【大紀元日本5月17日】2007年2月から4月下旬までの間に9回にわたり株式のインサイダー取引の容疑をかけられたモーガン・スタンレー社の元ベテラン幹部・杜軍(ドゥ・ジュン)氏が、5月初旬に香港入りする際に逮捕された。香港検察側が裁判所に提示した証拠によると、インサイダー取引で得た利益は巨額な数字で、国際社会を驚愕させた。今回の裁判は5週間ほど掛かる見通しである。
「フィナンシャル・タイムズ」5月11日付けによると、香港検察側が起訴したモーガン・スタンレー社アジア地区債券部門元常務取締役・杜軍氏は、2007年、香港証券取引所に上場している中信資源(Citic Resources)が親会社である中国・国務院直属の中信集団(CITC)から、カザフスタン油田の権益を譲り受けたことを知り、8千600万香港ドル(約12億6千850万円)で中信資源の株式をインサイダー取引で取得し、その5ヵ月後、手元にある株式の半分を売却して3千300万香港ドル(約4億8千675万円)の莫大な利益を得たという。杜氏は当時、中信資源がカザフスタンの油田投資に対するヘッジや債券投資の2つのアドバイザーグループのメンバーであった。
杜氏はインサイダー取引のほかに、妻に中信資源企業の株価は近い内に倍に上がると内部情報を流したことも訴えられた。5月4日から審理は始まっているが、検察側が挙げた10項の容疑に対して杜氏はすべて否認した。
今のところ、モーガン・スタンレー社の二人が検察側に対し証言している。一人は同社の国際資本マーケティング取締役常務のビネイ・ジャラム氏で、2年前に中信資源のコンサルティングをしていたコロラドおよびジャンボの2つのグループのメンバーである。
ジャラム氏によると、杜氏は中国大型企業の上級幹部と密接な関係があることから、コンサルティングのグループに参加させたとし、杜氏の主な役割とは、親会社が国営企業である中信資源企業に対してモーガン・スタンレー社をアピールし、取引を獲得することであると証言した。
実際にモーガン・スタンレー社はライバルのベアースターンズ社とカザフスタン油田買収のために、共同で10億米ドル(約1千億円)の債券を発行した。ジャラム氏は同社に入る利益の金額は触れなかったが、高価なコンサルタント料は通常では調達した資金の1〜2%であることに言及したことから、同社は1千万〜2千万米ドル(約10億〜20億円)のコンサルタント料を獲得した計算になる。
モーガン・スタンレー社は2007年5月に証券監督管理委員会に杜氏のインサイダー取引を報告し、同年5月22日より内部調査期間中に杜氏を停職処分にしたが、1カ月経たない内に杜氏は離職した。
香港証券監督管理委員会は過去10カ月間で、計7件のインサイダー取引を摘発し刑事処分を与えた。その内の3人は有期懲役に処され、1人は刑の執行猶予になった。
(記者・田清、翻訳編集・余靜)
|