THE EPOCH TIMES

日本水フォーラム、都内でシンポジウム

2008年05月26日 21時23分
 【大紀元日本5月26日】日本水フォーラム(特定非営利法人)と国土交通省は24日午後、都内永田町の千代田放送会館でシンポジウム「気候変動と水災害~凶暴化する水災害にどうたちむかうか」を主催し、沖大幹・東大教授、ラジェンドラ・パチャウリ・IPCC議長ら、内外の有識者を招いて基調講演をするとともに、皇太子殿下のご行啓とご臨席を賜わり、聴講した市民らに対する啓もう活動を兼ねて、地球温暖化に伴う水災害について幅広い討論を行った。共催には、環境省、(社)土木学会、水文水資源学会、(社)砂防学会、アジア太平洋水文水資源協会、(社)日本河川協会、NHKらが参加した。

 本シンポジウムでは、「気候変動と水災害」をテーマに、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新レポートを紹介するとともに、世界や日本では現在どのような水災害が起こっているのか、この問題の解決に向けて何をすべきかについて幅広い討論がなされた。基調講演に先立った主催者側の挨拶は、日本水フォーラム(JWF)会長の森喜朗氏と国土交通相の冬柴鉄三氏が行った。

 
挨拶する冬柴・国交相

基調講演に先立って森会長は、「アジア太平洋地域における水災害による死者数は、全世界の約80%にも及ぶ。先の5月2日のミャンマー・サイクロンでは6Mにも及ぶ高波で被害が拡大したし、中国四川省の大地震では、河が堰き止められて生じた地震湖が決壊した被害も報告されている」と述べ、アジア太平洋地域での水被害の防止が世界レベルでの貢献につながるとの認識を示した。

 
挨拶する森会長

基調講演でパチャウリ議長は、IPCCの第四次報告書を引用しながら、「今世紀末には、世界平均地上気温は約4度、海面も0.26-0.59M上昇すると予測される。極端な大雨の頻度が増加、熱帯低気圧の強度が上昇する可能性が高い。極端な気象現象の強度と頻度の変化、海面の水位上昇は自然システムおよび人間システムに悪影響を及ぼす。淡水利用の可能性は、2050年までに中央、南、東、東南アジア、特に大規模河川の流域で減少すると予測される。特に、アジアのメガデルタ地帯では、海あるいは河からの浸水リスクが高まる」などとし、ミャンマーのサイクロン被害について、「ミャンマー政府は、雨量や水位情報を携帯やインターネット、地域の防災無線などによってリアルタイムに国民間に共有させていなかった。リアルタイムシミュレーションなどにもとりくんでいなかった」とし、ミャンマー国内の情報インフラにも問題があったと指摘した。

 
基調講演をするパチャウリ・IPCC議長

沖東大教授は、「気候温暖化に伴う国内の問題として、その河川工事などは100年に1度来るか来ないかの大雨に対処できるように設計されているが、その頻度が20-30年に1度のペースで来るようになり、それも二割増程度の強度で来るようになるだろう」と述べ、国内のインフラ強度がいまだそれに耐えるレベルにまで達していないのが将来的な問題だと指摘、さらに「世界レベルの話として、一般的にユーラシア大陸の東では洪水、西では渇水が起こるが、この洪水と渇水が世界で同時に頻繁に起こるだろう…それも100年に1度のレベルのものがもっと短期的なスパンで頻繁にやって来るようになるだろう」と気候温暖化に対する地球規模での警鐘を鳴らした。
基調講演をする沖・東大教授


関連キーワード
^