THE EPOCH TIMES

高智晟著『神とともに戦う』(21) 夫人が見た高智晟(3)

2010年02月19日 08時44分

 【大紀元日本2月19日】まるで「壁に耳あり障子に目あり」であった。そのため、夫が家に不在の時、耿和は夜でも通りに面した部屋の明かりをつけようともせず、子どもにも小声で話すよう言い含めた。また、他人を巻き込むのを恐れて、電話すらかけなかった。だが高智晟はその逆で、家に出入りする際、何ら気にもかけない。鍵を持ち歩くのを嫌がり、帰宅すると家のベルを「ピンポン、ピンポン」と鳴らす。警察に自分の行方を知ってもらわねば困るかのようだ。耿和が「こんなにたくさんの人に見張られているのに、何で静かに行動できないの」と問うと、高智晟は逆に「こそこそする必要があるのか。怖がるな。僕がいるから」と返した。

 この家庭から愉快な笑い声が響くのは、高智晟が家にいる時だけであった。また、正義の気風を身にまとい、公明でさっぱりした夫が目の前にいる時だけ、耿和の心はようやく落ち着き、安心感を覚えるのだった。

 不幸に見舞われたとしても妻が耐えられるようにと、高智晟はかつて耿和とこんな会話を交わしたことがある。

 「君はこういう生活に慣れなければならない。警察が尾行したいようなら、彼らの好きにさせておくんだ。彼らが家に入り込んでも、動ずることなく対応しなさい」

 「あなたがいつか、彼らに突然連行されるのではないかと心配なの」

 「大丈夫。せいぜい牢獄に入る程度だ。もし僕が牢獄に入ることになっても、君は自分のやるべきことをやりなさい。小さいことにびくびくしてはいけないよ」

 共に歩むこと15年。耿和には夫の気性が痛いほど分かっていた。一旦決めたことは、絶対にやり続けるのだ。だが夫が家を出ると、決まって警察の車が群れを成して夫の車を尾行する。それを見るたびに耿和は、いつでも起こりうる死別の不幸におびえ、涙があふれてくるのだった。

 夫に続けさせよう、より多くの人が救われるように

 運命の神は、高智晟に選択の余地すら与えず、彼が開業したその日からすぐに弱者の味方になる役を彼にさずけた。この役が高智晟にとって、最終的に何を意味するのかは分からない。だが、これだけは間違いなくいえる。「人権派弁護士は、他の弁護士よりも、さらに深く重い道義を背負い、多くの犠牲を払わなければならない」と。

 ウルムチの高智晟の事務所は、常に無実を訴える人々であふれていた。彼らは、「高先生、先生の思うようになさってください。もし先生がお手上げなら、私たちに残された唯一の道は…自殺。焼身自殺だけです」と魂の叫びを訴えた。

 高智晟はいつも、彼らの訴えの内容を詳しく調べ分析していた。訴訟手続きに入れる場合は訴状作成の手助けをし、訴訟が無理ならそれが発覚するようメディアに実情を暴露する。それでも解決できない場合には、まずは彼らが家に帰れるように交通費と食費を渡す。その後、彼らのために文章を書き上げて社会へ訴えるのだ。

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