THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(13)

2009年11月30日 05時00分
 【大紀元日本11月30日】

 幼稚園(1992~1994年) おとなしい子

 5週間の日本滞在から戻り、母親にだけまつわりついていた時期に、物を指して、マミーの言葉とダディーの言葉の両方を与えたら、「アン、マミーの言葉」という答えが返ってきた。すっかり日本人としてのアイデンティティーが確立してしまったようだ。

 そんな状態の続く中、週に2回の幼稚園生活が始まった。日本語が消えてしまわないように、幼稚園に行かない日は、家で工作をしたりして、日本語環境を作るようにした。

 しかし、幼稚園で顔を合わせる子達は、マミーの言葉は話さない。みんなダディーの言葉を使っている。こっちの方が楽しい。というわけで、これまですっかり無視していた父親に対する娘の態度が豹変した。幼稚園では一言も話さないけれど、ダディーを練習台として、英語の単語を並べたり、片言で文を作ろうとし始めた。というわけで、今度はダディーにべったりになった。

 さらに興味深かったのは、家に帰ってから、ぬいぐるみをいくつか並べて、一人で幼稚園ごっこを始めたこと。全く意味不明な音を出して、ぬいぐるみに話しかける。抑揚は英語だが、言葉にはなっていない。しかし、「ぺらぺらぺらぺらI like it.」のように突然英語が混じる。なるほど、分かっても分からなくても、こうやって音から身につけるんだと感心した。この「ぺらぺら」という意味不明の部分が少しずつ減ってきて、最後は英語だけの思考になるわけだ。

 1学期の最後の日、先生に様子を尋ねたら「3カ月間、ひと言も話さなかったけれど、今日、私のところに寄ってきて、脇の下をちょんちょんとつついてくれたの。慣れたんだなと感じました」とのこと。大切な時期、マイペースで環境に入れるように見守ってくださった先生に感謝している。

 (続く)

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