9か月妊婦に強制流産、母子ともに死亡=山東省
【大紀元日本6月22日】中国大陸では強制流産による殺人事件がたびたび発生している。先日山東省聊城市冠県に住む妊娠9か月の女性が産児制限に違反しているとして、産児制限事務所の幹部20数人によって強制流産が行われた。結果、母子ともに死亡。中国当局は家族に21万元の賠償同意書へのサインを強制し、遺体をすぐに火葬したという。このニュースは新聞には載らなかったが、その場に居合わせた医師がネット上でその事件を公表した後、ネット上であっという間に広まり、事件に対する怒りが炎上した。
立ち会った医師の話
事件の起きた聊城市冠県にある病院の医師がネット上で伝えた事情によると、数日前、同県で産児制限事務所が産児制限政策に違反した妊娠9か月の妊婦を病院に連行し、強制的に流産させたという。当時、事務所の幹部が20数人いたが、この妊婦の家族は一人もいなかった。妊婦は全身の力を振り絞ってお腹のわが子を守ろうとしていたそうだ。
この医師は、胎児がもしこの時に生まれていたら完全に生存能力があったと話している。当時妊婦が必死に抵抗する様子に、現場にいた良識ある人々は皆心を痛めていたが、当局の政策の前では無力であったという。
6,7人の体格のいい男性が妊婦をベッドに押しつけ、薬を注射した。彼女は全身の力を振り絞り逃れようとしたが、2度3度と注射され、とうとう逃げることはできなかった。そして6月12日早朝、この妊婦は腹痛を感じ、午前5時50分胎児の遺体を産み落とした。胎児は薬により既に母親の体内で死亡していたのだ。
この後すぐに胎盤が出てきて妊婦が大出血を起こしたため、医療職員は救護の手を尽くしたが、結局彼女の命を救う事はできなかった。
「しばらく止血していたが、出血が止まらなかった。続いて羊水塞栓症を起こした。容体悪化はあまりにも速く、我々は彼女の命を取り留めることはできなかった」
病院で常に人の生死に直面している医師が、あまりに惨い光景に、「なんとかわいそうな母親、かわいそうな子供でしょう。神様、見て下さい。これはどういう世の道理でしょう。あまりにも残酷非道ではありませんか!」と嘆いたという。
事情を知る人物によると、事件発生時、妊婦の夫は外でドライバーをしており、衛生局は同県防疫局で仕事をしている死者の兄にこの事件の処理をさせたという。
家族は同意書にサインを強要され、遺体は当日焼却
事件発生後、死者の家族と数人の村民が保健院で抗議したため、当局が大勢の警察を出動させた。死者の夫である李さんは先週木曜、Radio Free Asia(RFA)に対し、「我々を管轄する公安が全て出動し、私にサインを強要した。私は同意せず、泣き、事件に対する不満を表した。妻は罪もないのに死んだ。この副県長は良心のかけらもない。彼はもし私がサインしなければ公安を使って強制させ、遺体を探すこともさせない、と話した。とても悔しい。子供はあと数日で生まれるはずだった。妻まで死んでしまった。」
これと同時に当局は、政府の部門で働く死者の親族にも圧力をかけ、自由を制限した。15日月曜の午前、夫は仕方なく21万元の補償同意書にサインし、遺体は当日火葬された。
夫である李さんはRFAの取材に対し、金銭的賠償は決して望んでおらず、関係者の刑事責任を追及し、罪もなく死んだ妻と子に正義を取戻すことを希望していると話した。「お金のためではない。妻と子は罪もないのに死んだのだから、彼らに法律で責任を負わせたい。なぜ家族がいない間にこんな事が起きたのか。私はドライバーで、当時山西省に出かけていた。妻は、私が帰るまで待ってほしいと頼んだのに、彼らは許さなかった。妻はどれほど辛い目に遭ったことだろうか。」
ネットユーザーらも憤慨
この悲劇が中国大陸のネット上で公表されると、怒りや不満が寄せられた。「天涯論壇」ではあるネットユーザーが、「最後には某党は取り調べ台に送られるだろう」と非難、またあるユーザーは、「この事件もケ玉嬌事件と一緒だ。すぐにネット全体に広めて亡くなった人のために正義を求めよう」と呼びかけた。
「暗く、独断的で、非道で、残酷で人道をわきまえない社会の中、正義の力は何とちっぽけなのだろう。正義の叫び声はこんなにも微弱だ。子供を産むのに、まだあいつらの許可が必要だ。あいつらは何様だ。国家の鋭利な武器を独占し、人々を抑圧し、搾取し、血を搾りとっている。彼らに罰が当たらないはずがない」など多くの不満が寄せられている。
(記者・薛飛、翻訳編集・坂本)
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