印刷版   

長年の環境汚染に苦しむ広東省肇慶市懐集県懐城鎮龍湾村の村民の訴えは聞き入れられず、現地メディアも政府の干渉を受け報道することができない。

鉄鋼工場汚染 降り注ぐ金属粉に苦しむ村民=広東省

 【大紀元日本11月17日】広東省肇慶市の村では、数年にわたり、鉄鋼工場から排出される金属粉や硫化物によって、深刻な環境汚染を受けている。このため村民は工場閉鎖を求め何度も抗議を行っているが、現地政府の弾圧によって失敗に終わっている。

 汚染を受ける龍湾村は、広東省肇慶市懐集県懐城鎮に位置する。同村で2005年に建てられた嶺南鉄鋼工場が製錬時に排出する金属粉と硫化物は、砂嵐のように村や水田、農作物に降り注ぎ、9つの自然村に住む2千人、水田300畝(1畝(ムー)は6・667アール)、田畑の農作物100畝に被害を及ぼしている。また、工場からの大きな騒音は、500m以上離れても聞こえるそうだ。

 村に住む潘さんは、汚染がひどく、放出された粉やほこりが村に降ってくるので、窓を開けることが出来ない。現在、多くの村民が鼻咽ガンや肺癌のようなガンにかかっていると訴える。

 深刻になる一方の汚染は、村民の生活や生産にきわめて大きな危害をもたらした。村民によると、窓は毎日堅く閉ざし、井戸水は飲むことができない。もともと肥沃だった田畑は年々干上がっていく。野菜、果樹、竹林の葉には金属粉が厚く積もり、村民はマスクを着けて稲刈りをしているそうだ。野菜を自由市場で売ろうとしても誰も買おうとしない。雨が降っていなくても、子供たちは傘をさして出かけなければならないし、大きな騒音のために夜も眠れない。多くの村民は病気で、神経失調、骨軟骨症やガンなどに罹っている人もいる。

 汚染を止めるため、村民らは代表者を出して、工場の生産を停止し改善整理した後再び稼働するよう工場側に求めたが、取り合わなかったという。仕方なく工場の前で何度か抗議を行ったが、毎回現地政府の弾圧を受け失敗に終わっている。信訪局と環境保護局に陳情したが、回答はない。

 潘さんによると、「メディア記者に取材を申込んだが報道されなかった。この件は政府職員に圧力をかけられ、記者も買収されてしまっているのだ。村人全員が身体検査を受ける必要があるが、お金を出せない状態」だという。

 記者はこの件に関し、県政府と肇慶市環境保護局に処理状況を尋ねたが、はっきりとした回答は出されなかった。

 問題のこの工場は昨年一旦生産停止した後、工場主が2度変わり社名も変わっている。

(記者・古清児、翻訳編集・坂本)


 (09/11/17 07:28)  





■関連文章
  • 10省で濃霧発生 各地で交通の乱れ=中国(09/11/10)
  • 土地強制収用、官民流血衝突=広東省韶関市(09/11/09)
  • 中国、年間20か所の湖が消失=世界湖沼会議(09/11/06)
  • 解放軍指導部前、元軍人らが集団請願 激増する軍関係者の群衆事件=北京(09/10/29)
  • 人気時事誌『南風窓』、社会問題提起でサイト停止=中国(09/10/28)
  • 障害新生児が急増 環境汚染の影響か=中国(09/09/17)
  • 集団抗議事件急増 中共中央、新たな安定維持策を整備(09/09/16)
  • 銀行従業員、リストラに抗議デモ=中国甘肅省(09/09/15)
  • 中国、直訴制度を廃止へ=北京への陳情者阻止、60周年式典の治安強化策か(09/08/23)
  • 緊急シンポジウム「ウイグルで何が起きているのか?」:期待するのは「毅然とした日本」(09/07/29)
  • 真っ赤に染まった河川、工業廃水が原因か=広東省(09/07/24)
  • 広州で黒人200人が派出所を攻撃=広東省(09/07/19)
  • 新疆ウイグル自治区:大規模抗議集会、死傷者多数か(09/07/06)
  • 高校生の叫び「なぜ、私たちが怒ったのか」=湖北省石首市集団抗議事件の背景(09/07/04)
  • 広東省行政幹部、巨額補償金流用、農民数千人が集団抗議(09/06/29)