、滅亡は必然であり、天意であるのだ。一方、「中核」になり大局を左右することができる胡錦濤は、やるかやるまいかの問題だ。ただ政治家と同様に利権を操り交易を行い、法輪功の弾圧を放任し続けるなら、江沢民と同じ滅亡の道をたどることになる。

 さまざまな圧力から、法輪功問題を言及することが避け続けられた。しかし、客観的にいうと、中共内部の運命および権力変遷の深層は、法輪功の弾圧事件とは密接な関係にある。中共は8年間に及ぶ血まみれの弾圧および法輪功学習者が8年間にわたる強靭な不屈、善と悪の闘いは中国人民の生存環境における社会の基礎を構築したのだ。

 人々はこれと同様に矛盾の中で自己の未来を選択する。胡錦濤は第17党大会で「中核」の身分として現われ、未来に関係するもっとも重要かつ賢明な選択ができるかに直面しているのだ。

(記者・任白鳴、翻訳/編集・余靜)


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