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【ショートストーリー】シャーマン

文:文雀

 【大紀元日本7月7日】そう遠くない将来の地球、温暖化はさらに進み大地は干上がり、文明国の人々にとって、特に都市部のすぐ近くにまで砂漠が迫り乾ききっていた。そこで、文明国のうちで特に事情の切迫した人々は、かつてレザベーションに追いやったシャーマンに「雨乞い」の儀式を教えてもらおうということになった。最早、「神頼み」しか道は残っていなかったからである。

文明国の長「…最早、かつては厄介払いしたあなたに頼むしかなくなった…どうか、雨乞いの儀式を教えて欲しい」

シャーマン「…教えなくはないが…」
シャーマンは、先祖伝来の祈りの儀式道具一切を整えると、民族独自の呪文を天に向かって唱え始めた。
文明国の人々がひとしきり見守る中、祈りを終えると、「…手ごたえはあった…しかし…」と口を濁している。

文明国の長は、一人ばかりの祈りでは心細いと、儀式の道具一切を写真に収め、式次第をハンディカムで記録し、呪文を録音すると、すぐさまそれを持ち帰り、市民を集めて体育館や公民館で見よう見まねの「雨乞い」の儀式を盛大にやり始めた。

しかし、待てど暮らせど雨は降らない。
文明国の長は、再びシャーマンの元を訪ねた。
「…あなたの言うとおりにしたのだが、全く雨は降らない」
シャーマンは憮然とした表情をすると、「…既に降っている…」と言う。

果たして、雨は降っていた。それも意外なところで大量に…
太平洋の中央部で急激に温められた海面上では、大規模なハリケーンが発生し、それがアフリカの東海岸にバケツをひっくり返した勢いで降っていた。

そこで、アフリカの人々は思った。「シャーマンに天が晴れる祈りをしてもらおう…」。

 (08/07/07 00:00)  





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