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第82回アカデミー賞のドキュメンタリー映画賞(短編)にノミネートされた作品(夏明教授提供)

中国メディア報道せず! 四川大地震ドキュメンタリー映画 アカデミー賞ノミネート 

 【大紀元日本2月9日】2010年第82回アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞(短編)で、四川省汶川大地震発生直後の被災地を報道する「中国の非自然災害/四川省の涙(China’s Unnatural Disaster/The Tears Of Sichuan Province)」がノミネートされた。ドキュメンタリーは地震で命を奪われた生徒の親たちが大惨事をもたらしたおから工事を訴え、デモ、請願活動などを記録したものである。

 米ケーブルテレビHBOがプロデュースしたこのドキュメンタリーは、監督のジョン・アルパート氏にアシスタントのマッシュ・オニール氏、製作者として、ニューヨーク市立大学で教鞭をとっている中国系米人の夏明(シャミン)教授と鄺治中(クァン・チゾン)教授の4人が関わっている。

 
「中国の非自然災害/四川省の涙」(夏明教授提供)

4人は地震発生から10日後に被災地の綿竹、漢旺、都江堰入りし、10日間の撮影を行った。夏明教授によると、地震により多くの校舎が全壊し、おから工事である事実が露呈してから、当局に対して、その責任を取るように訴え、デモ行進をする被害者生徒を持つ百人以上の親たちに出会ったことから、ドキュメンタリーの主軸に中国の社会問題を取り上げることにしたという。夏教授は、地震は天災というが、実際は多くが人災であるとし、それが今回のタイトルの由来にもなっていると語った。夏教授は、被災地住民たちの声を国際社会に伝えられたことに喜びを感じていると示した。

 夏教授によると、当時の北京当局は、被災地の報道で党、国家および軍隊の偉大さをアピールするものだったとし、それと相反して、四川大地震がもたらした災害の一部が人為的要素であるとの指摘自体がすでに敏感な話題になっている。実際、被災者家族とその他多くの民間人が行った人権活動は当時中国当局の弾圧を受け、また4人の撮影と取材も当局の監視と妨害を受けたり、4人は十数時間にわたり拘束されたこともあったという。

 一方、中国国内のメディアはアカデミー賞にノミネートされた映画などは報道されたが、「中国の非自然災害/四川省の涙」の作品については触れなかった。「新華ネット」の場合は、アカデミー賞の主要項目ノミネートリストを掲載したが、ドキュメンタリー映画賞の報道はなかった。また、「新浪網」ではドキュメンタリー映画賞短編のノミネート作品を4本しか紹介せず、「中国の非自然災害/四川省の涙」は省かれた。その他のメディアでは、英文のタイトルを出したが、中国語タイトルはなかったものもあった。唯一詳しく報道したのが上海放送テレビ局のネットニュースで、「汶川大地震で死亡した生徒らの親たちが校舎はおから工事によって建築されたことを知り、政府に対して訴え、抗議デモをするなどのドキュメンタリー「中国の非自然災害/四川省の涙」作品がノミネートされたと報道した。

 昨年9月、「中国の非自然災害/四川省の涙」の4人の製作者が北京独立映画祭に参加するために、ビザ申請したが当局に拒否された。アカデミー賞の結果発表は3月7日にある。

(翻訳編集・豊山)


 (10/02/09 05:00)  





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