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【劉伯温の寓話】サルたちの覚醒

文・陸文

 【大紀元日本8月10日】明の時代の政治家、思想家・劉伯温(1311-1375、名は劉基、字は伯温)が著した『郁離子』に次の寓話を記している。

 昔、楚の国にサルを飼うことで暮らしている人がいた。その国の人々は彼を狙公と呼んでいた。この狙公は毎朝、サルたちに仕事を割り当て、ある年寄りのサルを遣わし他のサルたちを連れて山の果実を採ってくるようにと指示していた。彼はまたこう決めた。サルたちが採ってきた果実をそれぞれ十分の一ほど徴収して自分用にして、もし逆らう者がいれば死ぬまで鞭撻するということであった。サルたちは誰もかも彼のことを怖がって、長い間苦しめられていたにもかかわらず、逆らう勇気がなかった。

 ある日、ある勇敢な子猿が突然、仲間たちに聞いた。「山の果樹は狙公が植えたのか」。仲間たちは「いいえ、それらは自生のものだ」と答えた。子猿はさらに「もし狙公がいなければ、われわれ誰しもその果物を採ることもできないし、採れないというのか」と聞いた。「いいえ、われわれは誰しも採ることもできるし、また採れるのだ」と、サルたちは口々に答えた。子猿は話を続けた。「そうだとすれば、われわれはその狙公にこき使われる必要がないのではないか?」 この話が終わるや否か、サルたちはみなはっと悟った。

 その晩、悟ったサルたちは、狙公が寝た後に彼らを監禁している柵を壊し、そして狙公の積んだ果実をも持ち去り、林の中へ一目散に逃げて行った。それからというもの、サルたちは二度と帰らなかった。

 そうして、その狙公はついに飢え死にしてしまった。

 郁離子は曰く、「世の中には、手段をもって民を支配し、道義や法律を講じないものがいる。こういった人はおおむね狙公の件のごとく、民が一時的に愚かであったため目覚めなかったが、いったん誰かに諭し導かれたら、いかなる狡猾な支配者でもその権謀はもはや効かなくなるのだ」

(翻訳編集・小林)


 (09/08/10 14:15)  





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