【党文化の解体】第7章(10)

【大紀元日本7月3日】

4.子作りを制限する、夫婦は革命の同志である、男女に区別なし、女性も天の半分を担える

3)男女に区別なし、女性も天の半分を担える(続き)

伝統社会の中で、女性は政治、経済、科学研究、軍事などの面であまり業績をあげてこなかったが、子弟の教育、道徳と正常な社会秩序を維持する面では、かけがえのない役割を果たしてきた。特に母親として子供の幼い心に「慈愛」というものを深く植え付けてこそ、子供が成長してから、はじめてこのような愛を社会に捧げることができる。「孟母三遷の教え」、「岳飛の母の報国忠世」の物語は、ほとんどの中国人に知られている。大義が分かる母の教育がなければ、後日、岳飛の「忠義を尽くして国恩に報いる」という壮挙がなかったかもしれない。

中国共産党は「男女に区別なし、女性も天の半分を担える」と吹聴して、女性の伝統的な良妻賢母の役割を変えて、女性に男性と同じようなことをさせる。一方、女性は余裕がなくなり、親の面倒を見ることと子育てをしっかりできなくなって、子供の教育を完全に上の世代(祖父と祖母)か学校に依存して、そのため複雑難解な社会問題を引き起こした。

全国民を闘争に巻き込ませるために、中国共産党は「男女に区別なし、女性も天の半分を担える」と吹聴した。伝統社会で女性は社会活動にあまり介入しないため、そうすると中国共産党がコントロールできる人数は半分少なくなる。中国共産党は「女性を解放した」と宣伝して、女性をいわゆる革命に参加させた。これで、優しくて文弱な女性を「鉄女チーム」と「赤色の女性部隊」に編成して、全社会を反逆運動に巻き込んだ。

「男女に区別なし」は表面上、女性の地位を高めたように見えるが、このような観念は党文化を認める前提に確立したものだ。このように生理上の違いを無視して、男性に対する基準で女性に要求することは、実際には女性に対してとても不公平で、党文化のもとで女性に対する酷使に当たる。

孔子は「君子は和して同ぜず」と述べたが、これは人それぞれの特徴が生かされて構成された多彩な社会のことだ。人間はそれぞれ長所があって、互いに尊重して、平等な関係にある。中国共産党は「思想を統一」して、社会を一元化にさせようとする。生まれた時点から異なる男性と女性に、中国共産党は「弱肉強食」の思想を注ぎ込んで、男性より弱いならば虐められる、自分を守りたいなら強くならないといけないという思想を女性に注ぎ込んだ。

女性は優しさを捨てると、自分の長所を捨てて、短所の部分を持って男性の長所と争うことと同然で、女性としての特色も失う。女性は勉強のほか、またしっかり賢妻にならなければならず、また子供を生んで教育しなければならず、また男性と同じように職場で奮闘せねばならず、また家事をもこなさないといけない。中国の女性はとてもプレッシャーを感じて、女性に生まれて疲れると感慨する。

「男女に区別なし」の観念は中国で「陰盛陽衰」の現象を招いた。このような党文化が作った女性のイメージは劉胡蘭、李鉄梅、江姐、阿慶嫂などのような人物が代表である。彼女たちは目を大きく開いて威風堂々に歩いて、喋る時意気が盛んな声をする。中国古代の女性の温情はこのように人為的に捨てられた。この点に関して、多くの中国女性自身も書籍、新聞、映画とテレビを通じて分かった。日本、韓国、台湾の女性はもっと女らしくて、もっと化粧が上手い。党文化の指導のもとで、女性は男性化する過程の中で優しさを失って、荒々しく横暴に豹変した。女性として、男性に勝ってこそ人生の価値を実現できるとの観念は、多くの女性に女性としても特性を失って、今日の男女の間の悪性競争、婚姻関係の緊迫を招いた。

党文化によって変異された婚姻と家庭の中に、安らぎを求めることは難しい。女性が半分の天を担って本来男性がする事をやれば、男性のように強くなるのは言うまでもない。それで、夫婦は誰もが頭を下げず、互いに強がって、家庭の暖かさが失われる。妻が女らしくないと男性は思って、女性も夫が気丈でなくて男らしくないとも愚痴る。妻に抑制される男性は怖くて堂々として男の尊厳を保つことができず、家庭は「かかあ天下」になった。多くの男性は家で男の尊厳を実現できないため、家庭の外で女性からの従順と尊重を探して、結局、もっと多くのトラブルを招いて、中国人の婚姻に対する責任感がいっそう薄くなる。現代中国社会の高い離婚率と不倫の氾濫は、党文化によって家庭観念が破壊されたことに大きく関連している。

「男女に区別なし」の観念はまた女性の身なりにも現れている。毛沢東は、「麗装より武装を愛する」との詩を作ったことがある。実は、おしゃれするのは人間の天性で、特に女性の天性である。中国の女性は何を好むか、男性である共産党党首に決められるべきではないだろう。数十年の間、中国の女性は青、黒、灰色の三色しか着ることができなくて、服装のスタイルもレーニン服、緑色の軍装など限られる数種類しかない。少しおしゃれな服を着たらすぐに批判を招く。女性のハイヒールを切って、良い生地のズボンをはさみで切る共産党幹部もいた。外国人は中国に来て、性別の区別がつかない服を着た女性を見てびっくりした。中国の女性は貧しくてスカートさえ穿けず、夫の服を着ているのかと思ったらしい。

現在、中国人の衣服のバラエティは豊富になったが、党文化の観念はまだ頑固に中国人を左右している。他の国に比べれば、中国女性の身なりは妥当でないことが多くて、声は大きくて、優しさが足りなくて無礼な行為をする時もある。愛嬌、優雅、荘重、優しさ、思い遣りなどの女性の美しさは、共産党によってほぼ完全に破壊された。

(続く)