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 1月30日、キヤノンが発表した08年12月期の純利益予想は9年連続で過去最高に。写真は06年に都内の家電店で撮影(2008年 ロイター/Toshiyuki Aizawa)

キヤノン、08年度は9年連続で最高純利益を予想

[東京 30日 ロイター] キヤノンは30日、2008年12月期の連結業績(米国会計基準)予想を発表した。営業利益が前年比5.7%増の8000億円、純利益が同6.5%増の5200億円を見込む。純利益は9年連続で過去最高を狙う。

 ただ、前年度の第4・四半期には営業利益が前年同期比減益となった。同社は製品力強化などで、サブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)問題を発端とした世界経済の変調や円高といった環境悪化を乗り切る考えだ。

 営業利益は8年連続で過去最高の見通しだが、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト20人の予測平均値8196億円は下回った。

08年12月期は、売上高が同5.3%増の4兆7200億円、税引き前利益が同6.7%増の8200億円を見込み、9年連続の増収増益を計画する。

 製品別には、カラーコピー複合機やプリンターなどの事務機は前年比3.9%増の3兆0486億円を計画。世界シェア首位のデジタルカメラは、08年度に前年比約2割増の2940万台の販売を見込む。このうち、収益性の高いデジタル一眼レフ機は440万台と前年比4割近い伸びを計画し、カメラ部門の売上高は同6.9%増の1兆2325億円を見込む。

 「光学機器その他部門」は同11.6%増の4389億円を予想。半導体用露光装置は販売減を予想するが、液晶用露光装置は、液晶パネルメーカーの大型投資を受け、昨年春に出荷開始した第8世代ライン対応の製品を中心に大幅な増収を見込んでいるという。

 08年度は、設備投資4400億円(前年実績4285億円)、減価償却費3750億円(同3416億円)、研究開発費3950億円(同3682億円)をそれぞれ予想している。

 <サブプライム問題、想定以上> 

 07年10─12月期(第4・四半期)の営業利益は前年同期比1.2%減の1936億円で、2099億円としていた従来予想に比べ7.8%少なかった。記者会見したキヤノンの大澤正宏常務は「強気な計画を立てた第4・四半期では、サブプライム問題が想定を超えた状況となり、(製品販売の)数量ベースで見込みより届かなかった」と述べた。サブプライム問題の影響は、カメラや事務機など製品の種類や地域を問わず、全般的に事業に及んだという。

 また、円高も懸念材料だ。08年度の為替レートの想定は米ドル/円が107円(07年度実績は117円50銭)、ユーロ/円が157円(161円41銭)。為替1円の変動が営業利益に与える影響額は米ドルが99億円、ユーロが56億円となっており、これを前提とすると08年度の為替想定では、営業利益段階で1300億円近いマイナス影響が出る計算だ。

 そうした悪条件が重なる中での増収増益予想となる。この点について、大澤常務は「在庫に関しては健全な状況にある。内部の経営革新活動に取り組んでおり、円高は急激に来たが、十分にそれに対応する状況を作れた」などと説明。その上で「2008年度は、競争力のある新製品をタイムリーに出すことによって、停滞感のある市場の状況を打破していきたい」と強調した。

 07年12月期の連結業績は売上高が06年度比7.8%増の4兆4813億円、営業利益が同7.0%増の7566億円、税引き前利益が同6.8%増の7683億円、純利益が7.2%増の4883億円だった。

 (ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)

 (08/01/31 15:20)  





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