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8月24日まで、毎日24時間、ロンドンの中国大使館前で抗議活動を展開しているウッドさん(大紀元)

天安門広場で抗議の英人女性、ロンドンで24時間抗議活動

 【大紀元日本8月21日】8月8日、北京五輪開幕直前に天安門広場で、中国政府による人権侵害停止を呼びかける横断幕を広げた英国のデイジー・ウッド(Daisy Wood)さんは、その場ですぐに中共の警察に取り押さえられ、英国へ強制送還された。彼女は、ロンドン到着後の8月9日夜から、駐英国中国大使館の向かいで、抗議の座り込みを始めた。座り込みは、北京五輪が終わる24日まで続けるという。

 以下は、大使館前でのインタビュー。

 記者:自己紹介をしていただけますか。

 デイジー:私はイギリス西南部のCornwallの小さな農場で生まれ、その後、イギリスのいろいろな所に住んだことがあります。母は、しっかりした信仰を持っています。佛教関係の本をたくさん読み、佛教の法理を自分の信仰の中に溶け込ませています。幼いときから、母は私に、他の人を尊重するように、そして思想の自由と信仰の自由を持つようにと励ましてくれました。こういったことから、私も次第に佛教関係の本を読み、そこに書かれていることが真理だと思うようになりました。4年前、私はイギリスを離れ、ネパールやインドでボランティアをするようになってから、佛教をより深く理解するようになりました。幸運でした。

 記者:なぜ北京へ行ったのですか。

 デイジー:私は天安門広場で、メディアや多くの人々に中国の人権に関心を持ってもらうよう呼びかけるために旗と横断幕を広げました。旗はチベットの旗で、横断幕には中国語と英語で「世界平和」「人権:チベット人、法輪功、ウイグル族」「チベットの僧侶を釈放せよ」と書かれていました。ミャンマーとチベットの逮捕されている僧侶たちに対する支持の気持ちを表すために、天安門に抗議に行く前日に髪の毛を剃りました。

 
髪を剃る前のデイジーさん(本人提供)

私は、中国人をかわいそうに思います。彼らはあまりにも本当のことを知らされていないからです。今年3月に見たテレビ番組から見る限り、中国人は西洋人を敵とみなしているようです。でも、私たちは中国人には全く反対していません。私たちが反対しているのは中国で行われている人権迫害だけです。中国人は中共に完全に愚弄され、コントロールされています。

 私は、今のこのチャンスを逃してはならないと感じています。ウイグル族、チベット族、法輪功に対する迫害に関心をもってもらい、それを停止させるよう、呼びかけるのです。今それらの迫害を止めさせなければ、将来はもっと難しくなるでしょう。悲しいことに、中共は今、自分たちが間違ったことをしているということを全く信じていません。自分たちが人権を迫害しているということを断固として認めようとはしません。本当に恐ろしいことです。

 記者:あなたは中国の人権のために呼びかけをしていますが、それは中国人に対してですか、それとも中共政権に対してですか。

 デイジー:私は中国人には全く反対していません。中国人は愛すべき人たちで、私にも中国人の友だちがたくさんいます。彼らは皆とてもいい人です。でも、彼らは、自分たちの国で起こっている人権迫害のことを知りません。私が反対しているのは、中共政権であり、中共政権の中国人に対するやりかたです。

 記者:いつからそのような考えを持つようになったのですか。

 デイジー:3年前からです。その間にも考え方に変化がありました。半年間集中的に調査をした結果、中国は環境および人権の面で問題を抱えているということに気が付きました。北京五輪が近づくにつれて、自分で中国へ行って、そこの人々に中国の人権は改善する必要があるということを伝えなければならないと、強く思うようになりました。

 記者:中国の警察はあなたに何をしましたか。

 デイジー:私が横断幕を広げて2分もしないうちに、私服の若い警官が数人やってきて、手に持っていた横断幕を奪い、私をパトカーに押し込めました。それから、天安門のそばの警察署に連れて行ったのです。今すぐにオリンピックが始まるというときだったので、彼らは私に対して「友好的」なふりをしていました。「チベット人とはどうやって知り合ったのか」「法輪功のことはどうして知っているのか」「どうして法輪功を支持しているのか」など、いろいろなことを聞いてきました。結局、私は中国の法律に違反したということで、強制送還を言い渡されました。彼らは私からお金を取り上げた後、フランクフルト行きの飛行機に乗せました。飛行機を降りたとき、私はほとんど一文無しでした。

 記者:北京の公安と警察の話から、どんなふうに感じましたか。

 デイジー:彼らの言っていることは本当におかしく感じたので、私はすぐに彼らに説明してやりたいと思いました。その警官たちは皆若く、あまり事情が分かっていないようでした。チベットの旗を見て、それが何なのかさえ知りませんでした。政府が彼らに教えたこと、彼らが知ることを許されたことだけしか知らず、私の話など聞いても耳に入らないのです。私は彼らに、法輪功は座禅を組み、とても穏やかな方法で精神を高める気功で、ヨガに似ていると説明しました。すると、彼らは互いに顔を見合わせ、首を横に振りました。私のほうこそ本当のことが分かっていないと言いたげでした。彼らは、それほどまでに中共に教えられたことを固く信じているのです。私は本当に彼らがかわいそうになりました。

 記者:あなたは法輪功のことをどうやって知ったのですか。

 デイジー:ロンドンの中国大使館前で毎週水曜日に行われているフリー・チベット組織の抗議活動に参加したとき、はじめて法輪功の人たちに会いました。私はそこに展示されているパネルを見、そして静かに座って平和的に抗議している法輪功学習者といろいろな話をしているうちに、とても興味を持ちました。そこで、家に帰って法輪功関連のサイトでいろいろな文章を読み、法輪功がとてもすばらしいものだということが分かりました。魂や正のエネルギーと相通じるものは、間違いなくいいものです。彼女たちは慈悲と善の心を持つようにと言っていました。佛教でもそのように人を導きます。

 記者:法輪功はどういうものだと思いますか。

 デイジー:一言で言って、法輪功はエネルギーです。巨大な正のエネルギーと慈悲と善良のエネルギーから、ピュアな善の心を感じました。慈悲と善から生まれたエネルギーはとても美しいものです。しかも、それが非常に大きな力になっていると感じました。法輪功が今の中国で残酷な迫害を受けているのは、ひょっとしてそのせいかもしれないと思います。

 記者:民主的な自由な環境に育った西洋人として、あなたは、中国人のこういった事実を無視した洗脳された状態を理解できますか。

 デイジー:彼らのこういった状態は恐怖による怯えからきていると思います。文化大革命を経験した中国人は、若い世代に真相を話すことを恐れ、過去の秘密を隠そうとしています。人は、恐怖に追い立てられたとき、簡単にコントロールされてしまうものです。怯えた状態の中で暮らす人は善の心で人に接することが難しくなります。私は、人々がいろいろな情報に自由に接し、そこからバランスの取れた理性的な視点で物事を見ることができるようになることを望んでいます。

 記者:北京五輪をどのように思いますか。

 デイジー:北京五輪を開いたことによって、中国の人権状況はさらにひどいものになったと思います。それは多くの人に苦痛をもたらしました。北京で警察が私に尋問した状況からみて、彼らは中国の人権問題のことを何も知りません。彼らは、中国政府が人権を踏みにじるにはそれなりの理由があると考えています。

 記者:北京へ行ってみて、あなたが今最も深く感じていることは何ですか。

 デイジー:上の世代から遺伝してきた恐怖に対する「怯え」の影響で、中国人は本当のことを言うのを恐れています。人々は冷ややかで、新しい世代は常に何かを恐れています。もちろん、それは彼らのせいではありません。私に尋問した警官たちは20~25歳くらいで、いかなる歴史的真相もわからないままに、中共が教えたことしか信じないのです。私は、とても悲しく感じました。中国人が英国人と同じように人権が持てるよう、望んでいます。

 記者:あなたは中国の歴史を学んで、中国のいろいろな変化に気が付いたのではありませんか。

 デイジー:私は広大な中国の歴史のほんの一部分を知ったにすぎませんが、文化大革命のことを学んで、「怯え」の心が中国の未来を脅迫していることに気が付きました。悲しいことです。

 記者:どのようにすれば、中国の人々が「怯え」に打ち勝つことができるようになると思いますか。

 デイジー:エネルギーだと思います。何かを恐れれば、おそらくその恐れているものを自ら招いてしまいます。ベンジャミン・フランクリンは、「自由を代償に安全を手に入れようとする者は、結局どちらも得られない」と言っています。また、ビルマのアウンサンスーチーさんは、「本当の監獄は怯え自身であり、その怯えから抜け出すことこそが本当の自由である」と言いました。彼女のことばは、ビルマの状況について言ったのですが、ビルマも完全な恐怖政治のコントロール下にある独裁国家で、中共はその軍事政府に武器を提供しています。独裁政権が国民に恐怖心を植え付けるのは、人をコントロールし、自らが生存するためです。

 記者:西側メディアに、中共に対する怯えはあると思いますか。

 デイジー:一部報道はなされていますが、北京五輪中に発生した抗議活動についての報道は全く足りません。なぜでしょうか。多くの記者が、中国から追い出されることによって、五輪期間中にお金を稼ぐ絶好のチャンスを失ってしまうことを恐れているからです。実は、彼らは十分に、中国で真相を見つけ、真実を知っている中国人に直接接触するチャンスがあるのです。西側には報道の自由があるのに、彼らはそれを十分に活かしていません。本当の記者なら真相を捜しに行くべきです。

 記者:ロンドンへ強制送還されてから、家へも帰らず直接ここへ来たそうですが、なぜですか。

 デイジー:五輪開催期間中にこの得がたいチャンスを生かして、より多くの人に真相を伝える必要があると考えたからです。中国の人権を支持するには、国際的な圧力をかけ続けなければなりません。

 記者:大使館前での座り込み抗議は、条件が悪く、大変ではないですか。

 デイジー:中国で迫害を受けている中国人と比べたら、これくらい、何でもありません。彼らは精神的な信仰が理由で迫害を受けているのです。もし、私が中国でこのようなことをすれば、きっと死の危険にさらされることでしょう。

 記者:座り込みを始めてもう1週間になりますが、毎日何をしているのですか。

 デイジー:多くの人との交流があります。ここで長期的に活動している法輪功学習者からは多くのことを学びました。道行く人たちやドライバーたちに真相のチラシを配ったり、署名をお願いしたり、本を読んだりもしています。

 驚いたことに、ここで会った多くの人が、法輪功学習者がここで長期にわたって真相伝えの活動を続けていることに感動したと言います。彼らは確かに多くの人の注目を集めています。私は、このような努力があるからこそ、彼らが多くの尊重を勝ち得ているのだと思います。雨の日も晴れの日も、いつも誰かがここに静かに座り、24時間平和的な抗議を行っています。ここを通る誰もが、驚き、強い関心を示し、チラシをもらっていきます。これは正に、法輪功学習者の長期にわたる努力の賜物です。

 記者:あなたは、チラシを配ったり署名をお願いしたりするとき、どんなことを言うのですか。

 デイジー:中共の人権迫害の事実を知っているかどうか、法輪功が迫害を受けていることを知っているかどうかを尋ねます。できるだけ多くの情報を教えてあげ、関係するネットのサイトを見るよう勧めます。すると、大使館前の警官やドライバーを含め、多くの人が理解と関心を示してくれます。

 記者:中国の人権を勝ち取るために北京に行ったのに、すぐに強制送還されてしまいましたが、今ここで、その目的は達成されましたか。

 デイジー:今回は、北京へ行ったチャンスを十分に活かせなかったと反省しています。自分の抗議活動をメディアにきちんと記録してもらうことができませんでした。中共の人権迫害について、多くの人に関心を持ってもらうのが目的でしたので、今回のことはいい教訓になりました。ただ、ここロンドンでも、道行く百人のうち一人でも立ち止まって、中国で起きている事実に関心を示してくれれば、それによって、中国で行われている迫害と拷問の真相を伝えることができます。中国の人権状況を知った多くの人が、そういうことなら、中共にオリンピックを開かせるべきではないと言います。また、「北京で行われているオリンピックは、完全に政治ショーだ」という人もいました。

 記者:先週の土曜日、ここから出発したデモ行進にあなたも参加したそうですが、感想を聞かせてもらえますか。

 デイジー:デモ行進は大成功だったと思います。「フリー・チベット」の人たちだけでなく、多くの西洋人やインド人など、さまざまな人種の人が参加しました。皆の共通の関心が人権問題だったからです。人権問題に国境はありません。土曜日のデモ行進にはパワーがありました。さらに多くの社会各界の人が中国の人権状況改善に力を貸してくれるよう、願っています。

 ここで再度、私が危惧していることを言います。中共が強大になればなるほど、人権に対する考え方を改善させ、人権迫害を停止させるチャンスが減ります。なぜなら、中共は自分が間違ったことをしているとは思っていないのですから。もし、中共コントロール下の中国が超大国になったとしたら、世界全体に大きな悪影響を及ぼすことになるでしょう。

 記者:ここで多くの法輪功学習者と接し、どんなことを感じていますか。

 デイジー:以前ここでフリー・チベットの抗議活動に参加したとき、2、3人の法輪功学習者に会ったことはありますが、今回は、随分たくさんの法輪功学習者に会う機会がありました。彼らは私をずいぶん助けてくれました。彼らは、私がこれまで会った最も善良な人たちです。そんないい人たちに会うことができ、彼らと一緒に一時期を過ごすことができたのは、本当に幸運です。

 記者:ここでの抗議活動が終わったら、次はどうしますか。

 デイジー:ネパールに帰って、ボランティア活動を続け、そこの人権状況を改善するために頑張ります。私は、小さなNGOで働いており、今ちょうど現地の孤児のための学校を建設するお手伝いをしています。

 記者:北京へ行ったこと、そしてここで2週間にわたって平和的に抗議活動を続けることは、あなたの人生にとって、どのような意味をもちますか。

 デイジー:まだまだ足りません。中国に対してこれで終わりではありません。自分には、中国やビルマ、その他の国の人権状況改善に努力する責任があります。私の国籍とイギリスのパスポートがそれを可能にしてくれます。これからも、法輪功を支持するし、チベットやウイグルの人々の人権状況が改善されるよう、呼びかけ続けていきます。改善しない限り、終わりはありません。

 
(翻訳/編集・瀬戸)


 (08/08/21 06:51)  





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