英誌「エコノミスト」、北京五輪と中国人権問題シンポジウム開く

2007年12月07日 04時53分
 【大紀元日本12月7日】英国経済誌「エコノミスト」は11月29日、ロンドンにある英国王立医薬協会で、「北京五輪は世界を愚弄する」(“The Beijing Olympics will allow China to fool the world”)と題するシンポジウムを開いた。会場は超満員となり、アムネスティの代表、中国の事情に詳しいジャーナリスト、中国当局のシンクタンクなどが積極的に意見を交わした。

 アムネスティの代表:中国の人権状況は全般に悪化し続けている

 
アムネスティの代表、中国問題の専門家マーク・アリソン(Mark Allison)氏(大紀元)

アムネスティ・インターナショナル駐香港事務局の代表、中国問題の専門家マーク・アリソン氏は発言で、中国当局が7年前にオリンピックを招致する際に人権状況を著しく改善させると自ら申し出たと指摘、「現状は非常に絶望的である。外国のメディアが中国に進出できるようになったが、そのほかのすべての人権領域においては、状況はむしろ悪化し続けている。例えば、宗教や思想・信条への持続的な圧制、政権異議者への迫害、情報の封鎖などがある。さらに憂慮すべきは、中国当局の情報封鎖により、国民は身辺で発生している人権迫害の真相を知るのは非常に困難」と見解を示した。

 また、マーク氏はアムネスティの調査報告に基づいて、中国当局の人権迫害の手段がますます巧妙化になったと指摘、「軟禁という手法がよく使われるようになった。当事者の家族、場合によって幼い子供も被害者になるため、実際には人道的に許されないのだが、国際社会はそこに注目していない。我々は明白に中国当局の狡猾さを認識しない限り、騙されるのは避けられない」と警鐘を鳴らした。

 同氏は、「国家政権転覆罪」で十年の懲役刑を科せられたジャーナリストの師濤氏、北京市在住の人権活動家・叶国柱氏、強制労働収容所に監禁されている法輪功修練者・卜東偉さんなどの迫害の実例を挙げ、「中国当局に人権改善の約束を確実に履行させるには、国際社会が圧力を講じるのは必要不可欠」と強調した。

 ベテランジャーナリストの証言

 長期にわたり中国に駐在していたフリージャーナリストのジョーン・モスキ氏は、30数年前の「文化大革命」の際、知らないのうちに中国当局に誘導され、中国共産党のメガホンにされたことを明らかにし、1991年、天安門広場で警官に殴られ、「反華勢力」(注:中国当局を反対する国外勢力)とされ、国外退去された実体験を詳細に語った。また、同氏によると、最近、中国大使館で北京五輪の取材許可を申請したが、「これはあなたに与えるものではない」と拒否されたという。

 中国当局の「御用学者」の反論にブーイング

 中国当局のシンクタンク、ジュネーブ在住の中国人経済学者の李旋氏は、中国当局はオリンピックを介して世界を騙す必要がない、このような行動に走る政府は非常に愚かであるとしながら、「中国人は客をもてなすのが好きで、中国に訪れる各界の外国人に良い印象を与えようとするのは間違いではない」と説明し、「中国の人権問題は前進しており、中国国民が中国共産党を選んだ」との同氏の主張に、大多数の参加者は反対の態度を示した。

 サンデー・タイムズ紙編集者:中国当局の人権悪行は周知の事実、世界は愚弄されない

 サンデー・タイムズ紙の経済コラムの編集者ビービット・スミス氏は、中国当局の人権への悪行は全世界に周知されているとし、「我々は愚弄されるはずはない、中国の現状を把握できているからだ」との見解を強調し、アムネスティ・インターナショナルのマーク代表に対し、「もし、あなたたち(アムネスティ)の活動が十分に功を奏したら、中国当局は世界を愚弄するのは不可能」と反論した。同氏の指摘は大多数の参加者から賛同を得た。

 国外に拠点を置く「中国自由民主党」の幹事長、「全国維権抗暴連線」(注:中国の人権を求め、当局の暴力行為を抗議する民主団体)の責任者・潘晴氏は弁論会に飛び入り参加した。同氏は、楊春林氏が発起し、11035人の中国人が本名で署名し、「人権が欲しい、オリンピックはいらない」と題する国連と国際オリンピック委員会宛の嘆願書を会場で公開した。潘晴氏は、中国当局を擁護する李旋氏が示した「中国人民が高度の人権を享有している」との見解について、「いま監禁されている楊春林氏の人権はどうなっているのか、オリンピックの精神はどこにあるのか」と質疑した。李旋氏は、「オリンピックは競技であるに過ぎず(the Olympics is only a game)」と答え、楊氏のことは、オリンピックと無関係であり、両者の関連を証明できなければ、答える必要がないと反論した。

 北京五輪を前に、中国での人権改善を求めている「グローバル人権聖火リレー」が世界各地で展開されている。それに伴い、ますます多くの人々が、北京五輪は「華麗なるうそ」であるのかと真剣に考え始め、7年前北京五輪を招致する際に、中国当局が交わした人権状況改善の履行状況に、関心を示し始めている。

 
(記者・何平、翻訳/編集・叶子)


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