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全面開花の勢いを見せる中国のインフレを取り上げた新唐人テレビ番組「熱点互動」

インフレで亀裂が走る中国経済の鎖

 【大紀元日本12月28日】中国語の独立メディア・新唐人テレビはこのほど、番組「熱点互動」で、全面開花の勢いを見せる中国の物価上昇を取り上げ、中国民衆への影響と経済全体への衝撃について探った。

 番組の内容は以下の通り。

 みなさんこんにちは!「熱点互動」にようこそ。中国国家統計局が12月11日に公表したところによると、11月期の消費者物価指数は6.9%へと上昇し、過去11年で最高の数値となりました。このうち、食品価格は18.2%と、大幅な上昇となりました。また、非食品についても、水、電気、燃料等の商品もまた上昇を始めており、物価上昇は全面開花の勢いです。

 中国の民衆が最も関心を持っているのは、物価問題です。昨年末から始まった物価上昇の趨勢は、果たして、中国の民衆に対してどのような影響をもたらすのでしょうか。また、中国全体の経済構造にどのような衝撃を与えるのでしょうか。本日は、特約評論員の杰森先生をお招きして、お話を伺いましょう。

 林雲(司会者):杰森先生、こんにちは!

 杰森:林雲さん、こんにちは!

 林雲:杰森先生、最新の資料によりますと、11月期の消費者物価指数の上昇率は、6.9%に達し、7%に接近しており、96年以来最高の数値となっています。中国の一部の専門家は、いまだ、こうしたインフレが、緩やかなインフレの局面であるとか、一つの趨勢にすぎないと述べているのを目にしますが、現在がインフレであることをまだ誰も認めていません。

 杰森:そのとおりです。中共は、一貫して、これがインフレの問題であることを認めたがりません。

 林雲:それはなぜでしょうか?

 杰森:認めることによって多くの問題が引き起こされるからです。私たちは、9月期の消費者物価指数(以下CPI)の上昇率が6.2%に達したことを知っていますが、当時、国家発展改革委副主任・朱之鑫は、CPIの上昇はインフレには当たらないと語りましたが、こうした言い訳で、議論を混乱させてきました。

 10月期になると、CPIの上昇率は6.5%に達しました。この時、統計局のエコノミストは、これが構造的な物価上昇であり、決してインフレではないと語りました。そして、CPIの上昇率が6.9%に達した時、彼らは、これが緩やかなもの物価上昇であると語りましたが、国際標準に従えば、CPIの上昇率が3%に達すれば、すでにインフレなのです。

 林雲:中国にどんな特例があるというのでしょうか?民衆を愚弄しているように見えますが。

 杰森:まさに民主を愚弄しています。中共の唯一の目的は、民衆を愚弄することです。一旦インフレを認めれば、いわゆる人心というものが不安定になり、皆が政策に疑念を抱くことを中共は懸念しています。なぜなら、中共の金融政策が、今般のインフレの直接的な原因となっているからです。

 林雲:あなたは、真性のインフレが到来したとお考えですか?

 杰林:絶対に到来しています。疑いの余地はありません。あなたがこのことを認めないとすれば、それは非常におかしなことです。中国は、連続3ヶ月間、物価上昇の記録を更新しました。対前年比の物価上昇率が毎月記録を更新し続ける中で、これをインフレであると認めないのは、目を閉じて出鱈目を言うようなものです。

 林雪:実際のところ、CPIは4、5月時点で既に5%を超えていました。

 杰林:そのとおりです。国際標準に従えば、既に深刻なインフレに突入していたのです。

 林雪:しかし、9月末時点に中新社が発表した文章を見ると、今般の物価は指数の上昇であるが、民衆は依然として笑顔で、いつものように日々を過ごしており、民衆は次のように語ったといいます:現在はこのとおり、賃金も上がり、投資も増えています。だから、物価は少し高くなっていますが、いつものように日々を過ごしています。・・・現在の民衆が、これほどまでに超然として物価の問題に対処することができるのでしょうか?

 杰森:中共メディアは、中共でさえも自らの喉・舌であると語っているように、主として中共の統治のためにサービスをするためのものです。この点において、中共メディアの語る話について、民衆は一般に真に受けません。この文章は、非常に馬鹿げた政治任務を遂行したものなのですが、民衆は、おそらく笑い話のように見ているでしょう。

 

 林雲:このことを反対に見ているわけですね。

 杰森:ネット上の民衆の反応を見ると、本当の民衆は、すでに、物価上昇に対しては、弓を見ただけで恐れおののく小鳥のような状態になっています。ネット上で最も激しく議論されているのは、これが上がった、あれが上がった、水が値上がりする、電気が値上がりする、といったトピックについてです。

 最近の統計によると、物価上昇が、はじめて腐敗への関心を上回り、第一の関心事となりました。また、最近発生したいくつかの突発事件は、物価上昇が直接的、あるいは間接的な原因となっています。

 たとえば、10月末に、東莞の電子工場の労働者1000人余りが、食堂毎の日の食費が2元上昇したことが原因でストライキを行いました。もちろん、中共は、またも武装警察、警察犬を用いて暴行を加え、強制的に彼らを業務に復帰させました。最近では、山東省の斉魯石化でも、4000人の労働者が本部に座り込みをし、賃金の引き上げを求めました。その原因もまた、物価上昇です。

 物価上昇は、中共が言うように、民衆がいつものようにやり過ごせるようなものではありません。特に、最下層の民衆は、今般の物価上昇が、彼らの生活を生存の淵に追いやっていることを深く実感しています。

 林雲:肉が手に入らないという問題に止まらず、次の段階になれば、食事をすることさえもが逼迫する可能性があります。

 杰森:はい、多くの人がこの問題に直面しています。

 林雲:中共の改革が始まって30年に達しようとしていることを私たちは知っています。このプロセスの主役は、これまで労働集約型の輸出企業であり、輸出型の経済を形成してきました。しかし、今般の物価上昇が、これらの輸出企業、沿海部一帯の輸出企業に与える衝撃は非常に大きく、報道によれば、珠海デルタ一帯では、1000に上る中小企業が倒産しました。

 杰森:3000余りです。

 林雲:3000余りなのですか?

 杰森:そうです。

 林雲:今般の物価上昇は、中国の経済構造に直接的な影響を及ぼすのでしょう

 か?

 杰森:そのとおりです。全くそのとおりです。中共の文章を見ると、労働力不足、水不足、電力不足、油不足のために企業が倒産せざるを得ないということですが、実際のところは、根本的な問題、つまり、中小加工型企業のコストが上昇したということに関わってきます。このコスト上昇はどのようにしてもたらされたものなのでしょうか?直接的な原因は、労働費用が上昇していることなのです。

 今般の物価上昇のために、多くの労働者が、一ヶ月働いても衣食を賄うことができないことを認識しており、多くの者が働きたがりません。このため、多くの企業が労働者を招聘できなくなり、やむをえず賃金を引き上げているのです。もう一つの原因は、“中石油”など多くの国有企業が、石油価格に従わない値上げをしており、このことが、石油の不足や石油価格を非常に高くしています。

 林雲:原料価格の上昇ですね。

 杰森:原料価格が非常に高くなっています。私たちは、中国がこの数年間で“世界の加工工場”の名声を博したことを知っていますが、この名声こそが中国経済全体の支えでした。中国経済の60%が輸出に依存しており、その輸出は、主として加工業における輸出によるものでした。

 この加工業に問題が発生すれば、中国経済には根本的な問題が発生します。中国経済全体を、加工業を主とする経済のチェーンと見なすと、労働コストの上昇は、中国の経済構造に直接的な影響を与えます。言い換えると、物価の上昇は、中国経済のチェーンに亀裂を生じさせ、事態が悪化すれば、このチェーンは断裂します。

 こうした事態は、中国企業においてのみ発生するものではありません。最近公表された米国商工会議所の調査報告によると、中国における最近の労働コストの上昇、著作権の不公平、管理の不全から、中国が外資の投資を吸引する力や競争力が、世界レベルで見て次第に下落しているとのことです。これは、悪性循環の始まりです。

 林雲:労働コストが増加した後、本国の輸出企業が不振になり、外資もまたこれを重視し、彼らの投資に影響を与えている、ということですね。

 杰森:はい。外資の吸引力が弱くなったのです。最も血液を補うことが必要なときに外資が撤退し、あるいはさらに多くの企業が倒産すれば、ますます多くの人が失業し、貧困ラインに突入し、悪性循環の途をひた走ることになります。

 林雲:企業が倒産し、労働者に仕事がなくなれば、収入源がなくなります。

 杰森:更には、インフレに耐えることができません。これこそが、悪性循環に突入した経済に見られる恐ろしい現象です。

 林雲:しかし、現在において、物価上昇が緩和される現象は全く見られません。こうした展開が続けば、中国経済が短期間のうちに崩壊に向かうのではないでしょうか?

 杰森:一般に、私たちはこうした問題について予想はしたくはないものです。しかし、事実から見て、この問題は非常に深刻です。中共もまた、いま直面している経済、金融問題が空前のものであることを認識しています。

 歴史上、中共はこの10年間、非常にハイペースなGDPの成長を維持してきました。多くの経済学者や、中共の御用学者は、中共のために賛歌を唱いました。これと同時に、良識ある、中華民族の存亡に真に関心を持っている経済学者は、中共のGDPを主とする経済発展モデルは持続不可能であると主張してきました。この持続不可能性が現在多くの面で露呈されています。たとえば、中共による中国社会からの極端な搾取のあり方などです。

 過去10年間において、GDPの成長速度は、財政収入のそれの半分でした。中共の財政収入の増加の速度は、GDPのそれをはるかに上回っています、また、中共は一部の特権階級を許容し、ほしいままに中国社会から資産を掠奪させ、巨大な貧富の格差をもたらしています。

 貧富の格差の結果、資産が少数の者に集中する一方、大多数の人々には使えるお金がなく、これが内需の不足、輸出に依存するしかない経済構造をもたらしているのです。

 輸出型の経済においては、中国の通貨が外貨による束縛を受けますし、金融政策もまた然りです。こうした一切の結果が、今般のインフレの原因となっています。

 また、国有企業は中共の党の資産で、資金、人員面での優位、巨大な独占的地位を占めています。彼らは大幅な値上げを続けており、例えば、上流にある中石油は、アジアで最も利益の高い企業になりましたが、この最高利益の企業は、実際のところ、河流にある中小企業の巨額のコスト上昇を代償としたものなのです。

 もう一つに、環境汚染の問題が挙げられます。環境汚染について、多くの経済学者は、中国経済の持続的発展を不可能なものにしている原因と考えています。例えば、広東省は、もともと水資源が非常に豊富な省です。しかし、中共が、環境を顧みることなく、GDPの発展を要求しました。そして、大量の汚水の排出が原因で、広東の水が使用できなくなりました。汚染のために、多くの水が使用できなくなったのです。このため、広東は、将来の発展のプロセスに必要となる水のうち、1/3しか提供できなくなっています。

 多くの海外経済学者は、中共がいまの発展モデルを維持できないと考えています。いままで申し上げた要因が蓄積されていく中で、一つの導火線が出現しました。その導火線は何でしょうか?それは、2007年末の豚肉の値上がり、米ドルの切り下げです。この2つの要素が導火線です。この導火線に火がついたとき、長期にわたって蓄積されてきた持続不可能性の要因が発作をはじめ、中国経済を非常に危険に状態に追いやることになります。

 林雲:十数年間もの間中国のGDPが高速成長を続けており、中国の資産は一定の蓄積があります。先ほど述べられた、中石油などの大型国有企業についても、一定の資産が蓄積されています。こうした状況をふまえますと、中国が現在の苦境に直面している中で、執政政党である中共に、発生しうる経済危機に対処する能力があるのでしょうか?

 杰森:これまでの中共の態度、措置から見ると、非常に難しいと思います。

 林雲:なぜですか?

 杰森:中共にはいくつかの問題があります。第一に、中共は、特別に貪欲です。いつも災難を民衆に転嫁し、自分自身は何の犠牲も負いません。例えば、中石油といった大型国有企業は確実に多くの資産を蓄積し、その市場価値は世界1位となっていますが、私は、中共がその利益を民衆に与えるとは信じていません。

 原因は、非常に簡単です。9月期にCPIが著しく上昇しましたが、このとき、中共は、いかなる物の値上げも認めないと言いましたが、10月になると中石油は、この言の撤回を迫り、製品油の価格の引き上げを求めました。10月末から11月初頭にかけて、国家発展改革委は妥協し、すべての製品油の価格を10%値上げしてよいとしました。中石油の利潤は、既にアジア最高となっており、このとき、彼らはあらゆる損失を被ることを嫌いました。

 林雲:こうした大企業は、社会に対する負担を全く負いたがらないのですね。

 杰森:そのとおりです。このほか、中共は、巨大な統治コストを負担しています。現在、中国の財政収入は日本を越えています。中国のGDPは日本のそれを大きく下回っているのですが、財政収入は日本を上回っているのです。

 中共は、徴収したお金を民衆に返したり、徴収する額を少なくしたり、統治コストを引き下げることができるのでしょうか?私は、それは非常に難しいと思います。例えば、中共は、300億元で武装警察を保有していますが、この部隊は、警察でも、軍隊でもありません。事実上、存在してはいけないものなのです。

 林雲:さらに、武装警察の規模は、現在非常に大きくなっています。

 杰森:非常に大きくなっています。

 林雲:正規軍が300万ですが、武装警察は、すでに150万人という大きな

 規模になっています。

 杰森:はい。この一群が、国家の資産を消耗する統治のマシーンなのですが、これを存在させなくすることができるのでしょうか?できません!それはなぜでしょうか。中共には、この鎮圧のための道具が必要なのです。また、中共は、100億元近いお金でネット封鎖を行っています。彼らはサイバー警察に数十億元、海外の技術に数十億元の投資をしてネット封鎖を行っていますが、中共は、民衆の言論を統制しないでいられるのでしょうか。それはできません!

 中共には、大きな特技があります。この特技とは、あらゆる災難を民衆に転嫁し、民衆に押し付けることです。私たちは、1962年の災難(大躍進)が、事実上、自然災害ではなかったことを知っていますが、これは、中共の政策、中共の野心によるものだったのです。

 林雲:人災ですか?

 杰森:人災です。中共は、3000万人の中国人を餓死させるという代償を払い、中国人を経済の苦境に突入させました。今回も、このような予兆が現れています。例えば、11月初め、すべての製品油の価格を10%引き上げることを認めたことにより、中石油、中石化に巨大な利潤をもたらしました。また、中共は、あらゆる企業は便乗値上げをしてはならないとしました。これはどういう意味でしょうか?例えば、あなたが下流にある運輸会社を経営していたとして、値上げが許されないのです。中石油が値上げした石油価格の10%分は誰が引き受けたのでしょうか?それは民衆なのです。

 国有企業においてさえも、一般の労働者が利潤を得られるわけではありません。2005年における中石油の利潤はすでに500億元に達していました。しかし、中石油に次いで第二に利益をあげた斉魯石化の労働者の賃金は、わずか900元でした。

 林雲:非常に少ないですね。

 杰森:はい。これでは、衣食を担保することができません。忍耐のある中国人にも耐えられません。山東人は非常に我慢強いのですが、その山東人さえも、風雨の中、賃金の引き上げを求めたのです。しかし、斉魯石化の社長の腐敗ぶりは長年にわたって続いています。こうした状況のもとで、中共が民衆を思いやる可能性があるとは考えられません。

 林雲:では、次回は民衆の動向について見ていきましょう。こうした状況に直面し、民衆はどれだけ耐えられるのでしょうか?

 杰森:そう長く耐えられません。

 林雲:本日は、分析していただき、ありがとうございました。時間がまいりました。皆様、《熱点互動》をご覧いただき、ありがとうございました。

 (07/12/28 11:52)  





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