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【文化論エッセイ】日本の侍社会は崩壊したのか

 【大紀元日本10月13日】畢竟、日本の文化とは一体何なのだろうか。諸説紛々として、議論百出し五里霧中なのであろうが、その有力な説の一つに「武士道」というものがある。

 では、この武士道…長く中世の戦国時代に兵法家たちの精神として鍛えられ育まれ、徳川家康がその終止符を打った江戸時代に儒家の忠孝思想と合体して花開いたものだといわれている、この武士道の精髄とは一体何なのであろうか?

 この武士道の精神を著した一書に「葉隠れ」がある。これは、江戸時代の中期に鍋島藩の藩士・山本常朝によるものだが、他に明治になって新渡戸稲造が外国人向けに書いた「BUSHIDO」がある。

 では、これらの書物が最も言いたかったことは何なのであろうか?葉隠れの有名な一節に「武士道と言ふは、死ぬ事と見つけたり」というものがある。サムライとは、自殺肯定論者だったのか…ハタマタ自決主義者なのか。まさかそんなことはあるまいが…。

 確かに明治の文明開化を果たす以前の日本は、サムライの統治する社会であり、象徴的なこととして「切腹」「介錯」が当然のこととして行われていた。

 しかし、これは無論のこと武士自ら喜んで自決したことでは毛頭なく、組織の中で、或いは広義的には日本の侍社会の中で、自らが重大な失態を犯したか、あるいは地位相応の責任を果たせなかった場合に「腹を召した」わけであろう。

 では、第二次世界大戦後の米国流の民主主義教育にどっぷりと浸かった平成の日本社会では、この伝統は奇麗さっぱりなくなってしまったのだろうか。

 そうともいえないのではないだろうか。戦後の政局を見ても、長く衆議院で与党第一党の伝統を保持してきた自民党は、国政選挙で大敗するたびに、宇野、橋本らの総裁が責任を執る形で退陣しているし、極近くでは日本の国技である大相撲でも時津風親方が処分された…。

 こういった腐ったリンゴは自ら退陣するか、もしくは社会が処分するということは、健全な国家社会を形成する上で不可欠な要素なのであろうが、こういった当然のことも民主化を果たした先進国でないと、世界ではまだまだ難しいのが現状のようだ…。

 「日本人が自信を失った」と言われて、既に久しい…それは単に経済的な勢いが失墜したということ以上に、耐震偽造疑惑、食料品業者の不当表示、学級崩壊、家庭崩壊、社会保険庁の横領など、かつての日本社会では考えられなかった腐敗を社会自体が看過してきたこととも関係があるように思える。

 「腐っても鯛」という言葉があるが、このように隠蔽された腐敗が、マスコミによって連日のようにTVで流され、辟易しつつも、その責任者が「…どうもすみませんでした…」と退陣している昨今、日本人自体がその清潔感を伝統として社会に継承すれば、まだまだ再活性化の道があるのであろう。しかし、それはむしろ先端的な物質的なところにあるのではなく、その逆の古のその精神に鍵があるようにも思える。

 

 (07/10/13 17:32)  





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