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ブッシュ大統領と会談した中国民主活動家たち、左2番目が魏京生氏(Eric Draper/米ホワイトハウス)

中国民主活動家ら、ブッシュ米大統領と会談

 【大紀元日本8月2日】7月29日午前11時半、ブッシュ大統領はホワイトハウスで海外在住の中国民主活動家5人と会談し、中国内での各種人権問題への関心を示した。「民主闘士」と称され、中国民主化運動のシンボル的存在の魏京生氏(58歳)も会談に参加した。会談終了後、魏京生氏は大紀元の取材を受け、今回の会談に至る経緯や、会談の内容を明かし、本件の報道に関して中国当局が外国メディアを誘導したことを指摘した。

魏京生氏は1970年代初めに北京大学で歴史を専攻し、1978年に中国民主化運動の主導者となった。当時、雑誌『探索』を編集し、民主化の実現を訴え、翌年10月には、軍事情報漏洩罪・反革命煽動罪として懲役15年の刑に処された。1993年釈放後も、外国要人・メディアとの会談で絶えず中国の人権問題を提起するため、1994年に再び逮捕され、懲役14年の判決を受けた。獄中で重病となりアムネスティ・インターナショナルなどの人権団体による粘り強い釈放要請の末、3年後に病気療養の名目で仮釈放され渡米。2度の入獄で、計18年の服役を経験している。

 大統領が面談した活動家は、魏京生氏のほか、中国の強制労働収容所の実態を告発した呉弘達(ハリー・ウー)氏、新疆ウイグル自治区出身のラビア・カーディルさんらで、いずれも米国に在住している。

 魏京生氏によると、会談は約30分行われた。魏氏は、北京五輪開会式に参加するのは間違いであると大統領に進言。中国当局は式参加を共産党独裁政権への支持と受取り、中国国民に多大な誤解をもたらすことを説明し、五輪訪問の際、大統領が様々の機会を利用して明確なメッセージを発するよう提案。さらに弾圧の対象である政治犯、宗教信者、少数民族などの人権に関心を示すよう要請したという。

 これに対し、大統領は北京五輪開会式出席のため訪中する際に、中国最高指導部に対し、人権状況の改善や宗教的自由の拡大を要求することを約束した。

 魏京生氏によると、彼の助手と呉弘達氏が、迫害されている人の名簿を会談の席で大統領に提出。民主活動家、政権異議者、宗教関係者、法輪功学習者が含まれているという。

 今回の会談について、魏京生氏は以下の二点を取り上げて説明した。

ブッシュ政権:国内批判を意識して中国当局に示すための会談
 
 魏京生氏は今回の会談に至る経緯を明らかにし、「今回の会談は急遽決められた。28日の夜、その翌日午前に大統領との会談が手配されたと初めて知らされた。米国側が中国外相訪米のタイミングを選んだのは明らかだ。中国当局が各国の首脳を五輪開会式に招待するのは自らの面子を立てるためであり、欧米諸国による支持を誇示するため」と述べた。

 同氏は、「ブッシュ政権は五輪開催前に中国の人権問題について数ヶ月間にわたり中国当局と交渉してきたが、当局の態度は非常に強硬で、以前承諾した約束はみな実行されていない。そのため、大統領は国内、党内、議会などに説明がつかない。このような状況で、今回の大統領と中国民主活動家との会談がこのタイミングに手配された。恐らく意図的に中国当局にみせるためである」と分析。

中国当局の意図に沿ったBBCとAFPの報道

 魏京生氏は、「今回の会談を最も早く報道したのはAFP中国語ニュース。BBCは続いてAFPの報道を引用。その後、大多数のメディアがBBCの報道を引用した。しかし、これらのメディア報道は、ホワイトハウスが公表した内容および当事者が見聞した事実と完全に反している」と述べた。

 ホワイトハウスの今回の会談に関する発表では、大統領と中国民主活動家との会談をメインで紹介した後、別室で同時進行していた中国の楊潔※(竹かんむりに褫のつくり=ようけつち)外相と米国家安全顧問の会談にも大統領が立ち寄り、「五輪は中国にとって人権と自由への思いやりを示す好機」と伝えたと公表。

 一方、AFPとBBCの関連報道は、ブッシュ大統領が中国外相と米国家安全顧問との会談の合間に「ついでに」中国民主活動家5人と面会したと報じている。

 それについて、魏京生氏は「中国共産党は今回の我々の会談を非常に嫌がっていた。彼らは国内外のすべてのメディアでの戦力を動員してあらゆる手を使って、このニュースを失くそうとした」と指摘、「中国共産党はこれまでに絶えず外国メディアへの浸透を試み、多くの工作員を潜伏させてきた。数十年続けているものや、定年退職した人もいるが、肝心のときにこれらの工作員に役割を果たさせている。五輪は中国当局にとって正念場であり、すべての勢力を総動員している」と説明した。

 一方、大統領の北京五輪開会式出席について、米国国内では反対する声が依然根強い。「今回の会談を介して、中国の人権問題に毅然とした姿勢で臨むと示すことで、大統領が国内の批判を封じ込めようとしている」との専門家の声も聞かれた。

 

(記者・李佳、翻訳・編集/叶子)


 (08/08/02 12:14)  





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