失地農民4万人、ネットで土地奪回宣言=中国黒龍江省

2007年12月18日 10時05分
 【大紀元日本12月18日】中国黒龍江省富錦市10の鎮72の村の農民合わせて4万人がこのほどインターネットで、1994年以降に国家建設の需要を口実に政府に低価格にて買収された約10万5千ヘクタールの農地の所有権を回収すると発表した。関連する長安鎮東南崗村では12月初旬に民主選挙にて村民代表を選び、土地所有権の奪回に挑んだ。

 農民らは村の政府関係者を罷免し、民主選挙にて自治団体を作り、農民の権利主張を支持し、「略奪」された土地を奪回するために先頭に立って邁進し、公平の原則にて土地の分配を明確にした。

 ここ数年間、農民らは各種の方法を用い、失った土地を奪回しようとしたが、すべてが失敗に終わった。特に、北京の弁護士に依頼し同件を提訴したことに対して、富錦政府からの悪意の妨害を受けた。農民らは今回の発表後、当局政府は反抗する農民に対して、さらに抑圧を強めた。

 *東南崗村民、自主的に農地奪回するも抑圧受ける

 12月11日、農民代表で長安鎮東南崗村の村民・于長伍さんは本紙の取材に対して、どこに訴えても何の効果もないため、4万人の農民を代表し、国際社会に対して公告を出す以外にないという。今回の行動とは、正々堂々と民主人権を求めることであり、政府に対抗するのではないとした。何故なら、政府から農民の土地を強制収用したことは事実だと強調した。于さんは、今行っているすべてのことは政府規則(村民組織法)および法律法規に従ったものだと強調した。

 11月末、東南崗村は率先的に8人の村民代表を選出し、政府に強制的に収用された996ヘクタールの農地の奪回が成功し、村民らに平等に分配した。これに次いで、他の村も積極的に同じ方法を採用し、土地の奪回および分配が行われた。しかし、これに対して、12月2日、地元政府は、この件に関与した農民を逮捕するとの通告を出した。于さんによると、農民らはその後、地元の暴力団からの嫌がらせや威圧を受け始めたという。

 *体制の改革を求める農民

 農民代表の王桂林さんは「憲法が人々に与えた権利は、公民が憲法を活かさなければ紙くず同様だ。今回の動きは農民が人権を求め、現行の体制を改変させ、民生問題を改善させる目的だ」と主張した。一方、農民の行動を阻止しようと地元政府は、このころ、多くのミーティングを開いたと王さんが明らかにした。

 *最大の村、最も多くの土地が占領された

 向陽川鎮長春嶺村は地元で最大の村で、4千ヘクタールの農地および村民3千人からなる。この村の土地は当時の計画項目に入っていなかったが、とんだ間違いで強制的に収用され、ほとんどが富錦市政府関係者に占有された。そのうち、市委主管農業副書記の郭福山、市委副書記の葛其侠らが占有した土地は700ヘクタール以上だという。また、中国世論監督ネットの記者・李新徳氏は、実地調査後の調査報告で、長春嶺村の土地を占有する政府関係者は21人を暴いた。

 *嫌がらせ・妨害が日常茶飯事、弁護士介入

 多くの土地を失った農民らは何度も直訴したが、それに対する仕打ちは殴打、拘束、強制労働に強いられたことだった。農民らは2006年末に300万円以上を費やして、北京の弁護士・温栄氏に依頼し訴訟を起こしているが、最近では市政府より約2億3千万円で弁護士を買収する情報が出ている。

 王さんによると、中国共産党第17回党大会期間中に、温栄氏、弁護士団および数名の農民が中共八部門へ提案書を送った。富錦市政府はそれから、温弁護士とよく連絡を取り合っている地元農民に対して、現在に至っても、嫌がらせや威圧を与え続けているという。

 *背景

 富錦市は黒龍江省の東北部、松花江下流の南岸、三江平原の中心に位置し、中国における米生産地の上位3位を占めている。土地総面積約28万ヘクタールで、総人口は40万人以上。前出の王桂林さんは、政府に占拠された約10万5千ヘクタールは保守的数字だとし、90年代初頭に「水利を建設し、中韓合資・頭興農場プロジェクト」によって、富錦市の十分の一の土地は政府に強制的に収用された。農民はわずかな補償金しか与えられていないことを明らかにした。

 このプロジェクトは、国務院からは結局批准はしなかった。しかし、市政府は土地を農民に返却せずに、政府関係者の手に渡り、土地転がしで地価が高くなったため、農民は高料金で土地を借りて農業を営まなければならなかった。国家公務員らが大地主になった。

 今年6月、天安門事件周忌の前日に、佳木斯人権活動家の楊春林氏および王桂林氏、于長伍氏が「五輪は要らない、要るのは人権だ」のスローガンを打ち出し、数千人の農民の署名資料を海外メディアにて暴露したため、国際社会の関心が寄せられた。これに対して、当局は即時に弾圧、買収、脅迫、嘘偽りで民衆を誘惑する対策を講じ、農民の権利主張する意志を崩した。

 一方、于氏、王氏および楊氏は相次いで拘束され、不法監禁された。しかし、海外からの強い圧力にて、当局は最終的に王氏、于氏を無罪にて解放したが、楊氏は未だに地元の拘置所に監禁されている。

 広大な農地を失った農民は、泣き寝入りはしない。楊氏に対する行政府の違法なやり方および楊氏の精神と払った代価は、農民らが考え直すことを促し、半年後、土地を失った4万人の農民らを徐々に覚醒させた。汚職・横領繰り返す行政幹部はその本性を変える見込みはない。農民は自らの力で人権、民主を獲得したときこそ、奴隷の運命から逃れるのかもしれない。

(記者・方暁、翻訳/編集・余靜)


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