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成語故事

一諾千金(いちだくせんきん)

史記・季布伝の物語

 【大紀元日本11月8日】

 漢の時代、楚国の人で季布(きふ)という者がいた。季布は人を助けることを楽しみとし、「諾」と一言いった以上、その約束は必ず実行したことから、評判が高かった。

 一方、同じく楚国の人で曹丘生(そうきゅうせい)という口の達者な男がいた。曹丘は、権力欲・金銭欲が強く、時の皇帝であった景帝の母方の叔父にあたる竇長君の許に親しく出入りしていた。

 曹丘は季布が高官になったと聞き、竇長君に季布を紹介するよう依頼した。竇長君は、季布が曹丘のことを嫌っていることを知っていたため、会いに行くのを断念するよう勧めた。しかし、曹丘はしつこく季布への紹介状を書くよう依頼し、竇氏は難色を示しながらも引き受けた。

 曹丘はすぐさま紹介状を持って季布に会いに行った。曹丘は、季布が現れると深々と礼をし、「楚国に、『季布の承諾の一言は、黄金百斤より勝る』という諺があります。あなたの名声が梁(りょう)、楚(そ)の一帯に広まったのは、すべて私が吹聴したからです。もともと、私とあなたは同郷人であり、私があなたのことを天下に吹聴して回れば、あなたはますます有名になりましょう」と話した。それを聞いて、初めは曹丘を嫌っていた季布も、すっかり喜んでしまった。

 季布は曹丘を賓客としてもてなし、数カ月も家に引き止めた後、帰る時には曹丘に手厚い贈り物を渡した。その後、弁の立つ曹丘は季布のことを遊説し続け、季布の名声はますます天下に伝わった。

 後に、「季布の承諾の一言は、黄金百斤より勝る」という言葉から「一諾千金」という諺が生まれた。一度承諾したことは千金の重みがあり、約束を重んじなければならないことのたとえとなった。

 正見ネットより

(翻訳編集・豊山)


 (09/11/08 05:00)