【大紀元日本6月4日】天安門事件発生して今年6月4日で20年になる。世界各地の民主活動家らは20年周年を迎えるにあたり、中国政府による無差別流血弾圧の犠牲になった学生たちを追悼するため「白衣運動」を発起した。この運動に同調する中国国内の動きが強まる傾向があるために、当局はすでに各部門に対して秘密の裏で指令を下達し、6月4日当日は、学生らの白衣着用を禁止した。
実際に、上海直訴者らは6月4日に全員が白衣を着用し市政府庁舎前で追悼記念イベントを行なう予定だったが、情報を先取りした当局は事前に主要責任担当者とみられる者を拘束または、監視制御した。その上、直訴者らに対して、「三反団体(反共産党、反社会主義、反憲法)」であると警告した。情報筋によると、すでに60人の直訴者が当局に不当に拘束されたという。 | 直訴者・秦裕泰さんに届いた召喚状と拘束通知書(大紀元) |
また、自宅に軟禁された直訴者・蔡文君さんは、「上海は今、白いテロに包まれているようだ。直訴者らが軟禁、監視制御されている。自宅の向かい側に2つの監視カメラが設置されたし、2人の保安警察が常時監視している。当局はさらに、金銭で取引を図る。秦さんはそれに応じなかったから拘束されたのだ」と明らかにした。 | 直訴者・蔡文君さんを監視するために設置された監視カメラ(大紀元) |
上海直訴者らは特に最近では、先日の訪中した米下院ペロシ議長に対する訴え、直訴者らが全員白衣を着用し上海市政府前で座り込みし、人権弁護士・鄭恩寵氏の軟禁を抗議するなどの活動が頻繁に行なった為、当局に「高度に重視」され、重要人物とみられる者を監視制御した。
また、直訴者らが組織した「冤民大同盟」の代表は以前欧州連合で公聴会を開いたことと、上海世界博覧会に出展するフランス館に対して訴えたことに恐れを感じ、直訴者らが持っている香港・マカオへの通行証やパスポートをすべて取り押さえた上、創始者を拘束する動きも出ているという。中国当局は6月4日の前から異見者や人権活動家へのコントロールは一層厳しくなった。
一方、当局は民衆間の情報伝達を断つためにインターネットへの制御も強化し、5月28日に2万6千人のQQグループとネット使用者のブログを封鎖した。5月29日、四川省大地震で校舎倒壊で犠牲になった子どもたちを調べてブログを公開した北京在住芸術家・艾未未氏のブログを含むさらに多くのブログが当局によって封鎖された。
情報筋によると、趙紫陽前中国共産党総書記の秘書・鮑彤氏は地方へ移動させられた。北京独立作家・江棋生氏は2度にわたり家宅捜査された上、警察に厳重に監視制御を受けている。天安門事件の被害者家族ら、中国国内各地の異見者、人権活動家、人権弁護士などなど多くの民衆が中国当局に行動および情報伝達することを制御されている。
中国当局の厳重な警備の中、天安門事件被害者家族128人は海外の人権団体「中国人権」を通じて、中国政府に対し「天安門事件」への再調査・再確認の公告を出す呼びかけを発表し、それぞれの被害者と遺族に対して個別案件としての責任追及・法的制裁を提出することを求めた。
(記者・古清児、翻訳編集・余靜)
|