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北海道白老町、アイヌの伝統文化が息づく里

 【大紀元日本7月13日】北海道白老郡白老(しらおい)町、ここはポロト湖という大きな湖があり、濃い霧が立ち込めるアイヌの里として知られている。湖の近郊では温泉も湧き、財団法人「アイヌ民族博物館」(別名:しらおいポロトコタン)がその伝統文化を今に伝える観光地としても有名だ。

 「しらおい」はアイヌ語で「アブの多いところ」、「ポロト」は大きな湖、コタンは「村」という意味だ。民族博物館に隣接したポロト湖は、昔は在来魚が多く棲息していたが、心ないバス釣り家がブラック・バスを放流したために、今では在来魚が減ってしまったという。

 民族博物館の中では、毎日のように民族楽器「ムックリ」の実演や「イヨマンテ(熊の霊送り)」の歌と踊りが披露されており、日本人観光客だけでなく、多くの外国人観光客も訪れている。パフォーマーの一人は、「ひと昔前は、台湾人やマレーシアなどの東南アジアの人が多かったが、最近は韓国人観光客が多くなった。欧米からの観光客もたまに見られる」と客層の変化を指摘する。

 
ムックリの実演(写真=大紀元)

イヨマンテの歌と踊りの実演(写真=大紀元)

民族博物館に隣接した土産物店で(有)宮本酋長売店を営む大須賀るえ子さんは、カムイユーカラ(神謡)、アイヌユーカラ(人間謡)、カムイノミ(神祈り)、ウェペケレ(散文説話)の語り部である伝承者として、またアイヌ語の上級講師として後継者の育成にやっきだ。「本来アイヌ語には文字がなかった。そこで、白老方言の辞書を作ったり、文法的に解析して教えて、アイヌ語を広めていきたいが、学ぶ人が少ないのが残念だ。…日本人の生徒もいるのだが、若い二十代のアイヌ人で熱心な後継者が欲しい」と切実だ。

ユーカラの実演(大須賀さん): 


 大須賀さんは、若いころ、道内にある会社の支店に就職したが、試用期間の三か月が過ぎても正社員にしてもらえなかった。どうも、支店の社員が、大須賀さんがアイヌ人だということを調べて会社に報告したのが理由だと思われるという。今でも、アイヌの人は進学や就職、結婚といった人生の節目で差別に直面しているという。

 国内の差別問題では、日本社会は在日朝鮮人の問題、沖縄問題、同和問題など数々の試練を経てきたが、アイヌという先住民族の問題は、その固有文化の保存と振興をも含めて、日本国籍と日本名を有する「アイヌ系日本人」が、この現代日本社会で自由競争と機会の均等を実現できるよう努めることが最重要課題になるだろう。

(執筆・青嵐、編集・瀬戸)

 (08/07/13 11:14)  





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