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【高雅な趣味】 茶の世界の天・地・人

 【大紀元日本12月15日】

 古い諺に「文章、風水、茶、精通するのは至難の技」があり、お茶の持つ博大で奥深い文化性を物語っている。台北の著名な茶の専門家、詹勳華氏は30年間、日々茶を焙煎し、味わい、考究し続けてきたが、茶の奥深さを知った故に自分の知の限界を知り、茶の世界については、自分の知識は穴だらけの壷のようだとおっしゃる。

 古代の高度な茶文明から、現代の盛んな茶文化、さらに未来に至るまで、茶の世界には「天(神からの恩賜)・地(大自然から栄養を吸収)・人(淹れる人の人柄を反映)」三才の思想が貫く。茶はまさに「天地人」三位一体の結晶だと言える。

 神農の発見、神の恩賜

 唐代(618~907年)に「茶聖」と呼ばれた陸羽の『茶経』によると、紀元前2700年前に「神農」という神がお茶を発見したという。神農は中国最古の薬物書で漢方の古典と呼ばれる『神農本草経』を著し、漢方薬の祖とも言われていた。神農の腹部は水晶でできており、食べたものの様子が分かるそうで、いろいろ食べて人間に何を食べていいのかを教えていたといわれている。毒草に当たった際、解毒としてお茶を飲んでいた。また、お茶を飲んで気分爽快になることに気づいた神農は人々にお茶を広めたという。

 鉄観音、大紅袍、龍井、碧螺春など数々の銘茶は、皆野生の母樹から由来し、数百年、数千年の年月を経て、先人の偶然な出会いから、無数な試みを経て、今の「茶の名品」に発展したのである。

 大地の恵み

 神から賜られたこの素晴らしい植物は春に芽が生え、日月、星、雲、霧、露、植生、土壌から天と地の微量元素を吸収し、製茶過程で何度も手をかけられ、一流の茶作り職人に手にかけられ、やっと極上のお茶が生まれる。お茶の優れたところは、薬ではないが、体調を整える効果を持つことである。茶は現在も、漢方養生の一つとして捉えられている。

 1983年に中国国内で発表された医学論文によると、当時の科学技術で既に茶葉に450種類以上の有機物質と20種類以上の無機鉱物が含まれていると分かったという。中にカテキン(ポリフェノールともいう)、カフェイン、テアニン(茶にしか含まれないアミノ酸)、ビタミンC・A・B群・E、ミネラル類などの成分があり、人体機能を働かすのに重要な役割を果たしている。

 茶の主成分である「カテキン」にウィルスを抑える抗ウィルス作用があるため、インフルエンザ感染予防にも効果があるという。お茶の産地である静岡県のある小学校では、インフルエンザが猛威を振るう11月から2月くらいまで、緑茶うがいを励行し、インフルエンザの感染率を抑えることに成功している。

 擇茶、選水、候火、配具、環境、品飲者

 数千年前の茶通達は既にお茶を究める為に、「擇茶、選水、候火、配具、環境、品飲者」と挙げ、良い茶葉に恵まれ、次は最適の水、火の沸かし方、使う茶道具、場所(環境)、そして飲む人の素養のどれも重要だと言われてきた。

 茶葉の味は採取時の節気、天候、時間に左右されている。春は茶摘みに最適の季節で、茶葉の香り、味、含有する物質はいずれも最高の状態に達している。茶の匠たちは事前に茶摘みの日にちと時間を計算して決めているという。五日間好天候が続いている日は茶摘みに最適だといわれている。

 水によって茶湯の色、香りと味が変わる。良いお茶があっても良い水がなければ、美味しいお茶を煎れる事ができない。古代では、天然で上質の泉水または露を手に入れてから、はじめて茶道が始まるという。

 お茶に使う水は強火で沸き、沸いたら直ぐに火を止めるべきだと古くから先人達が説いている。沸き過ぎると水が「老ける」ので、美味しいお茶を点てる事ができない。「水老」もしくは「死水」と呼ばれている。老けた水、死んだ水なので、当然おいしくない。

 お茶の魅力を余すところなく、最大限に引き出し、充分に味わうためには、器にもこだわりたい。茶器はお茶の味や雰囲気を引き立てる大切なもので茶の種類や好み、季節に応じて選べれば、もう言うことはないだろう。お茶の味や香りも染み込んでいく為、1つの茶壷で1種類の茶葉を専用に使用していくとより一層お茶の味も深くなり、茶器を育てていく過程でもある。

 明代の茶の名人である陸樹聲は著書の『茶寮記』で、茶を楽しむ理想的な環境として、涼み台、静室、明るい窓際、渓流、僧院、道院、松風、月光下の竹林、思いに耽る、詩を吟ずる、知己との清談、読書」などを挙げている。

 「茶品如人品、品茶如品人」(茶の味から淹れた人の品格が分かる。茶を嗜むことはその人柄を知る過程でもある)のように、古代の文人は茶の精神性を重要視し、お茶から淹れた人の性格と人柄がわかるという。

 ある先生は予め水筒に入れたお茶を二人の学生に器に注いでもらい、それを飲み比べる実験を行った。一人目は先生の「お茶を注いでみたい人?」という呼びかけに元気よく手を挙げた男の子。二人目は先生が指名した、いつも礼儀正しく物静かな女の子。六人の生徒が飲んでみたら、味が違うと口々に言う。男の子が淹れたお茶は甘味があって生き生きと柔らかい味わい。女の子のお茶はすっとしているけど後味がちょっと渋い。女の子はかなり緊張したそうで、緊張が味に出てしまったようだ。

 茶事の過程は身を修め、心を清らかにする過程でもある。同一の人でもその日その日の精神状態によって淹れたお茶の味が違い、また人間は日々変化するもので、いつかあなたにも人生最高に美味しいお茶を淹れられる日が訪れる。

(翻訳・張頴)


 (09/12/15 05:00)  





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