【草木染めの植物】木瓜(ボケ)

【大紀元日本2月20日】中国原産で平安時代には日本に渡来したといわれるバラ科の落葉低木。園芸種も多く、愛好会では盆栽に仕立てて観賞するとともに品種改良を競います。花材に好まれ、生垣にも見られます。4月ごろ白、桃、緋色などのかわいい花をつけますが、1月前後に咲いているのは寒木瓜(かんぼけ)といわれる品種です。10月ごろに実が熟し、乾燥物は生薬の唐木瓜(からもっか)で、食用にも利用されます。一方、日本に自生しているのはクサボケで和木瓜(わもっか)といい、同様に利用されます。

【薬用効果】唐木瓜は肝系に働き、気血の流れを良くして筋肉痙攣を緩めるので、筋肉痛や胃痙攣に使用されます。また、香りがあり脾系にも働くので、食欲不振にも有効です。一日量は乾燥物を3~5g煎服します。

【食用】熟した果実は芳香・酸味があり、ボケ酒で疲労回復に、ボケ茶で暑気あたりに、ジャム・砂糖漬けなどは保存して強壮や貧血に利用します。

【染色用】若葉は薄いアルカリ性の水で煮出して後、中和して染液とします。オリ-ブ色に染まります。

木瓜の木(撮影=大紀元、2009年2月14日)

(文・ハナビシソウ)