THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(16)

2010年01月04日 05時00分
 【大紀元日本1月4日】

 幼稚園(1992~1994年)  「お名前が三つあるの」

 子供は言語の性質に鋭敏だ。当時、2歳児の女の子に、絵本を見せ、「犬だよ」というつもりで、「doggy」(dogの幼児語)と言ったら、きちんと「dogs」と訂正された。もう一度、絵本をみたら、あら本当。犬は2匹いる。まず単数形の単語を覚えて、それから、複数だから「s」をつけるという私の英語習得過程とは大違い。数が一つ以上あったときに「s」がつかないと、気分的にしっくりこないようだ。英語を母国語とするネイティブ・スピーカーは、こうやって形成されていくのかと気付かせてもらった瞬間だった。

 娘が、「アン、お名前、三つあるの。アン、アンヌ、あや(娘の日本語名)」と語ってくれたことがあった。日本語と英語の二つの名前だけをつけたはずだったのに、意外なコメントだった。日本人が発音する「アン」は最後に「n」を発音しない。イギリス人が発音する「Anne」は最後に「n」をつけるので「アンヌ」に聞こえるわけだ。私の耳では違いが存在することまで察することはできなかった。

 ひらがなを見せて、一つの文字に一つの音があることを示すことで、この「アン」と「アンヌ」の違いも確認されていった気がする。 ひらがな絵本、ひらがなパズルなど、何でも入手できた物を有り難く使わせていただいた。

 日本から送ってもらったスポンジ製のひらがなパズルは、梱包に風呂場のタイルで遊んでいる子供の写真があったが、家のバスルームにはタイルがない。考えたあげく、子供部屋で、オーブンの鉄板の下にビニールを敷いて、水に浸したスポンジをくっつけてもらった。「ひ」の文字は、両端を引っ張ると「ひ、ひ、ひ、」と笑っているようになる。これは、気に入ってもらえたようだ。娘は、結構一人で「ひ」の文字を引っ張っていた。

 耳から入った言葉はすぐ消えるが、音が文字とつながれば、目や指を使うことになるので、日本語が定着するな、という感触があった。

 (続く)

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