 | | 政敵を消滅させる方法は、友にすること=2009年2月12日、リンカーン記念館で(KAREN BLEIER/AFP/Getty Images) |
リンカーン大統領が示した寛容の力
【大紀元日本7月1日】エイブラハム・リンカーンが大統領選直前、米国上院で演説するときの出来事だった。ある上院議員が「リンカーンさん、演説を始める前に、自分は靴職人の息子であることを思い出してほしい」と嫌みを言った。
リンカーンは「父を思い出させてくれたことに深く感謝します。父はすでにこの世を去りました。私は必ずあなたの忠告を覚えておきます。大統領として、靴職人である父のように責務を完璧に全うできないと分かっていながらも」と静かに語った。
演説会場は静まり返った。
リンカーンはその傲慢な上院議員に視線を向け、こう語った。「私が知る限り、父は以前、あなたの家族のために靴を作ったことがありました。もし、あなたの靴が足に合わなければ、私は矯正してあげます。私は一流の靴職人ではありませんが、小さいときから父に靴作りの技術を教わりました」。
そして、上院議員全員に向けて、こう話した。「ここにいる皆さんも同様です。もし、あなたたちが着用している靴は父が作ったのであり、そして、修理あるいは矯正の必要があるならば、私はできる限り手を尽くします。しかし、一つだけ確かなことがあります。父の技には誰も勝てないのです」
その瞬間、すべての嘲笑が真摯な拍手に変わった。
リンカーンは大統領選に勝利した。あるとき、その政敵に対する態度が一変して友好的になったことを非難された。「なぜ、大統領はいつも、政敵を友に変えようとするのですか。手を尽くして相手に打撃を加え、消滅させるべきではないでしょうか」という批判だった。
「我々の目的は政敵を消滅させることではない。私たちが友になったとき、もちろん、政敵は存在しなくなる」とリンカーン大統領は穏やかに言葉を返した。
リンカーンは二期連続で大統領を務め上げた。
米国首都ワシントンDCにあるリンカーン記念館の碑文には次のように書かれている。
「如何なる人に対しても、悪意を抱かない。すべての人々に寛容と愛を捧げる。そして、必ず正義を堅持する。なぜなら、神が私たちに正義を与えてくださったからである」
リンカーンはまさしく寛容の力を示してくれたのだ。
(翻訳・叶子、編集・佐藤)
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