【大紀元日本8月3日】1800年代後半から1900年代前半にかけて、ゲルマン魂の結晶ともいえる「自動演奏楽器」(※)がドイツ語圏を中心に盛んに生産され、黄金時代を迎えた。それは、バッハやモーツァルトなどのクラシック音楽をスプリングモーターや手回しで再生するもので、王侯貴族の贅沢品として趣味の享楽だけでなく治療にも使われていたという。
生産の本場であったドイツ国内のものは、第二次世界大戦の戦火で大部分が焼失したものの、戦前に米国のコレクターによって拾得されたものが、米国のミュージアムや富豪の元に現在も残存している。
その修復技術も困難を極め、現在では熟練者は世界でも十指に足りない状況だ。そんな一人が日本国内にいる。「河口湖オルゴールの森」学芸部長の磯貝憲男さん(68)がそうだ。磯貝さんは、学習院大学を卒業後、パンナムに就職、家業を継ぐのを境に世界旅行をして自動演奏楽器の素晴らしさに触れたという。
 | | 「河口湖オルゴールの森」学芸部長の磯貝憲男さん(撮影=大紀元) |
磯貝さんによると、「音楽が人を癒す」のだという。欧州では、19世紀まで音楽が医療の中心であった。モーツァルトは、「私はただ天空が奏でる詩歌を書き写しているだけ」と言っている。
哲人ピタゴラスから、ガリレオ、モーツァルト、バッハを経て、19世紀の半ばには12音を平均に割り振る調律法が定着した。その時から医学が音楽を切り捨て、世界は物質的な流れへと傾向した。
皮肉にも、この後から自動演奏楽器の黄金時代を迎えることとなり、「この自動演奏楽器の奏でる音楽には、シンセサイザーなどの電気音楽とは違った癒しの効果があることが最近分かってきた」と磯貝さんは言う。
現在、これらの自動演奏楽器は欧米富裕層の究極の贅沢品として、日本円で換算しても億単位の「お値打ち品」があるというが、磯貝さんは「いずれ河口湖だけでなく、都心の交通の便のいいところで自動演奏楽器の聞けるサロンを作りたい」と夢を語っている。
(記者=倍貝)
(※)自動演奏楽器について、詳しくはこちら(河口湖オルゴールの森HP)をご覧ください。
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