THE EPOCH TIMES

正統文化への回帰

2010年02月28日 05時00分
 【大紀元日本2月28日】「神韻芸術団」なるものが今注目を集めている。海外の優秀な華人アーティストにより2006年に設立された芸術団で、ニューヨークを拠点に毎年世界ツアーを展開する。「人類の正統文化の復興」をその設立の趣旨とし、主として中国古典舞踊を通して、その使命を果たさんとしている。

 彼らが復興を願う「正統文化」とはそもそも何か。中国は古くには「神州」(神の国)と呼ばれ、太古には神と人が共生していたと言われる。そこには自ずと「天人合一」、つまり、人類社会と神の住む天上世界とは一個の全体であり、天象の変化はそのまま人類社会に反映されるという考えが生まれた。そのため、中国の歴代王朝は、天文・天象の観察を重んじ、五穀豊穣を神に感謝し、皇帝は自らを「天子」(天の子)と称した。このような土壌に育まれた中国伝統文化は、神を敬い、善と「徳」を重んじるもので、「神伝文化」とも呼ばれる崇高で純粋なものであった。

 道徳の教え

 では、「徳」とは何か。それは、中国伝統文化の核心であり、宇宙自然の普遍的法則や根元的実在である「道」と一体となって、中国伝統文化の本質をなしてきた。中国は五千年にわたる輝かしい伝統文化の中で、一貫して「徳」を追求し、重んじてきた。儒家であろうが、道家、佛家であろうが、それぞれの文化はいずれも「徳」の一字の上に成りたっている。すなわち、中国伝統文化は「道徳」の文化だということだ。

 『道徳経』に曰く、「その身において修めれば、その徳は真となり、家において修めては、その徳は溢れ、その郷において修めては、その徳は長じ、その国において修めては、その徳は豊かになり、その天下において修めては、その徳は普く行き渡る」(第54章)。つまり、国を治め、家を治め、身を治めるに際して、「道徳」の基準に基づくべしということである。

 ただ、こうした「道徳」の考えは、何も中国の大地に限ったことではない。西洋でも、人類文明史の早期から、人々はみな神を信じてきた。西洋には天帝、キリスト、聖母マリアがおり、神は人を教化するために、何をすべきか、何はすべきでないか、何が正しくて、何が正しくないか、善には善の報いがあり、悪には悪の報いがある、といった一連の行動規範を制定した。これが正に中国でいう「道徳」である。

 なぜ「道徳」を守らなければならないのかと問う人がいるが、それは神が人のために制定した規則であり、論証の余地のない公理だからだ。人はただそれに基づいて行動するしかないのである。なぜ嘘をついてはいけないのか、なぜ同性同士は結婚できないのか、なぜ悪いことをしてはならないのか、なぜ何をなすにも良心を大切にしなければならないのか、……。神が定めた規則だからだ。

 このようにして、中国でも西洋社会でも、数千年来、人類は神に対する敬虔な期待と懲罰に対する恐れの中で、意識的、無意識的に人類の道徳を遵守し擁護してきた。

 進化論と無神論の闊歩

 ところが、近代に入り、西洋に実証科学と唯物主義が現れ、いわゆる「科学と理性」の旗印の下、物欲と利己の近代化の波が世界中を席捲するようになった。自己を中心とし、金銭を第一とし、快楽を目標とした現代人類は、次第に物質を尊び、感覚を重んじ、眼前の現実的利益を大切にするようになり、その結果、天国、来世、祖先、理想といったことに対して、徐々に崇拝の念と追求の心を失っていった。

 同時に、進化論と無神論が我が物顔で世界を闊歩し、その結果、動物世界の「弱肉強食」の掟が人類の当然の行動規範となり、かつ神への畏敬の念を失うことによって、人類の道徳は滑落することになった。

 ただ、幸いにも、西洋では、今も宗教文明の支えがあり、辛うじて道徳の大いなる退廃は免れている。2008年6月の「ワシントンポスト」で、ピュー・フォーラム(Pew Forum)が行った興味深い調査結果が公表された。調査は、3万6千人のアメリカ人成人に対して行なわれたもので、それによると、自らを無神論者と称するのはわずか20%で、92%の人が神や高次元の宇宙生命の存在を信じており、58%の人は毎日少なくとも1回はお祈りをするという。調査ではさらに、4分の3のアメリカ人が、いい人は褒美を手に入れ、天国に行くことができると信じており、6割以上の人が、罪業を悔い改めない悪人は、死後地獄に行って懲罰を受けると信じているということも明らかになった。

 党文化による破壊

 ところが中国では、60年前に共産党がその大地を蹂躙して以来、徹底した無神論によって、ことごとく神仏を否定した。文化大革命時には、「破四旧」(古い思想、文化、風俗、習慣を打破せよ)の号令の下、伝統的な古き良きものがことごとく破壊され、「批林批孔」によって、孔子の教えも完全否定された。

 その結果、中国を中国たらしめていた「道徳」が人々の心から徐々に消え、神仏への畏敬の念が失われ、替わりに、中国共産党は、自らを「偉大な」革命政党として神格化した「偽文化」をつくりあげ、人々を巧妙に洗脳していったのである。それを「党文化」という。

 数年前、子供が油のぎらついた池で泳いでいる写真を目にしたことがある。脇には、幾匹もの魚が白いお腹を上に向けている。都市では、スモッグで年中青空が見えないという。中国の大地がこれほどまでにひどく汚染されたのはなぜか。

 最近、「裸官」ということばを目にした。地位と権力を悪用して、不正に集めた大金を海外の銀行に預け、妻と子供も海外に移し、いざとなったらいつでも逃亡できるようにしている共産党幹部のことである。先月には、2008年にあれほど世間を騒がせた毒入り粉ミルクが再び市場に出回るという事件が起きた。こういうことが平気で行われるのはなぜか。

 道徳を失い、神への畏敬の念を失ったからにほかならない。

 神韻芸術団への期待

 なんとしても、中国を、いや中国のみならず、道徳が退廃しつつある私たちのこの世界を、神が与えた本来の姿に回帰させねばならない。それを目指しているのが神韻芸術団であり、そのような崇高な神業は彼らにしかなしえない。

 今2010年世界巡回公演の真っ最中である。3月4日~17日には、4度目の来日公演が行われる。ぜひ、我が目、我が耳、我が身でもって、神の舞、神の韻(ひびき)を体感してほしい。

 くわしい情報は、神韻芸術団公式サイト、ならびに日本公演サイトまで。

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