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チベット問題を巡って対立する学生グループを調停する王さん

チベット支持の中国人留学生、同胞から恐喝・罵倒の嵐に遭う

 【大紀元日本4月20日】米ノースカロライナ州のデューク大学に在学中の中国人女子学生・王千源さんは、チベット人の自由を求める権利への支持を表明したため、中国国内と海外の華人からの恐喝や、嫌がらせが殺到、彼女はいま現地の警察の保護下に置かれているという。

 今月9日、デューク大学でチベット支援の学生と中国当局支持派の学生グループが激しく対立する際に、中国の青島市出身の王さんは仲介にあたり、状況を一旦沈静化させた。

 その翌日、中国人留学生向けのサイトには、王さんの顔写真(額には「売国奴」と中国語で書かれていた)や、電話番号、身分証の番号、中国の実家の住所、親の名前、勤め先などの個人情報が掲載され、「帰国したらおまえの死体を細切れにする」「ガソリンを撒いて自殺しなさい」などの脅迫メールも送られてきて、中国の実家の門前に糞が撒かれる写真も掲載されていた。

 中国当局のメディア『中央電視台』(CCTV)のホームページは4月17日、「最も醜い留学生」と題する報道を掲載、王さんの写真とビデオを載せていた。彼女の写真は中国国内の各大手インターネットサイトで転載され、多くは顔に『売国奴』と書かれている。彼女の両親は安全のため、別の場所に避難しているが、娘との電話では盗聴を心配しているためか、所在を伝えていないという。

 王さんはラジオ自由アジア(RFA)などの取材を受ける際に、自分はいま安全のため授業にも参加できずに、現地の警察の保護を受けていることを明らかにし、「私は国家の分裂を従来から支持していない。自分の同胞兄弟のようにチベット人に接するべきだ」「罵倒や、暴力、脅迫などの手段で私を罵倒する人々は、理性を失くしている。それこそ、中国人の恥をさらしている」と語った。

RFAの取材を受ける王さん

 また、両親の状況を聞かれると、王さんは、「親の安全は今の私が最も心配していること。両親はいま堅く口を閉ざしている。肝心の話はほとんどしない。避難しているのが分かるが、所在を絶対に教えてくれない。多分、中国当局の下調べを恐れている。毎日朝と夜、メールで自分たちの安全を伝えてくるだけ」と話した。

 ネット上で公開され、王さんの両親が書いたとされる陳謝状について、王さんは、「両親が書いていないと明確に私に言った。だれが書いたのか知らないが、両親は私の行動を支持するとはっきり言ってくれた」と説明した。

 同胞からの凄まじい人身攻撃についての感想を聞かれると、彼女は、「今の中国人のこの種のとても奇妙な「怒り感情」は、心のバランスを喪失した現われであり、歪んだいわゆる「愛国心」でもある…人間としての権利が十分に得られていない状況において、彼らは一種のストレスを感じて発散口を求めている。時には、特定のグループがそのストレス発散の対象と仕立てられ被害を受けてしまう…いまの私が受けている人身攻撃は、まさに1960年代の『文化大革命』を連想させる…」などと感想を語った。

 取材の最後、王さんは、「いまの中国人には異なる政見、異なる声を聞かせる必要がある。国家には強い国民がいることを望んでいるが、強い政府が国民を抑制して言いたいことも言わせないよう強いるのではない。今の中国の状況は秦朝に少し似ている。当時の始皇帝の王朝が崩壊した理由は暴政を講じていたからである…」と語った。

 デューク大学の学生団体などは王さんへの人身攻撃を強く非難し、彼女の個人情報を故意に漏洩したとみられる同大学の「中国学生学者聯誼会」への調査を要求し、同団体の解散を求めている。一方、その会の李治中・会長が米国VOAの取材で、情報漏洩への関与を完全否認している。

 これまでに、海外の各大学の「中国人学友会」「中国学生学者聯誼会」などの組織について、豪州政府に亡命した中国の外交官・陳用林氏や、元中国人留学生幹部などが相次ぎ証言を行い、これらの組織は現地の中国大使館と密接な裏関係を保ち、そのリーダーは中国当局から金をもらい、その他の学生を監視したり、様々な当局支援の活動を組織したりしている、などと明らかにしていた。

 RFA取材の映像

http://www.youmaker.com/

 (翻訳・編集/叶子)


 (08/04/21 08:11)  





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