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クリス・パッテン元香港総督(SAMANTHA SIN/AFP/Getty Images)

中国の発展スタイル、民主価値への脅威=パッテン元香港総督

 【大紀元日本11月26日】英国領時代に最後の香港総督を務めたクリス・パッテン(Chris Patten)氏はこのほど、中国の潜在脅威はその低価格の輸出製品ではなく、「民主への脅威」であると発言した。米国VOAは評論家の見解として、同氏の観点をとても理に適っているとし、複数の中国問題の専門家の論点も報じた。

 クリス・パッテン氏はこのほど、新書発売の宣伝のため訪れた香港でBBCの独占取材を受けた。その際、同氏は、中国当局は民主制度がなくても経済は発展すると吹聴していると指摘、そのことこそ、中国が欧米民主社会にもたらす最大の脅威であると述べた。

 クリス・パッテン氏は1997年香港の主権を中国側に移行する節に、香港市民のために民主選挙の制度の確立を中国当局に強く要求していた。それにより、当時の両国間に多くの摩擦が生じた。

 中国国内の法律学者・陳永苗氏は、「同氏の観点は理に適っている。欧米の自由社会全体にとって、専制で民主政治でない専制国家が飛躍し、しかも経済大国に仲間入り、ひいては世界国家の三極の一つになった。このような恐怖感を十分に理解できる。なぜならば、中国はその価値観を輸出しているだけでなく、欧米諸国の核心的利益にも脅威をもたらしている」とコメント、その理由について、「いまの状況はある種の予測できず、制御不能の脅威の中に置かれている。いつ、その勢いが爆発するのかわからない、これは非常に恐ろしい要素である」と述べた。

 クリス・パッテン氏は、「東南アジア地区は米国主導の自由市場、自由貿易、自由政治の世界の体系から逸脱して、経済発展を得た。財が築かれているが、自由を認めない。中国はその中の最も典型的な代表国であり、驚異な発展を得ると同時に、米国主導の自由世界の体系に宣戦布告した。しかも、その種の挑戦は、それほど成功していない専制政権に歓迎されている。例えば、アフリカの独裁体制」と分析した。

 ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ学院の学者・呉翠玲氏は最近、ワシントンでのシンポジウムで、「中国スタイル」についてクリス・パッテン氏と類似する見方を示した。彼女は、中国の専制制度に置かれる資本主義体系(専制的資本主義)、すなわち、経済への開放、政治への厳格の制御のやり方は、東南アジア諸国に歓迎されているとし、そのほかに、中国経済の規模が巨大であるため、その専制的資本主義体系は一定の合法性を得させた。その種の「中国スタイル」は代替的な発展形式と定着しつつ、その影響力はアフリカ大陸までに及んでいると分析。

 しかし、クリス・パッテン氏は、中国のこの種の『専制、非自由、ビジネス最重要視」のスタイルは最終的に成功を得られないと指摘、その理由として、民主制度が提供する、困難の時期に重要な役割を発揮する「安全弁」がないと挙げ、「世界の歴史をみればわかるだが、フランスの君主制後期を含め、経済が高度に発展した後、大革命が勃発した。民主制度がなくて強国になることはあり得ない」と述べた。

 香港「城市大学」の政治学部の鄭宇碩・教授は、「欧米諸国は、経済発展は民主・自由制度の構築に一定の条件を創造する、と確信し期待を抱き、それは最も理想的な局面と目標であると認識している。しかし、中国当局はまったく異なるスタイルの発展を願っている。すなわち、最高指導部が政治の専制を保持し、民衆に民主の権利を与えない、と同時に、顕著な経済発展を成し遂げ、人民の生活水準をアップさせる。それにより、独裁政権の合法性も、経済の成功と人民生活水準の改善によって固められる」と述べた。

 また、同教授は、「長い目線でみると、人類は皆尊厳を追い求めるはず…。人間は経済動物として生存することに満足しないであろう」と語り、クリス・パッテン氏の見解に同調した。

 

 
(翻訳編集・叶子)


 (08/11/26 06:54)  





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