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自殺した食品生産監督管理局長

国家食品管理責任者が自殺、背後に太子党の関与も

 【大紀元日本9月3日】中国で「反独占法」が施行された8月1日、中国国家品質検査検疫総局(以下、総局)は被告第一号となった。その翌日、総局の食品生産監督管理の鄔建平局長が飛び降り自殺を図り、死亡する事件が起こった。北京五輪直前だったため、事件は控えめに処理され、北京のマスコミも沈黙を守った。五輪が閉幕した後、北京の大衆紙「新京報」は局長の死が総局の訴訟案と関係しており、総局の関連会社に年間2千億元にも上る巨額の利益提供事件と絡んでいると報じた。さらに、事件の背後に「太子党」と呼ばれる共産党高級官僚の子弟が関与しているとも噂されている。

 公安当局は1日に同局長を取り調べ、北京市内に幾つかの不動産を所有するなどを供述させ、さらに自宅から800万元(約1億3千万円)の現金を押収した。その翌日、監視の目を盗んで監禁先のホテルの窓から飛び降り自殺した。

 事件の発端

 総局は2005年1月、太子党の象徴、牙城とも言える中信グループの傘下企業「中信21」と中国華信郵電との合弁企業「中信国検信息技術有限公司」(以下、中信国検)を設立し、30%の株式を所有した。総局は「中国製品品質電子監督管理ネットワークの構築」を目的に新会社を設立した。2005年以降に69種類の食品製品に品質検査シールを貼り付けまたは印刷しなければ、販売できないという仕組みになっている。消費者はシールに示された情報を通して管理ネットワークに商品の製造日、メーカー情報などを知ることができ、政府もメーカーに対する監督を強めることができるという。

 総局は品質管理ネットワークが、政府主導下のプロジェクトと説明しているが、実際「中信国検」がシール販売を独占している。買わないと販売できないため、各企業はやむを得ずシールを買うが、品質が保障されているという認証は行われていない。つまり、シールさえ買えば販売できるということになる。販売元の中信国検にとってほとんど手間もコストもかからないぼろ儲けの商売になっており、企業から反発の声が相次いだ。

 「反独占法」が施行される8月1日、ニセ商品防止関連の企業4社は、総局が企業に品質管理シールを強要し、中信国検に年間2千億にも上る利益を提供した疑いがあることを理由に訴訟を起こした。

 8月11日、2社が総局を独占行為で訴えた。8月17日にさらに2社が原告に加わった。反独占法が施行されて一ヶ月も経たないうちに、総局は三度も訴えられ、その理由はいずれも同様のものである。

 品質管理シール制度に対して不満があったのはニセ商品防止関連企業だけでなく、多くの大手メーカーは技術がまだ成熟していないことを理由に何度も上級機関に制度の見直しを要求した。しかし、総局が制度の見直しに応じる気配はまったくなかった。

 中国国内紙の報道によると、この制度の実現の背後に陳暁穎(45)という遼寧省出身で後に香港に移住した女性がいる。彼女は太子党との関係が深く、 90年代にすでに遼寧省内の電力発電会社の大株主になり、投資家として30億元(約460億円)を儲けた経験を持つ。彼女は太子党とのコネを利用して、ウー氏に働きかけて、この制度を実現させた。彼女自身も「中信国検」の代表取締役についている。

 太子党は上層部とのコネと権力を駆使し、各業界の中枢を制御している。電力、通信、金融などの国有企業に浸透し、その利益を個人のものにした。さらに、買収や合併などの手段で国有企業を私有化し、国有企業を蝕んできた。

 自殺したウー氏は事件が発覚後、太子党との関与を供述しなければならないと分かっており、しかしそのすべてを明かしたら、太子党からの報復を逃げ切れないと観念して、自殺を選んだのではないかと見られている。

(翻訳編集・高遠)

 (08/09/03 23:31)