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豪州資源開発探査大手のライナス社と中国有色鉱業集団の会社ロゴマーク

レアアースの輸出制限に懸念 各国が「脱中国」を図る

 【大紀元日本10月4日】ハイブリッド自動車のバッテリー、風力発電機、光ファイバー通信、太陽光パネルなどを含む電気・電子機器に欠かせないレアアースは、世界産出量の95%以上が中国にある。レアアースの埋蔵量が世界一(約3600万トン)の中国は、今年4月「国内産業を保護」を理由に、レアアースの輸出量制限を実行した。将来供給不足を強く懸念する各国が相次ぎ自国でのレアアース開発プロジェクトを開始し、さらに輸入先を中国から他の国に移しつつある。

 レアアース埋蔵量が世界2位(約1600万トン)の米国では、衆参両議院が国防省に対して、米軍の一部の武器製造がほぼ中国産出のレアアースやレアメタルに依存している現状を再検討するよう求め、国防予算関連法案を修正している。

 米国に本社を置くレアアース採掘大手のモリコープ・ミネラルーズ(Molycopy Minerals)社は、カリフォルニア州にあるマウンテンパス鉱床のレアアース採掘を再開している。1990年代米国が中国から低価格でレアアースを大量輸入し、市場が供給過剰となったため、同鉱床は閉鎖された。報道によると、マウンテンパス鉱床のレアアース埋蔵量は430万トンに達する。

 一方、埋蔵量世界3位の豪州では、探鉱大手ライナス(Lynas )社とアラフラ・リソーシス(Arafura Resources)社がそれぞれ、すでに同国の西オーストラリア州中央部「マウント・ウェルドレアアースプロジェクト」と北部のノーザンテリトリー州「ノーランス・レアアース・プロジェクト」開発に着手している。両プロジェクトを合わせて、今後年間4万トンのレアアースが産出される見込み。

 豪州政府の外国投資審査委員会(FIRB)は9月24日、中国有色鉱業集団によるライナス社への買収申請について、中国有色に対して出資比率を50%以下に抑えるとともに、送りこむ取締役の人数を全体の半数以下にするよう求めた。これを受けて、中国有色はライナス社への買収を断念したという。中国有色は今年5月、ライナス社との間で、同社株式の51%を2億5200万オーストラリアドルで獲得することで合意していた。

 これまで、中国有色は豪州政府当局に対して、買収申請を3回も求めたが、審査結果公表の延期が繰り返されていた。関係者は、豪州政府は中国企業の買収案による世界レアアース生産構造への影響を強く警戒していると分析する。

 また、その他の主要レアアース産出国であるカナダ、インド、ロシアと南アフリカもそれぞれレアアース鉱山開発を行っている。

 日本では、人気のハイブリッド車「プリウス」を生産するトヨタ自動車グループ企業の豊田通商は9月上旬に、2010年後半からインドからレアアースを輸入する権利を獲得したという。また、新たな供給先として、豊田通商は昨年末にベトナムとの間で、鉱山開発に関する提携を結び、2011年から年間5000トンの供給が可能となる。また、住友商事は8月上旬に、カザフスタンの国営原子力公社のカザトムプロム社とウラン鉱石残渣からレアアースを回収することで合意したと発表した。

 AFP通信社によると、通産省資源エネルギー省は日本の先進技術産業の競争力を保護する目的で、20年間実施してきた金属資源保障政策を修正し、日本のレアアースを含むレアメタルの貯蓄量を拡大する方針で調整しているという。

(報道・張哲)

 (09/10/04 10:13)  





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