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イナゴに梯子を渡らせているスローモーションビデオより (AFP)

研究:昆虫も視覚に頼り歩行できる

 【大紀元日本1月2日】

 このほど、米研究員がイナゴに梯子を渡らせているスローモーションビデオにより昆虫が足を着く時、触覚に頼らず視覚を使用していることを発見した。この研究報告は米生物学誌「カレント・バイオロジー(Current Biology)」に掲載されている。

 科学者の認識では、視覚に頼ることは四肢のさまざまな役割をコントロールするためであり、昆虫の小さな脳にとってはあまりに複雑であるとされてきた。この研究の執筆者でありケンブリッジ大学研究員であるネイワンド氏は、この研究結果が昆虫もヒトや猿、タコなどの脳が比較的大きな生物に限られたものとして見られてきた複雑な動作が出来ることを証明したと述べている。脳の容量が大きな哺乳動物の視覚系統のニューロン(神経系を構成する基本的、機能的な単位。神経細胞)はイナゴの全身の神経系統のニューロンよりも多い。だが今回の研究では、脳の小さな昆虫にも複雑な作業が出来るということが明らかになった。

 コオロギやゴキブリ、アリといった長時間地面で行動する昆虫の大半は眼が小さく、長い触覚を使用した「感覚」を頼りに通り道を行き来し、大きな眼を持つ虫の大半はいつも飛行している。このことから研究員はこれまで、大きな眼を持つ虫が飛行中にどのように視覚を使っているのかについて重点を置いてきた。ネイワンド氏は、触覚が短く、眼が大きく、飛ぶことも地面を歩行することも出来るイナゴは歩行時に足を着く場所を確認するためにも視覚を使用しているのかという疑問を持った。

 そこでネイワンド氏のグループは小さな梯子を作り、イナゴが梯子を渡る様子を撮影。イナゴが足を踏み外す回数を記録した後、このイナゴを他の状況下に置き足を踏み外す回数を比較した。さまざまな実験後、イナゴが足を着く場所を確認する時、視覚を使用していることを証明するにいたった。また、イナゴが自分の前足が見えない時、停止してその前足を梯子の脇に向かって伸ばし、見える足に変えることも確認されている。

 過去40年来、イナゴにより四肢コントロールの手本の有機体を研究してきた。今回の視覚を使用することの発見は、人類とロボットの移動についての更なる理解への助けとなるだろうと同氏は述べた。

(翻訳編集・市村)


 (10/01/02 05:00)  





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