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日中共同歴史研究報告、両国の報道に温度差

 【大紀元日本2月3日】日中の有識者による歴史共同研究委員会は先月31日、3年間に及ぶ初の共同研究の報告書を公表した。当初2008年に予定された発表が1年も遅れたことに、両国の見解が大きく異なることが窺える。歴史問題という両国においても関心の高い話題だけあって、両国のマスコミは報告書の公表を報じた。

 日本メディアは、南京大虐殺の犠牲者をめぐる双方の見解の違いを詳述し、両国の歴史認識の溝を埋めるために始めた同プロジェクトに限界があると結論付けた。それに対し、中国側は「中国侵略を日本側が明確に認めた」の一色で、戦争の責任を認めさせたことを強調する記述が目立っている。天安門事件など非公表の部分について言及はなかった。

 中国政府系「中新網」は2月1日付で「中日共同歴史研究報告が発表、日本側は侵略を認めた」と題する記事を掲載した。「国際在線」も同日付で「中日研究者は南京大虐殺に同一見解を得た」との記事を発表し、中国側の委員長で中国社会科学院近代史研究所所長歩平氏のコメントを紹介した。同氏は「南京大虐殺に関しては、最も注目されるのは犠牲者数というより、反人道的な集団虐殺であることについて同一見解を得たこと」と述べた。

 中国の民衆にとって注目度が高いはずのこの話題は、意外にも中国の各掲示板論壇でほとんど言及されなかった。日本に対して高い関心を持ついくつかの人気掲示板論壇で関連の報道が転載されたが、ネットユーザーからの発言はほとんどないことから、反日感情の上昇を戒め、当局が発言制限を掛けている可能性が強く伺える。

 強調された「中国侵略を日本側が明確に認めた」という記事のほか、「日本の学者が日本の文化と起源は中国に由来すると認めた」との角度の報道も見られた。

 一方、同研究を報道したNHKの海外放送が一時、画面が真っ黒になったとも日本側に報じられた。天安門事件に関する映像が遮断されたと見られている。関連の報道は中国のネット上で全く見当たらない。

 歴史共同研究は、中国で反日デモが拡大するなど、日中関係が急速に悪化する中、歴史認識に関する相互理解を深めるのが目的で、当時の町村外相によって提案され、2006年12月に発足された日中有識者による共同プロジェクト。双方それぞれ10名の有識者からなる委員会を立ち上げ、日中交互に計4回の会合を経て、それぞれの見解を併記する形で550ページに及ぶ報告書をまとめ上げた。今回の報告書は日中戦争までの古代と近代の部分である。

(報道・高遠)


 (10/02/03 07:37)  





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