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2003年、修復作業中のルーブル美術館。天井の神の絵が生き生きとしている。(AFP)

人類のあるべき文化を取り戻せ(下)

文・王静雯

 【大紀元日本8月11日】

 92%のアメリカ人が高次元の生命の存在を信じる

 今年6月、「ワシントンポスト」は、ピュー・フォーラム(Pew Forum)が3万6千人のアメリカ人成人に対して行った最新の調査を公表した。それによると、自らを無神論者と称するのはわずか20%で、92%の人が神や高次元の宇宙生命の存在を信じており、58%の人は毎日少なくとも1回はお祈りをするという。調査ではさらに、4分の3のアメリカ人が、いい人は褒美を手に入れ、天国に行くことができると信じており、6割以上の人が、罪業を悔い改めない悪人は、死後地獄に行って懲罰を受けると信じているということも明らかになった。

 この調査が大陸の人に驚きを与えることは間違いない。アメリカは、現代の変異した文化の発祥地ではあるが、あくまでも宗教立国の国である。国歌にも「神がアメリカを守る」と歌われている。

 一方、現在、多くの中国人が感嘆してこう言う。「中華民族は2千年以上前に『道徳経』を手に入れ、『道』を最も早くに発見した。ところが、西からやってきたマルクス・レーニン主義の蹂躙の下、今や、如何にして『道』に従って事を行えばいいかがわからなくなった。一番早くに『徳』を押し広めた民族が、『徳』を積めば克服できないものはないという道理が分からなくなった」

 古人は、「道」を失えば天災が起こり、「徳」を失えば人禍をもたらすということがわかっていた。それでも、「道徳は一体1斤いくらだ」と尋ねる人がいるが、道徳は、人の肉体生命よりずっと価値のある値段の付けようのない宝物であり、人が社会で身を立て生きていくための根本なのである。

 ピュー・フォーラムの調査ではさらに、42%のアメリカ人が、ハリウッドの映画は風俗を乱すマイナス面を持っていると考えている。内在的な精神面の規範としての道徳は、人類の文化、芸術、社会行動を通して顕現される。人類の道徳は人類の芸術に影響を与え、それがひいては、人類の芸術が道徳を導く作用をもたらすことになる。例えば、「何が美しいか」ということに対して、道徳基準が異なれば、審美観と感受性も異なる。言い換えれば、異なる審美観を認めることによって、異なる道徳理念を容易に認めてしまうことになる。このように、芸術と人類の道徳基準は、密接に関係しているのである。

 
「真善忍美術展」作品、李園『さすらい』、油絵、2006年(正見ネットより)

変異した文化は人の美感を乱す


 パリのポンピドゥー・センターに行った人は、多くの人が心では、「これは何だ?ごみの塊じゃないか」と思うに違いないが、それを言い出せない。時代の潮流についていけないと笑われるのが怖いからだ。そして、しばらく見ているうちに、それらの奇怪な物を受け入れ始め、次第に好きになってくる。その結果、「ゴミ」が「宝物」になる。人の道徳観念もそれに従って変化し、悪いものをいいものと見なすようになり、その結果、現代芸術が伝統に反する、いわゆる「新人類」を生み出すことになる。

 服飾を例にとるなら、現代人は、奇怪な衣装や格好であればあるほど、「かっこいい」と感じる。左右の髪の毛を全部剃り上げ、ニワトリの鶏冠のように真ん中だけ残し、さらにはそれをいろいろな色で染める。ズボンも中の下着が見えるまでずり下げ、それなのに、腰にベルトをして、それをまるで腸のように外でぶらぶらさせる。鼻、唇、マユ、舌などにたくさんのピアスをしたり、自分の顔をあれこれいじって、お化けのように変えてこそ、美しいと感じる人もいる。

 物欲は人に生活の基準を失わせる

 飲食を例に取るなら、昔の人は、食事は節制を重んじ、お腹が満たされれば十分であり、今の人のように、おいしいものをひたすらがつがつ食べるということはなかった。現在世界には、肥満の病人が数億人いるが、その多くは悪い飲食習慣によってもたらされたものである。

 今年4月、英国の新聞「タイムズ」が英国のプレスコット副首相の回想録を発表した。それによると、この著名な政治家がかつて16年間暴食症を患っていたというのだ。

 「仕事をし、それから急いで何か食べる。食事が私の最大の楽しみになった。そのうち、目に付く食べ物を片っ端から頬張り、吐き出すまで食べるのが習慣になった。……少なくとも、食べ物を頬張る楽しみを味わい、それにとても満足感を覚えた。それから、食べたものを吐き出すのもある種の奇異な楽しみであり、ほっとする瞬間だった」。

 この副首相の告白は、欲望にコントロールされた現代人の悲惨な生活を見せてくれる。人類は時が経つにつれて賢くなるのではなく、古人の飲食文化さえも忘れてしまったのである。

 また、武術を例にとるなら、現在、海外の多くの都市に「カンフー教室」があり、どうやれば人に勝てるかを教えている。しかし、字源をたどれば、「武術」の「武」の字は、「止」と「戈」からできている。すなわち、暴力を制止するという意味であり、みだりに武力を用いてはならないという意味も持つ。古代、武術を習う人は、座禅を組み、息を整えて心を静めたものである。

 現代人は、武術を学ぶには、「拉筋、下腰、站馬歩」などの基本動作をしっかり学ばなければならないということは知っているが、これらの基本動作が脈を開き経絡を通すためであるということは知らない。例えば、古代の太極拳は実は2セットからなり、一つは形に表れる動作で、もう一つは脈を開くことで、これは目には見えない。ところが、百年あまり前に太極拳の脈を開く部分が途絶えてしまった。現在受け継がれているのはうわべの動作だけで、心法の部分はなくなってしまったのである。

 人類のあるべき文化を取り戻せ

 芸術の領域では、人類の変異はいっそう驚くべきものがある。現代芸術の創作をする人は、無意識のうちに自己の正念を放棄し、表面的な意識と観念、そして外来のものにコントロールされてしまう。その結果、創り出されたものは、不規則で無秩序な、人類が具えているべき美感を伴わない作品である。多くの現代芸術家や作家たちは、麻薬の力を借りてインスピレーションを求め、作品を創り出す。

 麻薬によって意識が朦朧とし、理性的でない状態で作り出された作品は決して、人の正念が働いたときに創り出される美しいものではありえない。そのような作品は、創作者、演奏者、歌手に害をもたらすばかりか、聴衆や観衆にも心理的な障害をもたらし、人類の道徳観念にも重大な破壊作用を果たすことになる。

 現在の地球は正に、このような苦難に遭遇している。人類の芸術は、進むべき軌道から大きく外れ、驚く勢いで邪道を滑り落ちている。

 この歴史の肝心なときに、新唐人テレビを主体とする華人の団体が、中華の正統文化を復興させる新天地を作り出し、各方面の見識ある人士が共感し参加するのを待っている。

 最近の調査では、80%のネットユーザーが中国人になりたくないという。しかし、本当にいいものは中国にある。中国のことわざに「梅の花がいい香りを放つのは、厳しく寒い時期を経たからだ」というように、中共の党文化の大災難を経験した中国人は、一旦人類が歩むべき道に戻ることができれば、いっそう輝かしい新天地を切り開くに違いない。

 (完)

 (08/08/11 08:15)  





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