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王千源さんは米国デューク大学に学ぶ学生(RFA)

二人の中国人女性の体験―狂気のナショナリズム

 【大紀元日本4月24日】王千源(グレース・ワン)さんは、米国デューク大学で学ぶ女子学生。「愛国心の強い」中国人学生とチベット支持学生らの間に入り、仲介に努力したにもかかわらず、「売国奴」と呼ばれている。命を狙った脅しのほか、中国の家族まで攻撃の対象になった。中国のウェブサイトによると、王さんが「売国奴」と言われる理由は、①チベット支持の学生の背中に、チベットの自由を支持すると書いたこと②オリンピックの「一つの世界、一つの夢」を表現するハンド・ジェスチャーをまねたこと③米国のラジオ局NPRのインタビューを受けたことの三点である。

 インタビューで王さんは、次のように指摘する、「チベットは中国の一部だと思います。中国とは不可分であるのは明確ですから、チベットの人々をわたしたちの同胞のように扱うべきです。外国人と同じ扱いはできません。外国人なら無視したり、厳しく対処することはありません。それは、チベットの人々はわたしたちの同胞だからであり、わたしたちは、より理性的になり、わたしたちが感じていることをうまく伝えることが必要なのです。チベットの人々と対話する時は、もっと思いやりを持つ事が必要だと思います。それは、ここ数年や数十年の問題ではなく、また、オリンピックの数週間の問題でもありません。わたしたちの関係は、数百年、数千年にわたるものなのであり、そのように続けていくべきものなのです」。

 しかし、この20歳の女子学生は、自身の意見を述べただけで、さまざまな不快なレッテルを貼られた。「山東省の恥」「中国の恥」と呼ばれた。それまでは、王さんのことを誇りに思っていた出身高校の教師たちでさえ、「彼女の醜悪な経歴を暴露」したのである。最悪なものは、「彼女を細切れ」にしたいというものだった。

 もう一人の女性、五輪トーチリレーの身障者ランナー金晶さんの経験はさらに奇妙なものだ。金さんは、パリのリレーでトーチを守ったことで国民的英雄と称賛された。中国メディアのインタビューでは、「わたしの命ある限り、抗議者からトーチを守る」と話していた。

 「国民的英雄」になったほんの二週間後、金さんは、仏食品スーパー「カルフール」の中国支店に対するボイコット運動について注意を促したところ、怒れる中国の若者から「フランスの奴隷」などの侮辱的な名称をつけられた。その注意とは、カルフールの従業員らのほとんどは、中国人であるから、ボイコット運動は自重しなければならないとしたものだ。

 この二人の女性の体験は、中国で起きている狂気のナショナリズムを物語っているが、そこから多くのことがわかる。まず第一に、そのようなヒステリックな感情の暴発は、理性を失わせるということだ。そのような純粋な国家主義的思考が社会の主流の価値観となれば、状況は一挙に危機的なレベルに達する。歴史上、そうした多くの先例がある。

 第二に、そのようなナショナリズムの台頭は、社会的な問題が山積みであることが背景にある。熱狂的なナショナリズムは、社会の安定が欠如している現れである。王さんはまだ若いが、この問題について独自の、しかも型にはまらない見方をしている。王さんは「中国人の権利が十分守られていなければ、不満分子も現れ、そうした人々ははけ口を求める」と述べている。王さんも金さんも、そうした不満の安易なはけ口として利用されたが、国際社会のメディア、CNNなどもその例にもれない。

 
(文・臧山、翻訳編集・藤川)

 (08/04/24 15:18)  





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