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【診療日誌】お金持ちの患者が残した人生の遺憾

文・李徳孚

 【大紀元日本12月18日】

 この患者さんが私の診療所に来たときは、すでに手遅れだった。彼は癌で再発しており、既に全身に転移していた。病院の診断ではあと2週間から4週間の命だと言われたが、私の所で診療し始めてから亡くなるまで、彼は6カ月生きた。これは保険会社の人々を驚かせた。以下がこの患者さんから残された言葉である。

 「私は大型旅客機メーカー・ボーイング社を定年した後、自分でレンタル飛行機会社を作った。会社は2機の飛行機から48機まで発展した。飛行機は世界各地の商用と民間飛行機会社にレンタルしていた。私の稼いだお金はコンピューターで計算しなければならないほどだった。

 数年前の私は非常に忙しくて、感謝祭やクリスマスは殆ど飛行機の中で過ごしていた。家族の誕生日でさえ顔を見せることはほとんどなかった。彼らは私からの巨額の小切手を受け取るだけだった。そのため、今私が発病した後、それを聞いた子ども達はあたかも同僚が病気になったかのように、同情はしてくれるもののそれ以上のものはなかった。まるで、彼らと無関係のようだ。

 時に私は街のホームレス達のことを羨ましくさえ思うことがある、彼らは本当に幸せである、何故なら、健康な身体があるから生活は楽しく、病気や痛みもなく生きていくことができる。

 私は先生のような知恵にとんだ職業をしていることを羨ましく思う。人のために痛みを取り除いている。それに比べて私の蓄えた財産は諷刺されている。運命は私を嘲笑っている。私はまるでピエロである。人生という舞台で思う存分恥をさらしてきた。そして、観客は誰一人として私を賞賛し、拍手する人はいなかった。

 私はずっと、家族に幸せをもたらしていると思っていたが、彼らは決して幸せではなかった。私の息子の誕生日の願い事は、お父さんに帰ってきてほしいことだった。彼らが私に求めていたのは小切手ではなく私自身だった。それを聞いた私は、彼らが愚かであると思った。妻が病気になった時も私は国外にいた。

 今私を必要としている人は誰もいない、何故ならば私は既にお金で彼らを遠くの方に追いやってしまった。そして、二度と取り戻すことはできない。今、私が彼らを必要としている時、彼らは私に対して同様の方法で小切手を一枚くれたが、それも私のお金である。私が稼いだお金である・・・」

 この患者さんはこのように沢山の遺憾を残して亡くなった。

(翻訳・鈴木真弓)


 (09/12/18 05:00)  





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