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「幹部を育てるのは難しい…」。毒ミルク事件で失脚した李長江氏の復帰を風刺する「新京報」掲載の漫画(ネット写真)

我慢すれば復活できる? 失脚幹部の復帰、全人代で規定

 【大紀元日本2月27日】03年SARS事件や08年山西省重大炭鉱事故など5年間で2度も不適切な対応で責任を問われ、北京市市長などの地位を去った孟学農氏が、再び中央政府の直属機関の責任者に復帰したことが最近明らかになった。重大事件で失脚した官員が早々と復帰したケースは昨年も数多く報道された。実際、「処罰を受けた幹部の復帰」に関する規定が、来週開催される第11期全国人民代表大会(全人代)に向けた常務委員会第1回全体会議で明文化される見通しとなっている。

 規定には、除籍を除く処罰を受けた党幹部は、処罰の期間中に問題を起こさなければ、期限の満了後、昇格に影響はないと明記される。その理由として、失脚した幹部は事故または事件の主要な責任者ではなく、主に監督責任を問われるケースが多いため、復帰の機会を与えるべきだとしている。

 失脚後、早々と復帰した人物として記憶に新しいのは、元中国国家質量監督検査検疫の局長・李長江氏。同氏は数万人の乳幼児が被害に遭ったメラミン入り粉ミルク事件で08年に辞任に追い込まれたが、2年足らずで早々と「ポルノ対策チーム」の副長(日本の副大臣に相当)に起用され、昇進まで果たしている。

 また、08年6月に不審な死を遂げた女子中学生の案件をめぐり、当局の対応に不満を抱く数万人が抗議した貴州省瓮安事件で、当時免職となった同県トップの共産党県委員会書記・王勤氏は1年後に他県の財政副局長として復帰している。「政府部門公務員処罰条令」によると、免職された場合は少なくとも2年以内に職務復帰してはならないとされている。異例のスピードで復帰した同氏に対しては、批判の声も上がっている。

 行政処分で免職されても、ほとんどは党での役職は変わらず、待遇はそのまま。しばらく我慢すれば、事件が忘れ去られた頃にあっさりと復帰を果たすのが中国式。李長江氏の復帰後、毒入り粉ミルクが再び流通していることが発覚したが、ネットでは「幹部の復帰があるなら、毒ミルクの復帰もあるはず」と揶揄されている。またネット世論の間では「(処罰は)世論をごまかすための手段に過ぎず、ほかの幹部への戒めとはならない」と指摘する声も上がっている。

 専門家は、「幹部の復帰はしっかり民意を問うべきだ。規定に合致しているから復帰が適切とは言えない。幹部の復帰に法的根拠を与えれば、それが常態化してしまう」と懸念を示している。

(翻訳編集・高遠)


 (10/02/27 10:12)  





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