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工場1000以上が倒産、危機に瀕する「世界の工場」=広東省珠江デルタ

 【大紀元日本12月16日】中国でかつて最も好景気で活況を呈していた広東省南部の珠江デルタ地区が深刻な不況に見舞われている。
広州の珠江にかかる橋を自転車でわたる男性(Peter Parks/AFP/Getty Images)
ここ数年、人手不足、電力不足、石油恐慌、また土地、労働力、エネルギー源価格が大幅に上昇し、さらに人民元の上昇と外国貿易保護の煽りを受け、1000を超す工場が倒産した。「世界の工場」と言われる同地区から、多くの企業が転出している。

 中央電視台の番組「経済半小時(経済30分)」で放送されたこの件についての調査で、珠江デルタ地区では、当地の加工製造業の生き残りはますます難しくなってきていることが明らかになった。アジア靴業協会秘書長・李鵬氏の話では、広東省の靴工場総数は約5000~6000で、閉鎖した大中規模の工場は1000以上。例えば惠東のように靴工場が3000ほどの地域では2、3ヶ月の内に中小規模の工場が400~500も閉鎖しているそうだ。

 報道では珠江デルタ地区で苦しい状況にあるのは靴製造業だけではなく、衣服製造、玩具加工、電子加工などの労働密集型の業界でも同じ状況にあるとのこと。

 これらの加工製造業が集中した地区では、各工場の入口に常に人員募集の広告が貼られている。また、2002年東莞の最低賃金は450元、5年経った現在では690元だが、実際の賃金は約1000~1500元とまちまちだ。しかし、たとえ賃金を上げたとしても企業の人員募集は困難なようである。

 安い労働力を同地区で獲得するのは容易ではない上、人手不足以外にも原材料の価格上昇、水、電気費用、賃貸料などの負担もかかっている。

 ある作業着をきた責任者に聞いたところ、銅製ボタンの材料である銅は2004年初め1トン2万元強だったのが現在6万元強と3倍以上に上昇。しかしコスト上昇はしているが製品価格を同じ率で上げられるわけではないとの話だった。

 企業の移転先は、北上して内陸の省、南下して東南アジアの国などであり、同協会の統計によれば広東省の靴製造業の25%前後はベトナム、インド、ビルマなどに移り、50%前後が国内の湖南、江西、広西、河南省といった内陸省に移っている。残り25%前後の企業は現在様子を見ているという状況。

 内陸に移転した広東省の企業について言えば、同じように当地の産業設備も不完全で、物流コストの増加などの問題が出ており、多くの靴製造業者はどこへ行っても集燥感があるようだ。

 報道では、珠江デルタ危機は中国製造業の現状を映し出しており、低コストで低利益、自社ブランドと技術のない企業には核心となる競争力がなく、一旦コスト高になれば単なる生産危機に直面するだけでなく、生き残りも危うくなると伝えている。

 
(翻訳・坂本、編集・月川)


 (07/12/16 09:50)  





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