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山西省洪洞県の炭鉱爆発事故で、現場の救出活動を見守る家族ら=2007年12月7日(Photo by China Photos/Getty Images)

中国:石炭供給不足で、閉鎖中の炭鉱が生産再開へ=懸念される安全基準

 【大紀元日本3月14日】中国国家安全生産監督管理総局の李毅中局長は、北京で開催されている全人代において、今現在中国石炭供給不足を緩和するため、全人代閉幕後、すでに閉鎖された1万余の小炭鉱(小規模の炭鉱)の生産再開する、と言及した。自由アジアラジオ(RFA)が伝えた。

 過去3年間に、中国政府当局は生産安全基準を満たさない1万1155ヶ所の小炭鉱を閉鎖した。今回供給不足ですでに閉鎖された炭鉱の生産再開について、李局長は厳しい検査を経て標準に達した炭鉱だけを今後徐々に生産を再開させていく方針、と強調した。報道によれば、当局は今後1万3208ヶ所の炭鉱を生産再開していく計画だという。

 「中国労働者通信」の駐パリ代表・蔡崇国氏は、今回の中国当局の決定は中国が石炭の生産を急いでいるとみており、「これは生産現場に、生産や増産のスピードアップを目指すために(政府として)すべてを許可することを暗示した。同時に、操業の安全性よりも石炭の増産を優先することを意味する」と指摘する。

 一方、国家生産安全監督管理総局のスポークスマンである黄毅氏は2月3日の記者会見において、中国政府の小炭鉱の閉鎖決定は、石炭及び電気の供給不足との間に何の関係もないと示したばかりだ。さらに、黄氏は2月末に、石炭の供給不足の状況がいかに深刻化していても、安全基準を満たさない不法炭鉱で供給不足を解決してはならない、なぜなら、これは安全操業の発展原則に一致しないし、「科学発展観」にも一致しないからだ、と再び強調した。

 国家生産安全監督管理総局の矛盾とも言える言論について、米国在住の中国問題専門家である鄭存柱氏は、「これは、朝令暮改の印象を受けた。これまで炭鉱事故が頻発し、中国は人命を無視していると非難してきた。それを受けて政府当局が近年になってようやく不法炭鉱を閉鎖する措置を採った。しかし、今年、大雪の災害が発生した後、エネルギー供給不足問題が著しくなってきたので、当局は直ちに閉鎖した炭鉱を再開しようとした。従って、私は中国政府のこれらの政策は、ここが痛いからここしか治さないというような対処療法的なもので、根本的な解決にはなっていない」と話した。

 1万ヶ所余の炭鉱の生産再開により、今後炭鉱事故が増加するか否かについて、「そもそも、それらの閉鎖された炭鉱は坑道などを含めて生産安全管理が全く基準を満たさなかった。利益ばかりを追求するこれらの炭鉱は坑道や設備などに大きな投資をしないだろう。もし、もとより生産安全基準を満たさない炭鉱が今後生産を再開するとすれば、年内に必ず人身事故が起こると私は確信する」と鄭氏はその危険性を強調した。

 中国の炭鉱事故死亡者数は、2002年の6500人から2007年の3700人に、約45・9%と減少したにも関わらず、国家生産安全監督管理総局によると、今年1月に発生した炭鉱事故で死亡した人数は前年同期比で約38・7%上昇したという。

 統計データによると、中国の小炭鉱の生産量は全国炭鉱生産総量の3分の1を占めている。しかし、小炭鉱の事故死亡者数は全体の約3分の2を占めている。また、国家生産安全監督管理総局は1月、当局に閉鎖された1万余りの小炭鉱は中国小炭鉱全体の44%と発表した。これによって、中国の小炭鉱は約2万3000ヶ所あると推算できる。今現在、2千ヶ所以上の小炭鉱がすでに生産を再開した。これに応じて、国家生産安全監督管理総局も安全監査措置を制定したという。

 将来、小炭鉱の生産安全問題が再び起きるかどうかについて、蔡崇国氏は「中国には果たしてどのくらいの小炭鉱があるのかについて、分かる人はいないだろう。一部の地方では、山の至るところに小さな炭坑がある。従って、実際には、相当な数の小炭鉱が当局の監督管轄外にある。国家炭鉱生産安全監督局には人手が不足しており、職員は専門的なトレーニングを受けたことがない。その上、職員の中には不正や腐敗が横行している。だから、炭鉱生産安全監督局の力で生産再開した中小炭鉱を監督していくのは、非現実的で、効果も現れないだろう」、と生産現場まで中国政府当局の炭鉱生産安全措置が実行され難くいとの認識を示した。

 
(翻訳/編集・張 哲)


 (08/03/14 11:13)  





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