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外資の撤退により珠江デルタでは数万の企業が倒産した。以前の“世界の工場”のにぎわいは見る影もない(Getty images)

外資撤退激化、中国経済に大打撃

 【大紀元日本1月13日】外資撤退の激化する中国で、輸出と経済が大打撃を受けている。08年、中国では生産コストが大幅に上昇した事により外資の中国離れが起こり、珠江デルタでは数万の企業が倒産し、かつての「世界の工場」のにぎわいは見る影もない。これによる多くの出稼ぎ労働者の失業、集団抗議事件などが後を絶たず、中国共産党政権を脅かしている。

 中国共産党商務部、外交部、公安部、司法部など4部門の委員会は昨年末、共同で新規定を発表し、もし外資企業が中国から非常識な撤退を行った場合、国際追求し訴訟を提出するという。外国企業が中国から撤退すると同時に、09新年の始まりに当たり、3年の売買禁止の満期に伴いスイス銀行、米国銀行などにより中国銀行株が再び投げ売りされ、その他の国際財団も後に続く可能性があり、中国銀行業は「外資の大逃亡」に直面している。

 *外銀による投げ売りで中国資本銀行株が大下落

 
2008年12月31日、スイス銀行は解禁初日に保有していた中国銀行の株式34億株を売却(Getty images)

1月7日、米国銀行は56億株の中国建設銀行の株式を売却、およそ28億米ドルに達する。同時に、香港の富豪である李嘉誠氏の基金も保有する20億株の中国銀行の株式を売却、およそ40・6億HKドル。また昨年12月31日の解禁初日にはスイス銀行が保有する中国銀行の株式34億株を売却している。この影響を受け、建設銀行の株式は当日8・76%暴落。上場以来3番目に大きな単日の下落幅であった。その他の中国銀行株も大きな下落を見せ、8日も引き続き大幅に下落した。

 中国メディアは、昨年12月あるニュースで米国銀行に建設銀行株を売却する意思があることが伝えられている事や今回、短期間でこれほど巨額の株式を投げ売りし、さらに売却価格も前日終値に比べ11・9%安く、撤退願望が非常に強いことがうかがわれる。

 外資が中国資本銀行から大挙して撤退する原因は、中国銀行の利潤の将来性に対する憂慮によるものと思われる。中国『証券日報』によると、アナリストは米国銀行の今回の持ち株を減らし28億米ドルに換金したことは、資産2兆米ドルを超す米国銀行から言えば大した意味はない。ここにはおそらく中国銀行業の将来性に対する楽観視できない要素が存在し、もし建設銀行の将来性が非常に良いものと見ているならば安易に持ち株を減らしたりはしないはずである。米国銀行は今後、このような建設銀行株の持ち株減らしを数回にわたり続けるかどうか、観察をしているようだ。

 中国の各大銀行の中で、現在売却禁止期間が満期となった外国銀行投資家はまだおり、中国銀行のロイヤル・スコットランド銀行、シンガポールのテマセックホールディング(淡馬錫控股公司)、アジア開発銀行、交通銀行のHSBC及び工商銀行の高盛、アメリカン・エキスプレス等。いくつかの大手外国銀行にも持ち株換金の可能性があり、ロイヤル・スコットランド銀行と高盛が行う可能性が高いと見られているようだ。

 昨秋、花旗、高盛、モルガン・スタンレー等の国際投資銀行は上海の一部不動産を売却し始めていたが、今年の中国資本銀行の株式売却は昨年の撤退行動の延長だろう。

 08年中国株式市場は一年で65%下落。3兆元近い市価が蒸発した。これは世界の主要株式市場の中で最もひどい現れ方だろう。08年米国株式市場は経済大恐慌以来最悪の1年であり、ダウ指数は1年で34%下落。下落幅は依然として中国株式市場のそれとは比べ物にならない。国泰君安証券会社アナリスト・呉永剛氏は、「中国株式市場は現在、緊急事態にあり、大型外商投資家は銀行から撤退し、自信は大いに挫かれてしまった。これは中国共産党政府が最も見たくないものだろう」と話している。

 *コスト大幅増加で外国企業は次々と撤退

 
2008年10月16日、東莞市の失業者が政府建物の前で抗議している様子(APF)

中国で07年から始まった外資系企業に影響する多項目の政策実施は、人民元の高値を含む、輸出税還付の取り消し或いは引き下げ、国土税の徴収、外資系企業と中国企業の法人税率を統一する「両税合併」、税関が徴収する加工貿易保証金及び08年初頭の労働合同法(雇用契約法)などで企業の生産コストを大幅に上昇させたため、外資系企業の中国離れが次々と起こり、珠江デルタでは数万の企業が倒産。出稼ぎ農民の失業問題と帰省ラッシュが起きた。

 08年初頭、珠江デルタでは千カ所以上の靴工場が倒産。一万以上の香港、台湾の企業が撤退し出稼ぎ農民の失業と帰省ラッシュを生みだした。北方では多くの韓国資本企業が山東省を撤退。データによると、03年韓国資本企業で青島から突然撤退したのは21社。その後徐々に増え、04年25社、05年30社、06年43社、07年には87社に達した。

 一部外資系企業は中国生産基地をベトナム中心とした東南アジアの国へ移している。例えば、精密機器生産のオリンパスは広東省東莞市を撤退し、ベトナムに新工場を開設している。同社は深センと広州の工場を一つに統合。ベトナムの新工場でデジタルカメラ部品と内視鏡処置具の生産を開始している。

 08年下半期に起きた世界金融危機により外資の中国撤退現象がますます突出したものになった。08年11月6日、金風科技が米国BP社との風力発電共同プロジェクトに終止符を打った。これとほぼ同時期、原弘産が中国で風力発電事業を展開する現地の合弁会社、湘電風能の全持ち株を湘電集団に譲渡し撤退することを発表した。08年12月17日、ドイツのデュアール社が航空動力から風力発電投資を撤退している。

 中国商務部最新の調査研究報告によると、現在、中国への投資考察団も大幅に減少し、大型外資系企業による増資計画も遅れている。中小企業投資計画は暫時停止、一部外資系企業は撤退の準備をしているという。政府発表のデータによると、昨年11月中国が実際に使用した外資金額(FDI)は53・22億米ドル。前年同時期と比べ36・52%と大幅に下降している。

 *中国輸出と経済の大きな挫折

 中国の経済と貿易は国外販売を主としており、世界金融危機に直面し、外需減速による発注の減少で中国経済は大きく挫折した。

 中国商務部・陳德銘部長は、「中国の輸出の60%近くが直接あるいは間接的に米国、欧州、日本の市場に対するもの」と話し、この3大経済体は衰退し、外資利用の競争はさらに激しいものとなった。09年の輸出形勢は厳しいと強調している。

 中国税関本部が公布した輸出入データによると、11月分の輸出は1149・9億米ドルで2・2%下降。輸入は749億米ドルで17・9%下降している。これは2000年以来の輸出入各項目指標で初めて同時にマイナス成長が現れたものである。また昨年12月、中国の外資準備高も5年来初めて下降した。中央銀行データによると11月、12月に中国から流出した資金は800億米ドルを超えているという。

 また商務部投資促進事務局の于華副局長は広東省東莞市において、「現在の中国輸出型企業と新たに増えるはずのプロジェクトには多くの停滞状況が出現しており、もともとあったプロジェクトも海外発注の減少が現れ始めている。もし積極的な対応措置が取られなければ、東莞のような輸出志向型都市は致命的な影響を受けるだろう」と述べた。

 米国『Modern Chinese Studies』の編集主幹であり、著名な経済学者である程暁農氏はメディアの取材時、外資はすでに大幅に中国から撤退しており、今後しばらくの間、撤退速度はさらに加速するものと話したという。同氏は大陸からの外資の大幅な撤退は中国共産党の全面的な経済崩壊を予告しているものと見ているという。

 
(記者・王珍、翻訳・坂本)


 (09/01/13 22:39)  





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