【大紀元日本7月31日】北京オリンピックを目前に控えた中国は、金メダル獲得数ナンバー・ワンを目指すべく盛り上がっている。前回のアテネオリンピックで、中国は32個の金メダルを獲得し、アメリカに次いで世界第2位の強者ぶりを見せつけた。今回、中国は前回の選手数407人を大幅に上回る600人を派遣して大会に臨む。
金メダルの期待が高まる中国だが、その一方で、どのくらいのコストがかかっているのか、民衆は知らされていない。金メダル数世界トップを誇るアメリカは、その経済力も世界一だが、2位の中国はというと、GDP世界100位にランクしている。2億人以上の人々が最低貧困層に属する中国は、一方で莫大な予算を投じ、威信をかけた金メダル獲得に邁進している。
金メダルにかかる費用
数年前、インターネットにある記事が掲載され、注目を浴びた。「オリンピック・金メダルの罠(the Trap of Olympic Gold Medal)」というその記事によると、2000年シドニー・オリンピックの後、中国体育局の年間予算は、30億元(約420億円)から、50億元(約700億円)に引き上げられたという。アテネオリンピックまでの4年間で、中国はその準備に200億元(約2800億円)を費やし、32個の金メダルを獲得した。実に、メダルひとつあたり700万元(約9800万円)の計算である。従って、中国の金メダルは「世界一値段の高い」メダルとなったのである。
同記事の執筆者は、次のように指摘している。金メダル1つに費やされるお金があれば、3,500校の小学校を建てることができ、それによって350,000人の児童が教育を受けることができるだろう、と。社会福祉や教育システムが行き届かず、極端な格差社会となっている中国が、これだけの財源をメダル獲得に費やすのは正気の沙汰ではない。金メダル獲得は国民の願いであるが、そのコストは高すぎると言わざるを得ない。
国家体育総局・体育科学研究所の包明暁・高級研究員は、オリンピック選手ひとりあたり約400万〜500万元(約5600万円〜7000万円)の費用がかかると概算している。アテネオリンピックで金メダルを獲得した陸上のスター選手・劉翔には、環境の良いランニング・コースや、最新のハードルなどが与えられ、年間300万元のコストがかかっている。実際、選手一人当たりにかかる金額は、計算が難しいと中国オリンピック委員会の呉寿章・副会長は言う。選手のほかにも、彼を支える最高の医療スタッフや、科学者、栄養士、フィールド・ワーカーなどがいるからである。
ある中国のネット・ユーザーは自嘲気味にこう書き込んでいる。「我々が世界一になったとしても、それが誇れることか?人間の基本的な自由さえ保障できず、民工が毎日10時間以上、汗水たらして働いてもその給料が保障されない国が、世界一だと誇れるのか?」
このネット・ユーザーは、中国の金メダルフィーバーぶりを「病的で、逆さになったピラミッド型スポーツシステム」と揶揄する。スポーツにお金を投じ、国民の健康意識を高めることもおおいに結構だが、この国の田舎には、学生がスポーツを楽しむための運動場や道具がないのが現実だ。
中国には数多くの体育館があるが、それは選ばれた少数の人間に与えられたもので、一般には開放されていない。中国は莫大な予算を投じて、スポーツの精鋭を養うが、スポーツとは無関係の貧困にあえぐ人々は、どのように北京オリンピックを迎えるのだろうか。
(記者・華敏、翻訳/編集・田中)
(08/07/31 01:11)
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