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道端で宿題をする男の子、「外の方が明るい」

 【大紀元日本4月12日】塗装されていない田舎の自動車道の道端で、ひたすら宿題にいそしむ男の子の姿があった。目の前を通り過ぎる車など全く気にせず、宿題に集中する姿が人々を感動をさせた。この写真はペンネーム「情縁」という人が先月26日に、中国雲陽県清水村で撮影したもの。インターネットに掲載されると、大きな反響を呼び、この男の子に対する問い合わせが殺到した。

 道端で宿題をする男の子

 「彼は近くを通る自動車や通行人を気にせず、排水溝を背もたれ代わりにし、路肩をデスク代わりにして真剣に宿題をやっていた」。写真の横に書き込まれた「情縁」からのメッセージには、1,400回のアクセスがあった。

 書き込みによると、この写真は3月26日午後5時過ぎ、雲陽県清水村にある道路で撮影したという。「情縁」は車で男の子の側を通り過ぎたが、Uターンしてまた男の子を見に来たという。男の子は車が通過するときの音や埃などを全く気にせず、ただひたすら宿題に集中していた。

 この写真について、さまざまなコメントが寄せられた。

 「この子はとてもおとなしくて利口だ。今の社会ではとても珍しい」

 「この写真を見て、本当に気が重くなった。大都市の子供たちの良い手本とするべきだ」

 「ここを通りすぎる車のドライバーたちは、スピードを落としたほうがいい」

 祖父母を頼りに生きる

  男の子に興味を持った記者は、主城というところから車で約400キロの村まで男の子の取材に出かけた。

 雲陽県の中心町から車で約2時間、清水の土家族という少数民族(チベット系少数民族の一つ。湖北省と湖南省に居住し、主として農業を営む。刺繍や織物でも有名)の村の雲峰という学校に入り、男の子の写真を見せると、ある男子生徒が驚いて「この子は張豪(ツァン・ハオ)だ。3年2組の子だよ」と教えてくれた。

 「では、私が彼の家をご案内しましょう」と、張豪くんの担任の瞿(チュイ)先生が微笑んだ。「張豪くんが、こんな有名人になっていたとは思わなかったですね」

 細かい石が敷かれた道を歩いて約3キロ、一棟の2階建てレンガ造りの家が見えてきた。不自由な足を引きずって玄関まで迎えに出てきたのが、張豪くんのお爺さんの張帮徳(ツァン・バンデ)さん。来客と分かり、畑で遊んでいる張豪くんを呼んだ。

 張豪くんの家のドアには、チョークで書いた漢詩の痕がはっきりと残っている。張帮徳さんは、孫が放課後に書いたものだと教えてくれた。

 「外のほうが家の中より明るい」

 今年70歳になる張さんは、孫の張豪くんの話になると、寂しそうな表情を見せた。「この子がまだ1歳の時に、両親が浙江省に出稼ぎに行ってしまい、1年に一度帰れるか帰れない程度だった。孫の世話は家内がやっていた」。張豪くんが7歳の時、両親は離婚してしまったという。

 5分後、張豪くんが恥ずかしそうにリビングに入ってきた。記者と瞿先生がインターネットに載せられた写真のことを説明すると、張豪くんは唇を噛みながら、涙を流した。

 張さんは、「この子は写真を撮った人を、悪人と勘違いしたらしい」と説明しながら、張豪くんを抱きしめて慰めた。張豪くんは、見知らぬ人を見たら、自分で自分を守らなければならないという先生の教えを思い出し、写真を撮られた後すぐ走って家に戻ってきたという。

 張豪くんは泣き止むと、道端で宿題をするのは、外のほうが明るいからだと話してくれた。張豪くんが普段宿題をする部屋には、蛍光灯が一つだけしかなかった。

 両親の話になると泣き出す

 張豪くんが道端で宿題をするのは、すでに習慣になっているという。「日が暗くなるのが早くなると、彼は見えなくなるまで外で宿題をやっています」と張さんは述べた。

 毎朝6時のアラームが鳴ると、張豪くんは必ず時間通りに起き、顔を洗うことや歯を磨くなどの朝の支度もすべて自分で済ませ、一人で学校へ行く。

 張さんは、張豪くんがとても利口で、節約もできると記者に語った。「親戚や私たちがお年玉をあげても、彼は貯金してしまう。今年の春節で、彼の貯金は260元(約3300円)になったよ」。

 午後4時過ぎ、張くんは自分の「露天勉強机」まで案内してくれた。張豪くんは、「ここは普段車の通行が少なく、家の中より明るいし静かなので、雨の日以外はいつもここで宿題をやっている」と説明した。

 教室の中と同じようにきれいで、明るい勉強机で宿題をやりたくないかと張豪くんに聞いてみると、彼は頭を横に振ったが、目は少し寂しげだった。

 インタビューが終るころ、張さんは孫の張豪くんが両親の話題に触れると、すぐ泣き出すということをそっと記者に教えてくれた。

翻訳編集・李露

 (09/04/12 13:53)