【大紀元日本2月5日】米カイザーファミリー財団(Kaiser Family Foundation)が、08-09年に行なった子どもとメディアに関する3度目の調査結果が最近、公表された。
8~18歳の2002人の青少年を対象に調査した結果、携帯電話、iPod、ゲーム、パソコンなど、メディアに費やす時間は、毎日平均して7時間38分にも上ることが分かった。これは5年前の6時間21分と比べて81分も増え、同じ時に同時に複数のメディアを操ることが前回調査時の約2倍に達したことが非常に特徴的であったと示した。
今回の調査対象の、モービル(mobile)、マルチメディア、マルチチャンネル、マルチタスキング(multitasking)などのメディアを中心に使用することで、「M世代」と呼ばれている。5年毎に調査を行っている最新報告によると、2004年より携帯電話の所有率が39%から66%へ、同年iPodなど音楽プレーヤーの所有率が18%から76%へと急増した。また、調査対象が携帯電話で話す時間より、音楽を聴き、ゲームをし、テレビを見ることに費やす時間が多く、歩きながら使用できるメディア類が20%を占めているという。
一方、使用頻度が相対的に減少しているのが印刷メディアである。1999年から現在までの調査では、同じ年齢層の調査対象の毎日の読書率は47%と保たれているが、雑誌を読む割合は55%から35%に減少し、新聞を読む割合が42%から23%へとさらに減少していることが分かった。
研究報告の中で、米ピュ・リサーチ・センター(Pew Research Center)およびインターネット&アメリカンライフ・プロジェクト(Internet & American Life Project)の研究員アマンダ・レンハート(Amanda Lenhart)氏は、マルチメディアなどの製品の発達が子どもたちの休み時間に大きく影響を与えていると示し、iPodと携帯電話はM世代にとって、「雑誌とガム」のようなものだと強調した。
カイザーファミリー財団で、メディアおよび健康の為の研究プログラムを担当するビッキー・リデアウト(Vicky Rideout)主任は、子どもたちがあまりにも多くの時間をこれらのメディアに費やしているこの現状をなんとか改善すべきだとの見解を示した。
日本でも電車の中、コーヒーショップ、レストラン、駅、強いては歩きながら、携帯電話やゲームに興じる人や音楽プレーヤーを聞く人などをあちこちで見かける。会社ではパソコン、自宅でもパソコンやテレビをつけている。家族間の会話が減っている原因の1つが、マルチメディアに沢山の時間を費やしていることであると専門家が見解を出している。若者達がひとりで過ごす自分達だけの世界から他人とのコミュニケーションをうまく図れるように、この現状を早急に見つめ直す必要があるかもしれない。
(翻訳編集・豊山)
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