【大紀元日本10月28日】
米アラスカ沿岸領域の海水が二酸化炭素(CO2)を大量に含み、熱帯水域を遥かに上回る速さで酸性化が進んでいる、これにより海洋生態と46億米ドルを超える漁業資源が危機に直面していることが最近の研究で明らかになった。
AP社によると、アラスカ大学フェアバンクス分校の海洋化学者ジェレミー・マティス(Jeremy Mathis)教授がアラスカ周辺海域の海水の調査を行い、熱帯地区の海水よりも酸性度が高いことを発見した。これは冷水のほうが暖かい水よりも吸収した気体を発散しにくいためで、アラスカ沿岸の海水の酸性度が高いのは、この海域は広大な大陸棚の浅海域の為、海水は温度の低い深層海水と混ざりやすく、より多くの二酸化炭素を含有すると考えられる。
別の要因として「Biological pump(生物間輸送)」が考えられる。アラスカ海洋の豊富な植物プランクトンが光合成を行うことにより二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素を放出する。これらの植物プランクトンが死んで海底に沈み、分解されると大量の二酸化炭素成分(CO2)が海水中に蓄えられ、アラスカ浅海域の海水の酸性化を加速させる。
また二酸化炭素(CO2)は海水に溶け込む過程において炭酸を形成し、海水中の炭酸カルシウムを減少させる。この炭酸カルシウムは海洋生物が甲殻および骨格を形成するために必要なミネラル成分である。アラスカ湾のミネラル成分の含有量は非常に低く、カニやそのほかの有機体を含む有殻生物は堅い甲羅や殻を作ることができない。
海水の酸性化は裸甲殻類(ハダカカメガイなど)にも影響を及ぼしている。これらは食物連鎖の基層に位置し、ベニザケの餌となる生き物の半分がこのハダカカメガイだという。ハダカカメガイの少ない年は成体ベニザケの体重が2割少なく、このことから海水の酸性化はアラスカ海域において重要な経済価値をもつ漁業資源に密接な影響があるといえるだろう。
研究員はアラスカ漁業管理機構に対し海水における酸性化の研究論文を提出し、二酸化炭素(CO2)の排出量削減について早急に行動をとるべきと警告している。
(翻訳編集・坂本)
(09/10/28 05:00)
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