THE EPOCH TIMES

有害粉ミルク事件:中国当局の逮捕に抗議、被害者家族が断食

2009年01月06日 01時45分
 【大紀元日本1月6日】中国政府は1月1日、三鹿有害粉ミルク事件の「見せかけ」の審理と被害者家族に対して「見せかけ」の賠償を決めた。それと同時に、当局は翌2日に北京郊外で記者会見を開くことになっていた被害者家族を拘束し、北京郊外の大興県労働教養所に連行した。当局は拘束した理由を明らかにしておらず、記者会見の妨害が目的であるのは明白である。この中共当局の暴行に対し、被害者の家族である趙連海さんは断食で抗議している。

 数日前から中国全土が注目している三鹿有害粉ミルク事件の審理が始まった。だが一連の審判から賠償まで、中国政府は一切を掌握し全てをコントロールした。主要な被告人に対し重罪だが軽い刑罰を言い渡し、審判はうわべを取り繕い審理を進めた。逆に被害者家族に対しては監察し、軟禁して、賠償要求訴訟や記者会見をすることを妨害した。中国政府がまた一人芝居を演じ、被害者家族らの望む「公正な審判と賠償」が空々しいものと、中国内外から疑問視されている。

 三鹿有害粉ミルク事件が明るみに出た当初、既にあるメディアは五輪開催保護のため同事件を隠ぺいした中国当局が一番の元凶ではないかと質疑している。今に至っても中国政府は何の責任も取らず、逆にメディアをコントロールし罪を覆い隠しているのだ。現在の審判の中で三鹿グループのために検査を免除した中国政府の品質検査局はどのような責任を負うべきなのか。三鹿の後ろ盾となった石家庄と河北省行政府、中国共産党の代弁者である「中央テレビ局」は数十万人の被害者に対しどのような説明をするのであろうか。

 監視、抑制される被害者家族

 ラジオ自由アジア(RFA)1月2日の報道によると、中国大陸各省から30人の結石ベビーの家族が中共の取り決めた賠償案と司法審理を不満とし1月1日、北京に集まった。北京でメディアの記者会見を計画していたが、現地公安に阻止され20人近くの家族が拘留、取り調べを受けた。

 情報によると、大陸結石権利維持連盟、結石ベビーの家族は数週間前に中国乳業協会に通知を出しており、家族らが北京入りし、同協会と粉ミルクメーカー企業と交流することを伝えていたという。結石ベビーの家族の責任者である趙連海さんはこれを不法な拘束であると考え、すでに絶食抗議を開始し、このことが国際社会に伝えられることを希望しているという。

 北京の権利維持弁護士である黎雄兵氏は、今回の趙連海さんとその他の家族に対する抑制は記者会見を阻止するためのものだと述べ、北京の法学博士・徐志永氏は当局の行為は違法と考えているという。その後すぐに外で外国と中国のメディアが参加した記者会見が行われたが、パトカー3台に監視されたうえ、警察は関与しなかったもののその様子を録画していたとAPF社は伝えている。

 患者の家族達に法律の援助を提供した人権維持弁護士・許志勇氏は、被害者家族らが警察に抑制されたことを伝え、中国政府が彼らに対し良い対応をするよう呼びかけた。また、「彼らの声に耳を傾け、これら罪のない被害者の道を絶ってはならない」とコメントした。

 2日午後8時半、拘束されていた家族は全員釈放された。

 被害者家族の訴えを無視

 2日、北京市街頭で一部のメラミンに汚染された粉ミルク患者の家族が、メラミンの毒性及び人体で起こる後遺症についての研究を直ちに行う事を強く呼びかけた。

 現在、医師たちはメラミンの長期的危害性を予想することが難しいだけでなく、これにより起こる疾病に対してもなすすべがないのが現状である。このようなことは今まで人体に現れたことがなく、ただ患者に大量の液体を補充し、たくさん水を飲ませることしか出来ない。一旦、深刻な合併症が現れたら対処療法を採ることしか出来ないのである。

 専門家はメラミンの人体に対する毒性と動物に対する毒性とでは差異があるのではないかと見ている。以前の動物実験ではメラミンは膀胱結石を引き起こすことだけしか発見されていない。しかしメラミン汚染された粉ミルクを摂取した児童の多くは腎臓結石と診断され、さらには腎臓梗塞、腎機能衰退が起きている。このことからメラミンの動物と人体で生産される毒の副作用のメカニズムはすべてが同じというわけではないと推測されている。

 中国政府はメラミン汚染粉ミルクでは全国で30万人の児童患者をつくりだし、6人が死亡したと伝えている。しかし、ある専門家は被害者の数はこれを遥かに上回っていると考えているようだ。このような大事件であるにもかかわらず、当局はメラミンの毒性に対する調査に深く踏み込まず、犯罪人をただの「低劣な製品の生産罪の嫌疑」で起訴している。外部は普遍的に中共が勝手気ままに罪を犯し、被害者の権益を無視している疑いがあると考えている。

 剥奪される被害者の権利

 前三鹿代表者である田文華は昨年12月31日の公判直前、石家庄裁判所前で百人以上の患者の家族に委託された代理弁護士・許志勇氏と4人の患者の家族の談判を受けた。彼らは訴訟を要求したが拒否された

 許弁護士はメディアに対し、「この拒絶には道理がない」と話し、同氏と家族はすぐに『被害者の権利を奪う事は出来ない、訴訟に参与し公正な賠償をせよ』というスローガンを打ち出した。

 昨年9月に三鹿有害粉ミルク事件が発覚した後、山西、河南、福建省などから被害に遭った児童の家族が河北省石家庄市の裁判所に賠償請求を申し立てたが、裁判所はこの申し立ての受理を拒絶した。理由は、「上層部の指示があり、受理できない」であった。

 実際、政府ははなから民間の賠償請求を許しておらず、全国各地の裁判所は皆、三鹿に対し「司法保護」を実行、三鹿への賠償請求の受理を拒絶している。光明網12月26日報道によると10月末、各地からやってきた9人の患者家族が石家庄市新華区裁判所で三鹿を起訴したが、受理されなかったという。裁判所は理由として「政府の賠償方案を待つ」ことを挙げているそうだ。

 責任の所在はどこか

 昨年12月31日の起訴中、三鹿グループ及び田前代表にかけられている嫌疑罪名が9月17日の時点では石家庄市公安機関、及び外部は「有害有毒食品生産販売罪」と認識していたものが「偽劣悪品生産罪の嫌疑」に変わった。この変化を分析家は当局と犯罪を犯した企業間でなされた「交易」だと指摘している。

 田文華は逮捕前に、「もしあなた方が私を手術するなら、私のこの膿は破られ、全世界に向けて問題を知らせることになるだろう」と警告している。審判後、田の娘である呉晴もブログの中で母親の無実を叫んでいる。彼女は『私の母、田文華は無実の罪を着せられた!』などという題名の文章4編を母親を弁護するために発表し、同時に乳製品業のメラミン添加事件を暴露したうえ、地方政府と監督管理局が何もせず、すべての責任を田文華になすりつける企みをしていることを暗に指摘している。

 告発に対し、田文華は事実であることを認めているという。しかし中央社1日の報道によると、フォンテラのスポークスマンは「ニュージーランド・ヘラルド紙」上で田文華が中国の法廷上で起訴状の告発内容に対し「きっぱり」と自分の無罪を主張したと伝えている。

 先日の報道で、北京政府の握る三元株式会社と三鹿グループおよび石家庄裁判所は、公然と『破産法』と『刑法修正案』中にある「虚偽破産罪」に背いている、すなわち「優良資産を剥離し、虚偽の破産あるいは買収合併、再編し、賠償義務を逃れる」ことにより三元が三鹿を不法買収、三鹿を不法に破産させるというのだ。

 またRFAの評論では三鹿粉ミルク事件はもともと企業、あるいは地方政府職員に責任があると見ている。中南海のすべてに対するコントロールは疑わしい点だらけである。著名な時事評論家・陳破空氏は、「毒粉ミルクの悪例を作り出したのは三鹿グループだけではない。もし被害者が役人を叩き始めたら、責任は次々に追及され、被告席に立つのはおそらく三鹿グループ内の人間だけではなく、石家庄政府、河北省当局、さらには中国共産党中央政府も立たされることになるだろう」と指摘している。

(翻訳・坂本)


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