THE EPOCH TIMES

ダーウィン進化論:生物学の帝国主義?

2008年03月27日 09時12分

 【大紀元日本3月27日】「私の宗教とは、ひ弱で、薄弱な心を持つ私たちが知覚することのできる部分に、彼自身の、ほんのわずかな細部を見せてくれる無限で最高の生命に対し、謙虚に感嘆せずにはいられないところから成っている。超越した、理性的な力が、理解を超えた宇宙に存在するというその深い感動的な確信が、私の神に対する考えである。」-アルバート・アインシュタイン

 

アルバート・アインシュタイン(Toru Yamanaka/AFP/Getty Images)


簡単に、かつ優しく説明しよう。全てのイデオロギーや世界観も、それが生み出された時の文化に影響を与えるだろう。また、理論を生み出した執筆者自身の性格が、その理論に大きく影響するだろうということは、どんな深刻な歴史家でも、当然だと考えている。

 あの天才どころか単なる悪魔のカール・マルクスでさえ、資本主義が共産主義に屈しても、社会には階級と文化的な価値観が浸透しているだろうと述べている。私よりもっと聡明な分析家は、マルクス主義のシステム、特に資本主義者たちを階級として鋭く批判している部分は、カール・マルクスが彼の親族に存在する彼より富裕な企業家・資本家に嫉妬していたことに動機付けられていると述べている。

 つまり、主だった理論は、ただ空気から生まれるというわけではない。理論は、それが生まれた時代から来るのであり、それは執筆者のバック・グラウンドや性格が大きく影響しているのである。(法律では、この理論を「リーガル・リアリズム」と呼ぶ。判事は、彼の偏見や先入観により決定を下すが、それがさも先例のケースに縛られているというふりをして、彼の決定を正当化する。また、イデオロギーに関しては、「ポリティカル・リアリズム」とも呼ぶ。人間は、彼らが生きた時代や人生の状況によってイデオロギーを作り上げるとする考え方)

 生物の歴史は、常にその時代にフィットした、最も頑丈な生物のサバイバル・ストーリーであり、他よりもより強く支配的な生物が進化するのだというダーウィン進化論は、当理論が生まれた時代の完璧な具体例であろう。つまり、帝国主義の時代である。ダーウィンが書いた当時、北ヨーロッパの白人が世界を支配する知恵として受け入れられた。

 これは「貪欲」であり、ヨーロッパ人が単に彼らほど組織化されていない国や、少数民族の資源を取っているだけであると説明することもできただろう。それは、上の階級にいる人たちによる娯楽であり、彼らの戦争ごっこだったと説明することもできたはずだ。(確か、帝国主義を「上級階級のためのアウトドア・レリーフ(救済)」と呼んだのは、Shawだったか?)

 しかしそれは、最も富裕なイギリス人家庭に育ち、富裕なイギリス人女性と結婚した真の帝国主義者の手に落ちた。アフリカとアジアのほとんどが(文字通り大英帝国によって)支配されていた時、帝国主義がピークを迎えていた時代に、帝国主義を正当化する科学的理論を作り出すために書かれていた。

 帝国主義は、最も質素な生命が人へと進化し、そして全ての有機環境と同じく、強いものが弱い者を支配し、いずれは弱い者を拭い去ってしまうものだと説明することで、ダーウィンは帝国主義者にとって最も納得のいく論拠を提供した。それはよいものでも悪いものでもなく、リベラルでもコンサバティブでもなく、単に自然の事実だった。アフリカとアジアを支配しているのは、イギリスが単に生命自身が指示するままに動いていたに過ぎない。イギリスは、究極の帝国主義宣伝国だ。

 しかし、私たちは帝国主義の寿命がとても短いことを知っている。帝国主義は、実際の人間の状況を全く考慮に入れない。人間は、自分の国を獣の皮をかぶった遠い他の誰かに支配されたくはないのだ。人間は、自分たちで自分の国を支配したいものだ。

 帝国主義は、短くて、かつぞっとするような歴史を有している。それは抑圧と殺人だ。

 しかし、その時代は終わった。

 ダーウィン進化論は、今でも生きており、完全に生物学を支配している。かつて、今までに誰も明確な種の起源を証明したことがないにもかかわらず、この理論はアカデミーとメディアを支配しているのだ。ダーウィンにしても、有機生命の起源について重要なことは語っておらず、生命について説明しているとされるには、そこが脱落しているのである。

 いやはや、ダーウィン進化論は、帝国主義よりもやけに寿命が長かったといえる。ダーウィン進化論は、帝国主義と混ざり、社会進化論を生み出した。それは、進化の過程を早めるという名のもとに、ユダヤ人に対する大量虐殺をはじめ、他のグループを大量に殺害することを黙認するという邪悪な人種差別の形をとった。

 今、ダーウィン進化論に疑問を投げかける科学者は、一握りしかいない。この理論がいつまで続くのだろうか。偽善的な形式によって全てを説明しようとしたマルキシズムは、あちこちで無くなり、大学の講義や、精神を病んだ独裁者の心にしか存在しない。多分、ダーウィン進化論は違うだろう。生き続けるかもしれない。しかし、それが存続すると信じるのも難しい。

 証拠がないのに、全てを説明できるかのように仮定する学説は続かない。理論は、それが生み出された時代を超え、それが実証されなければ、信じることを土台としているのでない限り、長く存続することは難しい。ダーウィン進化論は、イデオロギーの歴史に痛ましく、血みどろの一章を与えたが、それが私たちを支配しなければ、もっとよかったのだろう。

 多分、私たちは新しい理論を作り出すだろう。いずれにしろ、私たちは不憫な人間である。生命は限りなく複雑である。私たちは、それをなんとか理解しようと努力している。私たちは得られるだけのどんなデータも必要である。何を知っており、何を知らないのか、という部分に謙虚になろう。多分いつか、いくつかの答えが来るだろう。

※ベン・ステイン(Ben Stein):米国で近日公開予定の新作ドキュメンタリー映画「Expelled: No Intelligence Allowed」に出演。「インテリジェント・デザイン」、つまり自然界には「デザイン」があると信じ、生命は偶然の産物だとする理論に挑戦する教育者や科学者たちが、米国社会で実際どのように扱われるのかを追求した話題作。

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