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【ショートストーリー】ちょっと考え直して・・・

文:Xi Xi

 【大紀元日本7月9日】「ちょっと!青になったのに、前の車ったら何やってんの?早く進んでよ!」

 私は2回クラクションを鳴らして、怒鳴り散らした。

 「ああいうのがいるから、すぐ渋滞になるのよ。運転免許あるのって言いたいわよね。」

 遅刻しそうだった私は、イライラしながら隣の友人に同意を求めた。友人は、肩をすくめて、

 ちょっと困った顔をしただけだった。

 数日後・・・

 「パーン!パーン!」

 「おい!何やってんだ!」と怒鳴りながら、後ろの車が何度もクラクションを鳴らしている。

 はっとして前を見ると、青信号だった。いそいでアクセルを踏む。危ない、危ない・・・。

 私は、考え事をしていたようだった。母親が急病で倒れ、昨日ICUに運ばれた。容態は落ち着いたが、手術をしなければ病状は悪くなると告げられた。年老いた母が手術に耐えられるだろうかと不安な心が私を支配して、青信号に気付かなかったのだ。

 「そんなに急かさなくてもいいでしょ!まったく、心が狭いわね・・・・」

 と、誰とはなしに罵って、しばらく怒りが収まらなかった。

 時として、私たちは真の理由を知るまで、自分の観念だけで物事を見てしまう。

 昔、読んだことのある話がある。

 ニューヨークの地下鉄で、子供が癇癪を起こして騒いでいた。しかし、子供の側に立っている父親らしき人物は、子供を叱るでもなく、ただ一点を見つめて立っているだけだった。周りで見ていた人たちは、いつその父親が子供をたしなめるのか、とイライラしながら見ていた。

 この状況を見ていた執筆者は、勇気を出して男性に声をかけた。「すみません、お子さんが騒いでいるのをご存知ないのですか?何とかしてください」

 男性は、はっとして、謝りながら、言った。「すみませんでした。この子は、2時間前に病院で母親を亡くしたものですから・・・・。私も、これからどうやって生活していったらいいのか・・・本当に、すみません」

 執筆者は、自分は何て残酷だったんだろう、とその時思ったと綴っている。

 何か問題が起きると、私たちはつい人のせいにしてしまう。そして、自分たちの要求どおりに他人が動いてくれなければ、すぐにも不満の心が生じてくるものだ。

 でも、周りの人を責める前に、まず一呼吸おいて考えたほうがいいかも知れない。彼らの気持ちはどうなのか、ということを。

 まず最初に浮かぶ気持ちは、往々にして感情的で浅はかだ。その感情をぶちまければ、相手は傷付くし、自分も気分が悪い。もっと寛大な心を持って、相手の立場を思いやることを忘れないようにしたい。

 (08/07/09 00:00)  





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