THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(15)

2009年12月28日 05時00分
 【大紀元日本12月28日】

 幼稚園(1992~1994年)  日本からのビデオ

 幼稚園で英語をどんどん吸収していく中、娘の日本語を維持させるためには日本からのビデオが欠かせなかった。(日本語衛星放送もちょうど始まった頃だったが、特に人気の子供番組を放送してくれるわけでもなかったので、実家の母に頼んで、いろいろと子供番組を送ってもらった。)

 娘が良い子供番組をじっくりと見てくれているひとときは、私にとってはリラックスの時間。私が「コケコッコー」と繰り返さないでも、日本語環境に浸ってくれているのだ。

 ビデオは日本のテレビで放映された子供番組や映画などを録画して送ってもらった。日本の休みの期間になるとディズニーの古い映画などが放映されたようで、ありがたくこちらで利用させていただいた。

 中でも優れものの映画は「ダンボ」。当時でさえ古い映画だったと思う。吹き替えの日本語が実にこなれていて、英語からの翻訳とは思えない台詞で、声もぴったりだった。英語圏では体験できない様々な階級の口調が凝縮されていた。

 耳の大きなダンボを生んだジャンボは、サーカス団の象からのけ者にされる。「今後、ジャンボさんとは、一切、口を聞かないことにしましょう」と象のおばさまたちが、鼻をツンと持ち上げる。丁寧な言葉が生み出す冷たさがうまい。そして、サーカス団の人間たちが酒を飲んで「やあ~よっぱらった~、よっぱらった~」というのは、典型的な労働者の口調。ネズミのティモシーは、近所の世話好きなお兄ちゃん。ダンボの飛行レッスンを見守るハゲタカたちは、学校の先輩とでも言えようか。

 そして、檻に入れられた母親の鼻に抱かれ、揺られるダンボ。仲睦まじいジャンボとダンボの愛情のシーン。これには言葉は要らない。娘は好んで何度も見ていた。私も、何度も見せていた。

 (続く)
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