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香港大嶼山上の大仏像。2008年5月20日(旧暦4月8日)の釈迦誕生日に、多くの人が参拝に訪れた。(Getty Images)

人類のあるべき文化を取り戻せ(上)

文・王静雯

 【大紀元日本8月10日】現在、人類は、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨、淡水資源危機、エネルギー不足、森林資源の激減、土地の砂漠化、多くの種の急速な絶滅、ゴミ公害、有毒化学品による汚染、などの自身の生存を脅かす危機に直面している。しかし、それらを詳しく分析してみると、いずれも人類の長期にわたる誤った行為がもたらしたものであり、その根源は、人類道徳の退廃による人心の悪化の結果によるものだということがわかる。

 人類文明史の早期には、東洋であれ西洋であれ、人類はみな神を信じた。西洋には天帝、キリスト、聖母マリアがおり、東洋には仏祖、元始天尊、天上の神がいた。神は人を教化するために、何をすべきか、何はすべきでないか、何が正しくて、何が正しくないか、善には善の報いがあり、悪には悪の報いがある、といった一連の行動規範を制定した。これが正に道徳の起源なのである。

 道徳は、神が人のために制定した規則であり、論証の余地のない公理であるため、「なぜか」と問う必要もなく、人はただそれに基づいて行動すればいい。例えば、なぜうそをついてはいけないのか、なぜ男と男は結婚できないのか、なぜ悪いことをしてはならないのか、なぜ何をなすにも良心を大切にしなければならないのか、……。数千年来、人類は神に対する敬虔な期待と懲罰に対する恐れの中で、意識的、無意識的に人類の道徳を遵守し擁護してきた。

 
「真善忍美術展」作品、陳肖平『天人合一』、油絵、2004年(正見ネットより)

実証科学が道徳を破壊


 西洋の実証科学が現れ、いわゆる「科学と理性」の旗印の下、物欲と利己の近代化の波が世界中を席捲するようになった。自己を中心とし、金銭を第一とし、快楽を目標とした現代人類は、次第に物質を尊び、感覚を重んじ、眼前の現実的利益を大切にするようになり、その結果、天国、来世、祖先、理想といったことに対して、徐々に崇拝の念と追及の心を失っていった。

 その結果、人類の信仰は動揺し、精神は崩れ始め、「天の神は死んだ」「人類世界は巨大な精神病院で、病を治すことのできる医者はいない」「21世紀の人類は道徳の空白時代に入った」などと言われるようになった。

 数年前、中国大陸のあるフォーラムで、知識人の精鋭たちが次のようなホットな話題について討論していた。「現代は市場経済商品時代であり、売りたいと思えば、何でも売ることができる。例えば、インテリは頭脳の中の知識を売ってお金を稼ぐことができるし、労働者は両手の労働を売って生計の道を図ることができるし、歌手は己の喉で財を成すことができる。ならば、妓女はなぜ体を売ってお金を稼いではならないのか?これも正当な労働によって得たことになるのではないか。」

 確かに、現在オランダでは、妓女は合法的な「性労働者」であり、規定に従って避妊具を装着し、合法的に納税しさえすれば、政府の保護を得られる。同様に、多くの国では、同性愛者の結婚やその人たちが子供を育てることが認められている。

 その知識人の精鋭たちは、「政府は大いに、ポルノ産業を発展させるべきだ。それは、低投資、ハイリターンの事業である」と提案した。しかし、今さらそのような提案の必要もなく、中共の役人はとっくに「ポルノ経済」を実施している。民間の学者の統計では、現在大陸で売春活動に従事している女性は数千万人に達しており、ポルノ産業の一年間の生産額は国内総生産の6%に達しているという。これらの売春活動をしている女性の中には、富の誘惑から「娼婦をやってでも儲けた者の勝ち」と考えるようになった若い女の子がいるし、生活に迫られてやむなく売春活動をする女性もいる。

 無神論こそが道徳退廃の源

 実証科学の進化論と唯物主義の無神論のロジックに従い、人類が本当に動物から進化してきたというなら、人と動物には本質的な違いはない。ならば、動物世界の「弱肉強食」の規則は当然人類の行動基準の全てとなり、その結果、道徳は自ずと遵守する必要がなくなる。

 この人たちのロジックに従えば、こうなるであろう。「競争は生きるか死ぬかだ。競争するのに、道徳で自己を制御したり相手を守ったりする必要があるのか。道徳は、昔の人間が考え出した自分を愚弄するくだらないものだ」「どうして偽造品を作ってはダメなんだ。騙されるほうが悪い」「正面から戦って勝てなければ、後ろからテロ行為を行う。『新戦法』で世界貿易ビルを破壊する。頭脳作戦だ」「役人はどうして清廉潔白でなければならないんだ。商売人がお金を儲けてもいいのなら、俺様だって、地位を利用して財を成して何が悪い。どちらも、自分をさらに発展させ、勝ち組になろうとしているだけじゃないか」「他には何もできないが、度胸でお金を稼ぐことならできる。盗み、密売、殺人、強盗、お金になるなら何でもやる。運と腕がよく、捕まりさえしなければ、稼げるじゃないか。法律は人が決めたものだから、警察や裁判官や弁護士を買収しさえすれば、合法的になるじゃないか」……

 これらの汚くみだらなことばから、道徳の退廃こそが人類の全ての罪悪の根源だということがわかる。西洋では、少なくとも、宗教文明の支えがあるが、中共統治下の中国人は何も信仰しない。中国社会で現在問題が多いのは当たり前である。

 (続く)

(翻訳・瀬戸)

 (08/08/10 10:00)  





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