『九評共産党』3周年記念シンポ、中国大陸への影響力を検証=東京

2007年11月24日 14時58分
 【大紀元日本11月24日】大紀元時報が発表した連載社説『九評共産党(共産党についての九つの論評)』の3周年記念シンポジウム(主催・大紀元時報)が11月23日、東京・文京区で開かれた。基調講演をはじめ、4人の講演者が、『九評』に触発された中国共産党関連組織からの脱退運動と、関連する亡命事件や、中央政府に法輪功弾圧の停止を求めた安徽省政協委の汪兆鈞氏の公開状など、3年間の出来事について分析し、『九評』が中国大陸にもたらした影響力の大きさを浮き彫りにした。

 講演に先立ち、株式会社大紀元の北島満社長はあいさつで、中国共産党(中共)があらゆるものを「破壊」したことを取り上げ、特に「人心の破壊」により、「唯一信じられるものはお金」という
講演に先立ち、あいさつする北島満社長(大紀元)

拝金主義が生み出されたことを指摘した。

 また、北京五輪までは中国株ブームが続くという多くの専門家の予測に対し、「五輪前には中国の膨張したバブルが弾け、北京五輪は中止になる」という関西経済人の発言を取り上げ、下がる前に株を売り抜けたいという心理から一気に株暴落、バブル崩壊、金融機関や建設関連会社の破綻、各地で暴動が発生するというシナリオを紹介した。

 基調講演「『調和社会の構築』への最大の壁」では、文学博士・孫樹林氏が、調和を破壊しているのは中共であるとし、その解体の方途を分析・予測した。

 孫氏は、胡錦涛総書記が唱えた調和社会の構築理論は不調和社会への投薬として打ち出されたものとし、先月、中共の一党独裁などの最大の不調和を指摘した安徽省の政治協商委員・汪兆鈞氏が第17回党大会後に発表した公開状を、調和社会への対策として位置づけた。ところが、汪氏が停止を求めた法輪功弾圧こそが、最大の不調和であり、旧態依然として弾圧が続いているのは、まさに胡錦涛政権のジレンマであるとした。

 
基調講演を行う孫樹林氏(大紀元)

孫氏によると、汪氏が発表した公開状は、支持者に影響を与え「公開状時代の到来」と呼ばれるほどの連鎖反応を引き起こした。胡錦涛・温家宝に、歴史的時機を逃さず、政治改革と民主の実現を求めた安徽省企業家・鄭存柱氏、一党独裁を廃棄し、多政党の民主政体の実現を促した南京師範大学助教授・郭泉氏(哲学博士・中国民主同盟員)、「この迫害(法輪功への迫害)は起きるべきではなかった。中国当局は、思想・信条の自由を承認・尊重すべきで、いかなる思想・信条でも迫害を受けるべきではない」とした中国文化部研究員・劉軍寧氏(政治学博士)の三氏の例が紹介された。

 孫氏によると、中共を解体する最善の方策は、中共の本質を暴いた『九評』を広く伝播させ、脱党声明により中共の精神的呪縛から逃れることで、非暴力で理性的に、平和に中共を解体させるのが最上策である。それゆえ、一党独裁である中共の赤い壁を除去して初めて正真正銘の「調和社会の構築」が訪れるとした。

 パネリスト講演の前に、法輪功迫害真相調査連盟(CIPFG)アジア調査団・安東幹副団長が、世界を巡っている人権聖火リレー(現在は豪州)について紹介し、来年6月に日本に上陸するのを踏まえ、支援を呼びかけた。世界人権デー(12月9日)には、「中国に人権を! ヒューマン・ライツ トゥ チャイナ!」をメインテーマとした集会およびウォーキング企画を紹介し、多くの参加を求めた。
人権聖火リレーについて、説明する安東副団長(大紀元)



 最初のパネリスト・夏一凡氏(日本民主中国陣線広報部部長・中国社会問題学者・中国国家一級建築士)が、「中国の色革命がまもなく到来か-九評とその後の中国」について講演した。
日本民主中国陣線広報部部長・中国社会問題学者の夏一凡氏(大紀元)



 夏氏は、政治改革を求めた安徽省高官・汪兆鈞氏とその公開状を分析すると、中国共産党内でも政治改革を求める幹部が多く存在し、平和的な「色革命」が現実味を帯びてきていると指摘し、「法輪功迫害の問題」と「土地私有化の改革」をいち早く解決すべきであると主張した。「将来、『中国の色革命は九評共産党から始まった』と言われるであろう」と、『九評』の歴史的な役割を高く評価した。

 評論家でジャーナリストの西村幸祐氏は、「中国共産党と日本」をテーマに語り、中国大陸で発生しているさまざまな人権弾圧を放置しておくと、将来、日本にもその人権弾圧が波及する恐れがあると警告した。基本的人権の根幹を成す言論・表現の自由、信教の自由が中国大陸では認められていないのは、共産主義が一神教の狂信的な宗教であると指摘した。法輪功への弾圧はこうした背景があり、『九評』が引き起こした共産党脱退運動は非常に重要であると主張した。
講演する西村幸祐氏(大紀元)



 また、日中間には歴史観の相違があるが、歴史観が違うのは当然であり、歴史の事実を認識し、歴史観の違いを認め合うことが必要であると指摘、中国共産党の解体を願う中国人は、日本人の歴史観に理解を示すことで、日本社会の脱党運動の支援も得られるのではないかと提言した。

 最後のパネリスト・高峰一氏(工学博士)は、「『九評』発表後の中国の変化」と題して、『九評』の発表により「中国人の共産党に対する認識が根本的に変わった」(高氏)ことについて、ビデオとスライドでわかりやすく解説した。
「『九評』発表後の中国の変化」について話す高峰一氏(大紀元)



 高氏は、『九評』による脱党運動は、駐オーストラリア中国大使館の元官員・陳用林氏(海外のスパイ活動を証言)や天津市の法輪功取り締まり機関「610弁公室」の元職員・カク鳳軍氏(中共による法輪功迫害の実態を証言)、瀋陽市公安局の元副局長の韓広生氏(中国司法部門の問題を暴露)などの海外在住の中国人のほか、東方航空機長だった袁勝氏や山西省科学技術専門協会の賈甲氏などの中国高官の海外亡命、人権弁護士・高智晟氏や安徽省政協常務委員の汪兆鈞氏などの国内で改革を求める中国人の出現などを紹介した。

 会場からは、東北大学講師の張陽氏が、出身大学でもある北京大学で開かれた学会での最近の体験を紹介、「北京の人々はほとんど、『九評』の存在を知っている」ことを明らかにした。また、不動産業を営む張氏の友人の話として、「バブル崩壊はいつ起きてもおかしくない」と中国経済の危うさを証言した。

 また、「うその常習犯」である中共に希望を託してはいけないと主張し、中共体制内では「善い人でも、善いことができない、彼らも中共の被害者である」と指摘した。

(記者・月川)
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